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クロス豚がゆく

やりたいことは増える一方、しかし自分の時間は減る一方。
そんな中での悪あがきと迷走の日々。

宇都宮餃子をレンタサイクルで食べ走り

2009-04-23 00:08:14 | 食べ歩き
『週末は生がきまたはうなぎ、
さもなくば餃子とともにあらねばならない』

最近プチ昇進で、「中間管理職見習心得」とも例えるべき
中途半端な立場に就き、やや情緒不安定気味な相棒が、
週半ばの夜に発作的に叫んだ。
要するに、ストレス解消の一環として、
自分の好物を何でもいいから存分に食わせろ、
ということを言いたいらしい。

餃子といえば、餃子消費量日本一を標榜する
宇都宮が日帰り圏内にある。

「そこまで言うなら、宇都宮で自転車を借りて
餃子食べ走りをしようではないか」
週末の我が自由が、週半ばにして
早くも喪われた哀しみを秘めつつも
けなげに提案した結果を、今回のブログで紹介したい。

日曜日の午後、およそ90分の在来線の旅を経た後、
宇都宮駅西口の自転車駐輪所でレンタサイクルを頼む。

1台100円、初回は運転免許証などの
身分証の提示が必要とのこと。


借り受けの手続きは10分ほど、
ほぼ機械的に割り当てられた自転車は
身長149cmの相棒にはやや大きく、
身長175cmのクロス豚にはやや小さかったが、
とにかく餃子屋に向けて出発と相成った。


時は午後1時、駅近くの有名店は
いずれも長蛇の行列である。


一事が万事計画性のない相棒に、
今回ただひとつの注文を出していた。
「行きたい店を自分で選んで、
自分で地図を見てそこまで行くこと」

相棒の「必殺の表情」でもある、
プッと頬を膨らませる表情をしながらも、
相棒は観光案内所でもらった地図の中から
市街地の百貨店の地下にある
餃子のアミューズメントパーク「来らっせ」を
選び出した。


まずは腹ごしらえのつもりだったようだが、
ここもわずかながらも行列あり。
10分ほど待って、席に案内された。


相棒が「これが!」と選んだのは
「幸楽」の焼き餃子。


にんにくが効いてオーソドックスながら
餃子好きにはポイントが高そうな一品。



これだけで足りるはずもなく数分後、
次なる餃子を求めて相棒は席を立った…


餃子を待つ間、壁に貼られた観光ポスターを見る相棒、
ポスターの図案は餃子の写真と地名を並べたもの。
せっかちな相棒にとっては、どこの餃子か分からないことが、
とにかくもどかしいとのこと。

相棒の2品目は「龍門」の羽根付き餃子。

にんにくではなくしょうがの香りがやわらかい、
おかず系の餃子。


少食な相棒が次に選んだのは「正嗣」駒生店。
駅から3kmほど離れているだけに、
相棒にとっては「餃子訪ねて三千米」。
真剣な表情で地図を見つつ道を探す。


でも実は、店へのルートは単純な一本道、
方向音痴な相棒でも迷うことなく、
30分ほどで目的の店に到着。


駐車場の隅に自転車を停めていざ店へ。


少食な相棒はここで早くも勝負に出て
餃子ライスを注文。
ぼくは餃子単品2人前をオーダー。


やはり調理技術はアミューズメントパークより、
店が数段上のようだ。
焼き加減が全く違う。相棒の食いつきもまるで違う。
クロス豚的には今回の№1には、ここを推したい。


駅への復路、一本道にもかかわらず方向音痴な相棒が迷う。
ここに至ってついにクロス豚が先導することになった。


食べ走りの締めくくりは、宇都宮駅構内の「みんみん」。

さすがに人気店の支店らしく、そこそこのレベルだったが、
焼き加減は本店のそれには及ばず。クロス豚的には今回の3位。
(2位は「来らっせ」で食べた「幸楽」の焼き餃子)

宇都宮駅の売店で、地元ならではの「レモン牛乳」をGET。

電車を待つホームで初めて味わったそれは、
小学生時代に友達の家(牛乳販売店)に遊びに行くと
必ず出てきた乳酸飲料の「マミー」にも似ていて、
どこか懐かしい味だった。

