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クロス豚がゆく

やりたいことは増える一方、しかし自分の時間は減る一方。
そんな中での悪あがきと迷走の日々。

気がつけば、収集家

2007-02-10 01:19:56 | 
我が家には、ちょっとしたコレクションがある。
それは梅酒、おそらく60種類以上ある。

最初の梅酒を買ったのは、10年ほど前になる。
きっかけというほどのものではないが、それは
相棒とはじめて居酒屋へ行ったことだったのではないか。
当時のぼくは日本酒党だったので兵庫の富久錦を選び、
相棒は梅酒を頼んだ。
付き合い始めたばかりだったから、お互いの情報もまだ少ない。
話し上手でもないから、仕方なくありきたりの話題を選んだ。
―お酒好きですか?
「ええ、梅酒に凝っているんです」

その話題は見事にそれで終わったが、
付き合い始めたばかりの男は実に殊勝なもので、
ぼくの中に、その言葉はしっかりインプットされてしまった。

その後、自分の酒を買いに行った酒屋で、
その話をふと思い出した。

―梅酒って、凝るほどの種類があるんかな?
試しに陳列棚を探してみると、これがあった。
チョーヤ以外の梅酒。
「みなべ南高梅100%使用・梅酒」というその梅酒を
ぼくは早速買って、週末のデートでプレゼントした。
相棒は想像以上に喜んだ。

―これは、いける。

また別の日、別の店で見つけた梅酒を持っていくと、さらに激しく
相棒は喜んだ。
指輪やネックレスはその当時も今も、選ぶ基準は分からないが
梅酒は珍しいものを見つければ、とりあえずはOKなのだ。
こんなことを繰り返すうちに、初めての酒屋では必ず梅酒を探す
習慣がいつも間にかついてしまった。

相棒が東京に転勤になった後は、休みのたびにどこかしこへと出かけ、
晩酌のための地酒と梅酒を買いあさってきた。
次に会うときのため…である。
探してみると、地酒と同じように地梅酒があることも分かってきた。
まわりまわって鹿児島から北海道まで、全国45都道府県。
地酒は旅の夜露とともに消えうせたが、相棒はぼくとは違い
飲ん兵衛ではなかった。梅酒は増え続けた。

やがてぼくも東京勤務となり、引越し業者にあきれられるほどの
梅酒とともに板橋のマンションに入った。
ふたりで過ごせる時間は増えたが、会社の職種も違うので、
休みが合わないこともしばしばあった。

その日もそんな休日だった。
引越し後間もない頃であったので、少しは整理しようと
引越しのままになった段ボール箱を開けた。
色とりどりの瓶、個性豊かなラベル、そして甘い香りが漂う。
中は梅酒だった。数えると40本あまり。
いつの間にか、梅酒コレクターになっていたようだ。
その中の1本を手にとり、ラベルを隅々まで読んでみた。
作り手のこだわりなどが、実に細やかに書いてある。

―少しは笑えるかもしれない。

イメージしたのは居酒屋にあるような、地酒のリストだ。
予定はない。相棒が戻るまで時間はたっぷりある。
デジカメで1本1本撮影してみた。
飽き足らずにパソコンを立ち上げてワードを開き、
ラベルを見たり、インターネットで検索したりしながら、
酒蔵と産地、その梅酒の特徴などを入力した。

夜、仕事に疲れた相棒が帰ってきた。
―お疲れさん、何か飲むか?
と、作ったばかりのリストを無造作に突き出すと、
相棒は一瞬沈黙して、それから笑顔になって「ありがとう」と言った。

それから4年、さらに梅酒は増え続けて今日に至る。
リストの更新はぜんぜん追いつかないが、
今でも相棒は時折リストを見て梅酒を選んでくれているようだ。
それで、いい。
                               (了)





ホッピーバンザイ

2006-05-10 05:40:22 | 

平日夜の楽しみといえば、晩酌に尽きる。

 いちばん最初に何を飲むか、ほとんどの人はビールだと思いますが、
ぼくの場合、最近のお気に入りはホッピーです。
ただし東京あたりの居酒屋で飲む、氷入り焼酎で割る飲み方と違って
少しだけ凝った飲り方をします。

 まず器、断然ジョッキを使う。
それも8分目あたりに500mlのラインが入っているような、大振りのやつ。
これに甲類焼酎ではなく、安くてもいいから本格麦焼酎を
ジョッキの4分の1程度まで注ぐ。
焼酎を注いだジョッキは、サランラップでふたをして冷凍庫へ。
えっと思う人、そうです。初日はこれで終わり。
出来ればホッピーは、この時点で冷蔵庫に入れて冷やしておきましょう。
ホッピーがない人は、明日買ってきても大丈夫。
おなかを冷やさないように、布団をちゃんとかぶって早めに寝ましょう。

次の日、普段よりすこしだけ仕事をがんばりましょう。
そして難しいことと思いますが、定刻きっかりに退社することを目指します。
帰宅後、出来れば長風呂をして汗をしっかりと流すと、いよいよお楽しみの晩酌。
冷凍庫から取り出したジョッキは、白く霜に覆われているはず。
どこかレトロを感じさせるホッピーの瓶は、少し汗をかいてあなたを見つめている。
開けちゃいましょう、注いじゃいましょう。
焼酎は凍っても固まらないので、マドラーでつつくと簡単に解かすことができるはず。

焼酎シャーベット入りホッピーの完成
特にこれからの季節、最高の1杯になるはずです。
あとはお好きなように…

えっ、ぼくですか?

冷凍庫にジョッキを仕込むところまでで、お預けです。
きょうは週に一度の休肝日。
早起きもしたことだし、本を肴に早めに寝ちゃいます。

ではみなさん、楽しい夜を


炎のある暮らし

2005-12-05 01:28:21 | 
20代の頃、週末はよくカヌーに出かけたものだ。
仲間と出かけても、一人で出かけても
静寂に包まれた川原での夜の一番の楽しみは焚き火だった。
仲間と競い合うように枯れ枝を投げ込み、
盛大に燃え上がらせた焚き火は実に心躍るものだが、
一人旅のときは自分の体に隠れるくらいの小さな焚き火がいい。
絶えず姿を変えながらチロチロと燃える小さな炎が、
どんな旅においても、驚くほどの安心感を与えてくれたものだ。

そのためだろうか、ぼくは今でも炎のある暮らしに憧れを抱いている。
理想は焚き火のできる庭、せめて暖炉か薪ストーブ、それも駄目なら囲炉裏…
しかしこれが、日本の大半のサラリーマンが暮らすことになる都市部では
かなり難しい相談である。
とりわけ今暮らしている東京は絶望的だ。
よほど場所を選ばないと、一斗缶の焚き火ひとつで消防車が駆けつける
羽目になる。(経験はないけど…)

そんな時、スーパーで小さな飛騨こんろを見つけた。
飛騨こんろというのは、珪藻土で作られた厚手の植木鉢のようなもので、
表面にはなにやら文字かつらつらと書かれた和紙が貼り付けられているものだ。
早速購入、バーベキュー用の炭を入れてベランダで火を起こす。
炎が落ち着き、炭火になったら部屋に入れて酒の肴をあぶったり、
黒じょかにそそいだ焼酎を温めたり…
バーベキューコンロほど火力は強くないので、
換気扇さえ回しておけば、部屋中に煙が充満してしまうこともない。
なかなか良いではないか…

それから1年、飛騨こんろも2つになった。今では炭も年中切らすことはない。
今日の肴はカタクチイワシとシシャモ、酒は晴耕雨讀だ。
都会でのプチ「炎のある暮らし」に、今夜も乾杯!