梅さんのかわら版.umelog

我が家の琉球朝顔~オーシャンブルー

”歴史的事実を句に残す~プレバト”

2016-07-29 16:22:41 | プレバト俳句
この夏は病院にやたらと縁がある。
耳と鼻をやられて耳鼻科に行ったかと思ったら今度は目にきた。
どれも大した事がなかったが、冷房がいけなかったのだろうか。
冷えすぎには注意しよう。

 
このところ、毎週プレバトの俳句の査定を見ているが、昨日はとても考えさせられた。
東国原英夫氏は、この俳句の査定では特待生2級で上級の資格がある。
その東国原英夫氏が今回作った俳句が下の句。

向日葵や眠るむくろに頭垂れ   東国原英夫

「眠るむくろ」っていったい何か? むくろはとは骸であるが向日葵との関係は?

彼が宮崎県の知事をしていた2010年、春から夏にかけて家畜に口蹄疫(家畜の伝染病)が発生した。
この問題で、当時の東国原英夫知事は家畜約29万頭を殺処分したという。(号外で非常事態宣言が出ている。)
その、殺処分をした土地の上に、向日葵を植え年に一度鎮魂しているのだという。
この俳句はそのことを詠んでいる。
たけし軍団の一人である東国原氏は、普段はお笑いに徹しているが、この事実を知ると確かに知事をしていたんだんなと思い知らされる。そして、彼は常に29万頭の家畜のことが頭にあり、向日葵を見るとその時の切ない思いがわいてくるのだろう。
それをどう俳句に詠むかが問題だ。
彼なりに考えた句だが、これでは誰がどう見ても言いたいことは伝わらない。

 
夏井先生もこの話には圧倒されたらしい。そして感動している。
そして、事実は事実のままに詠めばいいというアドバイス。

向日葵や畜魂二十九万頭   夏井添削

事実を事実のままに詠んだ強烈な一句だ。
東国原氏は、この添削に目が覚めたという。
きれいにまとめようとか、型にはめようとか…そんなことはこの歴史的事実の上にはいらないということなのだ。
この句だって、知らない人が見れば何?って感じだが、「畜魂二十九万頭」という事実は歴然とあり、調べればすぐに分かる。相手に想像させる、なんだろうと思わせる、強烈な一句となっている。
umeさんもこの添削には衝撃を受けた。
これでいいのだなと思う。
俳句には歴史的事実を、後世に伝えていくという役割もある。





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