久しぶりの東京麺通団

2009-04-14 01:24:52 | 食べ歩き
冗談のような雑用てんこ盛りの職場を、夜8時半に離脱した。
昼休みを適当に済ませてしまったため、大食いのクロス豚としては、
とにかく腹が減ってしまった。
とりあえず何か、軽く食っておきたいと考えて新宿のうどん屋
「東京麺通団」に立ち寄った。

「東京麺通団」は、初めて来店したとき、思いの外
高松の平均的なイリコだしに近いものを出してきたので、
ぼくの個人的な評価は高い店だ。しばらくぶりになるが
あのイリコだしを味わおうと「ひやかけ大」をオーダー、
揚げ物は取らずにレジへまっすぐ進んで刻みねぎをトッピングした。

イリコだしを堪能するには、これに限る。

代金を払おうとすると、店員が『今日は無料です』と言う。
何でも今日限定で、「新入生・新社員おめでとうフェア」を
やっており、かけうどんは無料にしているとのこと。
どう見ても新人ではないクロス豚だが、店員はとにかく無料だという。

そこまで言ってくれるのなら、いただこうではないか。
「じゃ、いただきます」と言ってカウンター席へ。

さて、久しぶりの「ひやかけ」、無料でもいつもの流儀は変わらない。
ひやダシでまずは半分、残りは熱いかけダシを追加して完食。

肝心の味は、無料ゆえの”讃岐”ならぬ”手抜き”なのか、それとも
数年の間に「悪い東京ナイズド」が加わったためか分からないけれど、
麺は茹でムラがあり、ダシは薄く雑味が多いイリコダシに変わっていて、
開店当初に比べて大幅に味が落ちたと思わざるを得ないものだった。

讃岐うどんの店が増えたとはいえ、東京では平均以上のイリコだしが
味わえる店は未だ希少だ。
不景気な中無料フェアを実施した志も、評価したい。
だから思う。この劣化が一時的なものであってくれれば良いのだが…

プリンスホテルのデザートブッフェ

2007-12-12 01:35:01 | 食べ歩き
先週早くも最初の忘年会があり、いつもにも増して
酒を多く飲んだ上に、土曜日は撮りためたドラマなどを
見て、せんべいなどをかじりながら家でゴロゴロして
過ごした。
日曜午後、雲ひとつない青空に誘われ、少しは体を
動かそうと、相棒と自転車で漕ぎ出した。

しかし予想外に風が冷たかったかったこともあり
相棒は早々に意気阻喪、荒川行きは断念して
池袋へ進路変更した。

昼食を摂っていなかったので、何が食べたい?と
聞くと、相棒はニンマリとして1枚のポスターを
指差した。
それは「クリスマスケーキ&スイーツフェア デザート
ブッフェ」。クリスマスケーキ5種、スイーツ18種、
軽食6種の食べ放題である。

うーむ…糖分たっぷり、コレステロールたっぷり、か。

中年真っ只中のぼくには、これは良かろうはずがない。
しかし、毎週末の居酒屋行きに付き合ってくれているし、
たまには付き合うか…

サラダバーと軽食コーナーのたこ焼きなどをつまむ
ぼくの前で、相棒の皿はご覧の通り。


サラダと軽食だけで満足出来るはずもなく、ぼくも
ついついケーキに手を出したのが運の尽きとなり、気がつけば
ほぼ一通りのケーキ&スイーツを食べてしまったのであった。
おまけに2人そろって満腹になり、自転車どころでは
なくなって早々に帰宅、結局はテレビの前でゴロゴロ。

甘いものを暴食した後って、酒を飲みすぎて二日酔いになった
以上の罪悪感がありますな…

七宝麻辣湯

2007-04-27 21:41:03 | 食べ歩き
昼やすみ、いつもながら店を決めかねていた。
残り時間も考えると、いいかげん店を決めなければ…
ちょうど少し先にラーメン店が見えたので、
そこに入るつもりで進むうちに、目に飛び込んできたのが
「麻辣湯」という看板を掲げた店。

前夜久しぶりに飲んだバーボンが、頭の中に曇りを残していた。
辛いもので汗をかいたら、頭もすこしは冴えるだろう。
曇り頭の思いつきに任せて、その「麻辣湯」の店に飛び込んだ。

幸い店は空いていた。
いらっしゃいませ、と迎えた店員が「具を選んでください」と
プラスチックのざるを手渡される。

…!?

