さもなくば餃子とともにあらねばならない』
最近プチ昇進で、「中間管理職見習心得」とも例えるべき
中途半端な立場に就き、やや情緒不安定気味な相棒が、
週半ばの夜に発作的に叫んだ。
要するに、ストレス解消の一環として、
自分の好物を何でもいいから存分に食わせろ、
ということを言いたいらしい。
餃子といえば、餃子消費量日本一を標榜する
宇都宮が日帰り圏内にある。
「そこまで言うなら、宇都宮で自転車を借りて
餃子食べ走りをしようではないか」
週末の我が自由が、週半ばにして
早くも喪われた哀しみを秘めつつも
けなげに提案した結果を、今回のブログで紹介したい。
日曜日の午後、およそ90分の在来線の旅を経た後、
宇都宮駅西口の自転車駐輪所でレンタサイクルを頼む。

1台100円、初回は運転免許証などの
身分証の提示が必要とのこと。

借り受けの手続きは10分ほど、
ほぼ機械的に割り当てられた自転車は
身長149cmの相棒にはやや大きく、
身長175cmのクロス豚にはやや小さかったが、
とにかく餃子屋に向けて出発と相成った。

時は午後1時、駅近くの有名店は
いずれも長蛇の行列である。

一事が万事計画性のない相棒に、
今回ただひとつの注文を出していた。
「行きたい店を自分で選んで、
自分で地図を見てそこまで行くこと」

相棒の「必殺の表情」でもある、
プッと頬を膨らませる表情をしながらも、
相棒は観光案内所でもらった地図の中から
市街地の百貨店の地下にある
餃子のアミューズメントパーク「来らっせ」を
選び出した。

まずは腹ごしらえのつもりだったようだが、
ここもわずかながらも行列あり。
10分ほど待って、席に案内された。

相棒が「これが!」と選んだのは
「幸楽」の焼き餃子。

にんにくが効いてオーソドックスながら
餃子好きにはポイントが高そうな一品。


これだけで足りるはずもなく数分後、
次なる餃子を求めて相棒は席を立った…

餃子を待つ間、壁に貼られた観光ポスターを見る相棒、
ポスターの図案は餃子の写真と地名を並べたもの。
せっかちな相棒にとっては、どこの餃子か分からないことが、
とにかくもどかしいとのこと。
相棒の2品目は「龍門」の羽根付き餃子。

にんにくではなくしょうがの香りがやわらかい、
おかず系の餃子。

少食な相棒が次に選んだのは「正嗣」駒生店。
駅から3kmほど離れているだけに、
相棒にとっては「餃子訪ねて三千米」。
真剣な表情で地図を見つつ道を探す。

でも実は、店へのルートは単純な一本道、
方向音痴な相棒でも迷うことなく、
30分ほどで目的の店に到着。

駐車場の隅に自転車を停めていざ店へ。

少食な相棒はここで早くも勝負に出て
餃子ライスを注文。
ぼくは餃子単品2人前をオーダー。

やはり調理技術はアミューズメントパークより、
店が数段上のようだ。
焼き加減が全く違う。相棒の食いつきもまるで違う。
クロス豚的には今回の№1には、ここを推したい。

駅への復路、一本道にもかかわらず方向音痴な相棒が迷う。
ここに至ってついにクロス豚が先導することになった。

食べ走りの締めくくりは、宇都宮駅構内の「みんみん」。

さすがに人気店の支店らしく、そこそこのレベルだったが、
焼き加減は本店のそれには及ばず。クロス豚的には今回の3位。
(2位は「来らっせ」で食べた「幸楽」の焼き餃子)
宇都宮駅の売店で、地元ならではの「レモン牛乳」をGET。

電車を待つホームで初めて味わったそれは、
小学生時代に友達の家(牛乳販売店)に遊びに行くと
必ず出てきた乳酸飲料の「マミー」にも似ていて、
どこか懐かしい味だった。