店員が示す方を見ると、スーパーでみかけるような冷蔵式の
陳列台があって、野菜やら肉類やら20種類ほどの具材が並べられている。
基本メニューは650円、これらの中から具を3種類選び、
白湯か麻辣湯(辛さは5段階)を決めて注文する。
白菜とたまねぎ、豚肉を選んで、スープは麻辣湯の3番目にした。
待つこと10分出てきたのが、こちら。


ダシの個性はほとんど感じないあっさりした味わい。
そのかわりに花椒がガツンと効いていて、不用意にすすり込むと
むせ返りそうなほど。

辛いもの好きのぼくは、さらににんにく1さじ、山椒1さじを加えた。
選んだ3種類の具のほかに春雨も入っていて、
いささかバーボンが残る胃には、これがちょうど良い塩梅。

ワイシャツの袖を捲り上げ、ネクタイを緩めてあらかじめ備えていたが、
目の周りやこめかみあたりから汗がふきだす。
おかげで頭の曇りは一気に覚めた。
あすから7連休、もうひとがんばりするか

しゃぶ亭 福家

2007-03-22 01:47:14 | 食べ歩き
年度末にもかかわらず仕事に空きができたので、
すかさず休みをとった。
春分の日から日曜日まで、都合5日間の休みができた。

休み初日の朝は毎度のことながらダラダラと過ごした。

昼過ぎ、さすがに腹がすいたので昼食に出かけた。
既知の店に行くのもなしではないがせっかくの休み、
ここは新規開拓をしたい。
東武東上線の駅になる大山に行く。
ここには「ハッピーロード大山」という板橋でも大きい
部類に入る商店街があるが、その半ば辺りに目的の店があった。
しゃぶ亭福家、ワンコインでしゃぶしゃぶランチが食べられる店である。

相棒とふたりでカウンター席に座り、店員の手が空くのを待って
豚しゃぶ定食540円とラムしゃぶ定食490円をオーダーした。

逆L字型に配置されたカウンターは10人ほど座れるだろうか。
それぞれの目の前に埋め込み式のガスこんろがあり、直径20cmほどの
赤銅色のひとり鍋がはめ込まれている。
テーブル席もあるが、こちらのほうが面白そうだ。

カウンターの内側中央あたりにセットされたミートスライサーで、店の人が
冷蔵庫から取り出した肉のブロックをスライスしている。
そのスライスしたての肉と野菜皿、ご飯とお新香が出てきた。


つけダレは2種類、甘口のごまダレと辛口のみそダレを使える。
相棒はごまダレ、ぼくはみそダレにした。

相棒が頼んだ豚しゃぶ


ぼくが頼んだラムしゃぶ


肉はいずれも4枚。値段を忘れて一見物足りない印象を抱く。
しかし激安店にありがちなカチカチ冷凍のパサパサ肉とは違い、
しっかりと温度管理され直前にカットした、まともなしゃぶしゃぶ肉。

目の前のひとり鍋でしゃぶしゃぶと肉を揺らしてみそダレの小皿に落とし
ごはんに軽く弾ませてから口へ運ぶ。
しょうがか何か、特徴的な香りがあるタレがよく合う。

ご飯と野菜は結構量があるし、野菜の下に少しだがうどんもあった。

完食してみると、結構腹も膨れた。トータルとしては適量だったようだ。
食べ終わりを見計らって、店員が鍋のダシを湯飲みに注いで渡してくれた。


中華料理屋の定食にでもついてきそうな、塩味スープ。
―このダシで、おじやにしたらウマかろうなぁ…
そんなことを考えていると、テーブル席の家族連れから
「おじや」と声が上がった。

2人で1030円、どうやらまた侮れない店を見つけてしまったようだ。

夕食ポタリング:餃子専門 東亭

2007-02-28 23:17:23 | 食べ歩き
きょうは仕事を早く切り上げることができたので、
前から気になっていた池袋の餃子店・東亭へ行くことにした。

何度も自転車で店の前を通りながら、なかなか行けなかったのは
土日祝日が定休日で、夜8時に閉店してしまうという
池袋以外で働くサラリーマンにはキビしい営業時間のためだ。

夕方6時半、クロスライダーにまたがり、相棒のルイガノTR-2と
連れ立って板橋を出た。
相棒の極端に遅いペースに合わせて走ること15分、
店近くに自転車を停め、ワイヤー錠でガードレールに結わえつけた。

「いらっしゃい」「いらっしゃいませ」
調理係らしきおじさんと接客係のおばさんに迎えられる。
昨年大掛かりな改装をしていたため、内装は新しい。
しかし10人も入れば窮屈を感じそうな、こじんまりとした店内である。

ほんの2時間前、昨夜の残り物(鶏鍋)で遅い昼食を摂っていたため、
自分用には焼き餃子単品を、相棒には焼き餃子定食を頼んだ。

15分ほど待って、普通サイズの倍近くある大ぶりな餃子が6個出てきた。
これだけでもかなりのボリュームがある。
ビビった相棒が「私、単品にしとく。ご飯食べて」とささやく。
続いて定食が出てきた。ご飯とお漬物、スープと餃子6個。
「餃子の皮が破れてしまったから」と
店のおばさんがシューマイを2つ、サービスとして付けてくれた。

卓上の酢と醤油、ラー油を混ぜたつけダレで早速ひとくち。
皮は厚めで固めだが、きつね色に焼き上げられた部分のパリパリ感が
イイ感じ。
にんにくが程よく利いたジューシーな中身もなかなか。
大ぶりゆえ1つ食べるのに3口はかかる。ごはんに載せて食べたい餃子だ。
お漬物もなかなかおいしかったので、小さなどんぶりほどのお茶碗に
よそわれた多めのごはんも残さず食べた。

単品餃子620円、焼き餃子定食820円。
餃子単品はちょっと高いが、ボリューム感と味のレベルから、不満はない。

いずれまた来よう。

新福菜館のラーメンって…

2006-12-05 00:34:12 | 食べ歩き
神戸での3日間は、両親が使っているパソコンのリカバリーで
結局使い果たしてしまった。

最終日の日曜、何もせず東京に戻るのでは土曜にやってきた
相棒があまりにもかわいそうなので、何かしたいことはないか?と
聞いたところ
「うーん、京都に寄りたい。新福菜館のラーメンを食べたい」とのこと。
それで、神戸からの帰りの遅い昼食として寄ってきた。

新福菜館はチャーシューしょうゆ系ラーメンでは、
相棒とぼくが一番気に入っている店だ。
一見すんごくしょうゆが濃そうな色のスープ、しかし見かけほど塩辛くなく
縮れの少ないやや太目の麺に程よく絡む。
チャーシューもやわらかすぎず硬すぎず、スープとお互いを引き立てあう
ような仕上がり。
今は東京住まいの身の上、なかなか立ち寄ることもできないので、
とりあえずデジカメで記念写真を撮った。


前から思っていたけど、帰宅後こうして写真で見比べると
新福菜館のラーメンって、
梅乃家(千葉県富津市)のラーメン(写真下)と
どんぶり風景が似てるよなぁ。


見比べているうちに、梅乃家にも行きたくなってきた。
月曜にして、早くも週末が待ち遠しい。

我が家の「のだめ」

2006-11-13 22:01:02 | 食べ歩き
「のだめ」といえば、世間ではフジ・関西テレビ系の月9ドラマ
「のだめ カンタービレ」のことだが、ウチでは必ずしもそうではない。

たとえばウチでは、こんな会話が成り立ってしまう。

昼は「のだめ」でどう?   ― えーで。行こか。

きょうは我が家の「のだめ」について。

「のだめ」との出会いは、我孫子にある相棒の実家に行く途中で
この看板を見かけたことに始まる。

矢印はあるが、店の名前は書いていない。

相棒は幼稚園のとき、弁当メニューとしてやきそば(単品)を
母親にリクエストしたほどのやきそば好きである。
ぼくもたこ焼きやお好み焼きをおかずにしてご飯を食べるのが普通の
神戸出身、ソース味は好きな方だと思う。
バイクや車で相棒の実家を訪ねるときには必ず通る道ということもあって
「野田名物(のだめいぶつ)」→「のだめ」は、なんとなく気になる
存在になった。

しかし「のだめ」を実際に訪ねる機会はなかなか来なかった。
その一番の理由は、相棒の実家のごく近くに店がある(らしい)ことだ。
相棒の実家では、いつもかなりの量の食事を準備してくれている。
義理の親がせっかく準備してくれた食事を、きちんと食べられなくては失礼になる。
午後2時、昼食を食べそびれて腹がすいているー
というような状態であったとしても、「のだめ」を訪ねる訳にはいかなかった。

「のだめ」行きの機会は、そんな状況の中から突然に訪れた。
それは今年1月、相棒の姉に最初の赤ちゃんが生まれたことに始まる。
初孫、しかも実家に戻っての出産―ということで、相棒の両親にとっては
嬉し忙しい状況が去年の10月からほぼ1年間にわたって続いたのだが、
今年8月に相棒の姉がついに職場復帰し、出産前から決まっていた海外赴任で
赤ちゃんを連れて北京へ行ってしまったのだ。
娘と赤ちゃんがいなくなり、2人きりの毎日に戻った相棒の両親が
寂しくないはずはない。
そして相棒の姉夫婦にしても、共働きでしかも夫婦そろって海外赴任、
ふたりとも任地は北京で同居できるラッキーがあったとはいえ、同僚の助けが
あるわけではない海外赴任の身の上。たとえ猫の手(失礼)でも借りたい状況に
変わりはない。
こうして需要と供給が見事に一致し、20日間の予定で相棒の両親が
北京へ行ったので、相棒とぼくは留守宅の植木などの世話を引き受けることに
なった。

その週末も植木と金魚の世話のため、相棒の両親不在の我孫子へ向かっていた。
昼前に板橋を出発、午後1時すぎに「のだめ」看板が見える辺りに差し掛かった。
昼食はまだ、腹は当然空いている。
相棒とどちらが言い出すでもなく、「のだめ」に行こうということになった。
看板の矢印が指し示す右側の道に入って50mほどで、
「やきそば」の のぼりを多数掲げた家が見えた。

どう見ても普通の家だけどなぁ…

真ん前まで来て、敷地の奥をのぞくと屋台のようなたたずまいのやきそば店があった。
テーブル2つ、いすが数客。年配の夫婦が黙々と調理している。
全体的に、高松市の郊外で見られる製麺所系讃岐うどん店のような怪しさがある。

とりあえず敷地の中にフュージョンを停め、その屋台のような店の前に立った。
メニューはキャベツのみの「やきそば」と「ポテト入り」、「肉入り」で、
それぞれ注文のとき、にんにく「入り」と「抜き」を確認される。
麺は市販の焼きそば麺を使っているが、ソースは大きなペットボトルに取り分けて
使っていたので、独自のブレンドかもしれない。

相棒は「肉入り」ぼくは「ポテト入り」をともに「にんにく入り」で注文し、
天気も良かったので会議机のようなテーブルに備えられたベンチに並んで座って
食べることにした。

1人前でも結構な量がある。

千葉の味らしく味付けはやや濃い目、にんにくが意外にマッチしていて
ビールに合いそう。

千葉育ちでやきそば大好きの相棒は、感涙にむせびつつほおばっていた。

フュージョンのカーナビ登録ポイントに「のだめ」が加わったことは、
言うまでもない。

讃岐巡麺

2006-06-09 03:46:56 | 食べ歩き
神戸を基点にして、3年ぶりに高松へ行った。
製麺所や一般店など、讃岐うどんの名店をつなぐ旅である。

高松で讃岐うどんを食べ歩くなら、製麺所ははずせない。
製麺所の朝は早く、人気の店には昼過ぎに売り切れ閉店することも珍しくない。
したがって、できるだけ早い時刻に高松入りする方がいい。

関西ならフェリー利用がいい。夜中12時半に神戸を出る船に乗ると、
朝4時すぎには高松に着く。船で仮眠できるし、高松でいちばん早い
朝5時半開店のうどん店「中西」にも余裕で間に合う。
しかし神戸で温泉に入り、家でダラダラとしているうちに、そのフェリーを
乗り過ごしてしまった。

仕方がないので強行軍となるが、岡山県の宇野港まで行き、30分おきに
休みなく運行されているフェリーを使うことにする。

深夜3時車に乗り込み、数日来の雨が残る神戸を出発。
国道2号から第2神明、そこから連絡する2号バイパスを経て朝6時ごろ
岡山市に入る。
途中のコンビニで宇高国道フェリーの割引チケットを買い、朝7時前に
宇野港からフェリーに乗船。
天気予報では久しぶりに天気は回復すると言っていたが、雨は依然降っている。
バイクのとき重宝するのだが、このフェリーには風呂がある。
浴槽は1人ならゆったりだが、見ず知らずの他人と2人で入るのは
ためらわれるサイズだ。
乗船時間も短いので、乗船して速攻で入るのがコツだ。
一風呂浴びてから客室の長いすで仮眠をとり、朝8時高松到着。

最初に目指したのは「さか枝」。フェリー乗り場から車で10分ほど、
香川県庁のすぐ横にある。
朝8時をまわったばかりなのに、席は6割がた埋まっている。
店それぞれに独自の頼み方があるのが、讃岐スタイル。

ここはどんな頼み方だったかな?

思い出せずにいると、店の人がうどんの玉数を聞いてくれた。
今回は店数を回るつもりなので1玉に。
自分で湯がいてタンクのダシをかけ、ネギや天かすを適度に載せる。
これで150円。5時間かけてようやくありつけた1杯目は、
まさに讃岐スタンダード。復帰1杯目にちょうど良い。
一気にすすりこみ、次の店を目指す。

2軒目は、さか枝からそう遠くない「丸山」にした。
駐車場に車を停め、裏口から入る。
ここは1玉140円。やや強めのイリコダシが特徴。
イリコダシって、本当にネギとよく合う。
ダシも完飲して腹3分かな…もちろん3軒目へ。
選んだのは朝9時半開店の「田村」。
車で30分ほどかかるが、今なら開店直後を狙える。
3年ぶりということで、念のためGPS機能のあるmio168RSに、行きたい店を
すべて入れておいた。
おかげで10時前に到着。
ここは厨房で麺をもらうシステム。
席数が少ないこともあり、店の中で5人ほどの行列。
壁にはフジテレビの映画「UDON」のポスターが貼られていた。
ユースケサンタマリアが出ているとかいう以外、内容は知らない。
テレビで放送されたら観てもいいけど、映画館へはちょっとね…
さておき1玉、かけにして100円。香川の地粉を使っているという
麺のコシが秀逸。歯に伝わる弾力は、まさに快感。

この分なら、まだまだイケるぞ!ということで
4軒目は釜玉うどん発祥の店といわれる「山越」をチョイス。
お昼時なら大行列覚悟の人気店だが、まだ朝10時を回ったばかり。
店の外10人ほどの行列があったが
10分後には、釜玉うどんにありつくことができた。
ただし釜玉はむずかしいメニューだ。
釜から揚げてすぐのアツアツ麺に、たまごを混ぜられるのがベスト状態。
麺がさめてしまうと、卵にほど良い熱が通らない。
今回は残念ながら、そのパターン。
それで激ウマとまでは行かなかったが、小150円の味としては充分に合格点。
腹5分ぐらいになって、次は中休みのためにも少し遠めの店へ行くことにした。

その店は「谷川米穀店」。
もう少し車を走らせれば徳島県になるという山間の集落にある。
場所もさることながら、開店時間が昼のわずか2時間という短さ。
そのため讃岐うどんめぐりの難関として知られている。
相変わらず雨が降る中、国道438号線を走る。
片側1車線、道路に沿って流れている
川が山に入ってまさに谷川となったころ、その川を渡る橋のたもとに
行列が見えたらそこが目指す店…
雨なのに、まだ11時をまわったばかりなのに、こんな山の中なのに…
恐るべし谷川米穀店。すでにかなりの行列…
ま、すでに4杯食べているから、腹ごなしにはちょうどいい。
20分ほど行列して1玉注文。
ここは製麺所型うどん店としてはユニークな方式だが、
食べ終わってからの追加注文が行列に並びなおさなくてもできる。
代金の支払いは店を出る前に自己申告。
なぜかそれだけが、普通のうどん屋さんのスタイル。
1玉100円、しょうゆと唐辛子を使った自家製調味料で食べる。
薪を使う旧式の厨房とテーブル席が渾然となった空間で味わううどんは
まさに讃岐の田舎うどん。
味ももちろんウマいが、それ以上にこの空間の魅力は一体何だろう。
とにかくここにしかないものであることは確か。
もう1杯と言いたいところだが、次を目指す。

6軒目は善通寺市の「長田in香の香」。
釜揚げうどんの超有名店「長田うどん」の流れを汲む店だ。
讃岐うどんの中では、釜揚げうどんがいちばん好きである。
長田うどんのそれは、パンチのあるつけダシと太目で柔らかな弾力麺で
大のお気に入りだ。
「長田in香の香」は初めてだが、うわさでは長田うどんの正統は
むしろこちらになったとか。
それだけに期待は高いが、すでに6玉目…自粛して小250円を注文。
冷ダシポットに、熱いダシはくびに電気コードが巻きつけられた
大降りの徳利に、それぞれ入っている。これは長田うどんと同じ。
電気コードを持って徳利を傾け、湯のみのような、ダシ茶碗に熱ダシを注ぐ。
イリコと昆布、しょうゆの香りが立ち上り食欲をそそる。
茹で上がりが待ちきれず、ネギでダシを味わう。
…ウマい、東京にはありえないダシだ。
小うどんを熱ダシ冷ダシで交互に楽しみ、完食。
店から出ると空は青空、腹は7分に少し足りないぐらい?で、まだいけそう…

自分にあきれながらも7軒目、坂出市の「山下」へ。
谷川米穀店が山から下りてきたような、田舎うどんが楽しめる店。
時刻は午後2時前、遅い昼食だろうか、赤バイクと軽ワゴンを停めて
2、3人の郵便配達員がうどんをすすっていた。
小120円。もし近くにこんな店があったら、毎日通うぞ。
ここでも映画「UDON」のポスターが貼られていた。
四国巡礼八十八ケ所、讃岐巡麺せめて八ケ所…
などとひとりごちながら、次の店へ。


パチンコ屋の駐車場にある変り種の店「あたりや」だ。
かつてよく通ったのだが、あることがきっかけになって足が遠のいた店だ。
それは4年ほど前のことだ。
開店直前に着いて行列に並んでいると、開店準備をしていた見習い風の店員が、
いきなり作業の手を止めて直立不動の姿勢になって叫びはじめたのだ。

『私は○○と申します!讃岐うどんの道を精進し、○▲×&%…!』

叫び終わったその店員に対して、客の中には拍手している人もいた。
しかし、シンプルにうまい讃岐うどんというものに感動して、毎週のように
高松へバイクを走らせていたぼくには、この妙なパフォーマンスは
すごい違和感を感じさせるものだった。
この店のグミキャンデーのような歯ごたえのうどんは、当時のいちばんの
お気に入りだった。
しかし、ぼくが高松のうどん屋に求めているものを、この店はすでに
失っているのではないか。
そのまま行列を離れて、ぼくは帰った。

さておき、目印のパチンコ店はスポーツクラブに変わっていた。
行列は、ない。店の中には先客は1人。
店員は女性2人、大将は休憩か?
ひやひや1玉250円を注文。
ダシは変わっていなかったと思う。
しかしかつて感動した麺のコシは感じられなかった。
時刻のせいもあるだろうし、今回まわってきた店がうますぎるのかも知れない。
いずれにしても他の店からも、4年前の記憶の中のうどんからも、
どうも見劣りがする。このレベルなら東京でも食べられるようになっている。
これらはあくまで個人的な感想だから、断言はしないが
あの時の違和感は、こうなることへの直感だったのかもしれない…


この店では締めたくない…ということで、
9軒目は記念すべき製麺所初体験の店へ行くことにする。
「中浦」だ。実に7年ぶりの再訪。
時刻は午後3時半をまわっていたので心配したが、開いていた。
かけ1玉注文。通常170円だが、麺がやや端切れになるとかで
100円にしてくれた。柔軟なサービスがうれしい。

気が付くとすでに9玉、ここまできたら切りよく10杯にしたい。
食べ歩きの締めくくりについての方針は立ったものの
夕方にもなると、肝心のうどん店がない。
心当たりの製麺所を2軒まわったがすでに終了していたので、
製麺所に見切りをつけて、屋島にある有名店「わら家」に行ってみた。
午後5時の到着だったが開いていたので、釜揚げうどん400円を注文。
下ろし金でしょうがをおろし、ネギを多めに入れて太目のうどんを
一気にすすりこむ。
満足の1杯。これなら締めにできる。


店を出て高台の駐車場に停めてある車に向かう。
帰りもまた、5時間はかかるだろう。往復10時間、うどん10杯―
いまさらながらに、これって30半ばの大人のすることか?と自問する。
少なくとも、人に語って聞かせるような生き方ではなさそうだ。
ええかげん、年相応の生き方をせにゃ、いかんなぁ…

遠く海に沈みゆく夕日の美しさが、目に痛かった。

今度は「がいな」、かいな…

2006-05-24 21:21:22 | 食べ歩き

この画像を見て欲しい。

ちょっと郊外に出ると、どこにでも見られそうなプレハブの建物。
そしてシンプルこの上ない うどん。

香川県に行ったことのある人なら、すぐにピンと来るはず。
そう。今回は讃岐うどん食べ歩きの話。

行ったのは「がいな製麺所」という店だ。
かなり前からインターネットで見つけて気になっていたのだが、
東京からオイソレといける場所でもない。
まとまった休みが取れたのを幸いに神戸の家に帰ることにして、
そこを足がかりにして行くことにした。

讃岐うどん食べ歩きの楽しみは、うまいうどんを食べることだけではない。
むしろ、少ない情報から信じられないような場所にある店を探し出す
「宝探し」的な要素が大きいように思う。
そういう意味では邪道となるかもしれないが、今回は時間がない。
事前にYAHOOマップで所在地周辺を絞り込み、
GPS付きPDA(mio168RS+BASIC)のマップに登録しておいた。

 神戸を出てから1時間半。PDAに登録した場所に着いているはずなのだが、
うどん屋らしきものはまったくない。

こちらも讃岐うどん食べ歩きを昨日今日始めたような素人ではない。
目的の店がうどん屋らしいうどん屋ではないことは当然分かっているのだが、
目印の神社以外に、一面の畑と信号機しかないのだ。

もしかして…登録する場所をまちかえた、かな?

YAHOOマップで
「加西市の日吉神社の100m以内の真向かい」と出てきたので、
PDAのマップで「加西市の日吉神社」を探して同じ場所らしきところを
登録したのだが、加西市にはそことは別の日吉神社があるのだろうか…

 住所も電話も控えていない。
手元にあるのは刻々と迫る、閉店時刻のメモのみ。

―とにかく、日吉神社を探すしかない

PDAのバッテリーもそろそろヤバい、迫り来る時間と電源の限界!!!
石橋をたたいて渡ったつもりが、思わぬことからPDA上のマップでの
「バーチャル宝探し」に、今回の食べ歩きの運命を託すことになってしまった。

スポット検索機能では、そんなマイナー神社は当然のようにヒットしなかった。
再三、画面に「バッテリーの警告」メッセージが表示される中、
操作性の悪い PDAのスタイラスペンで、加西市のマップを彷徨する。

これが未開の地で、自らの体を動かしての宝探しなら、
間違いなく遭難している状況ではないか…

どこやねん!!うどん屋!!!!!!!!!

 PDAの画面に表示された地図は、加西市全体を表示できる程度の縮尺、
やけくその当てずっぽうで、スタイラスペンをポイントした。
縮尺をクローズアップにする。

!!!!!\(◎o◎)/!あった…こことは違う日吉神社!

現在地点から7km、閉店まであと40分、
オーダー受付が30分前までとしたら、ぎりぎり間に合う。

親から借りたファンカーゴで爆走、
閉店30分前の午後1時に冒頭の画像にあるプレハブを発見した次第。

讃岐以外で、ここまで讃岐ロケーションを再現した店は珍しいのではないか…

アルミサッシの扉をくぐり、厨房カウンター前で、名前を名乗り注文する。
注文のとき名乗らないといけないのは、初めてのスタイル。
何か気恥ずかしい。

とりあえず注文した小(200円)は瞬く間にのどを通り過ぎ、
逆上気味に追加注文した釜揚げ小(300円:画像右)が運ばれてきた頃、
ようやく落ちいてきた。
ここの釜揚げは、ダシは付いていない。
“釜玉の卵ぬき”を想像すれば、まさにそれだろう。

ロケーション、味など、総合的な感想として、讃岐の同様の店と比べると
やや高い(あくまで個人の感想)気もする。
(注文しなかったが「かけうどん」は400円)

ともあれ、香川以外の土地で食べられる讃岐うどんとしては
充分合格レベル。
何よりも「探す楽しみ」を、香川以外で体験させてくれる。

―今度は「がいな」、かいな…

ただでさえ懐かしの神戸、帰る楽しみがまた増えてしまった。