Mak_Sagami の≪デジカメ閑話≫

デジタルカメラとその周辺に関する“たわごと”

デジカメ閑話 2 ≪イメージセンサーに注目≫

2005年02月27日 | Digital Camera
 フィルムカメラの場合は、特殊な例を除けば、高級な一眼レフでもコンパクトなカメラでも、普通は同じフィルムが使われます。デジカメにはフィルムはなく、それに相当するのは「イメージセンサー」ですが、実はセンサーの性能はカメラによって異なるのです。
 フィルムカメラの写真の出来映えは、大部分がレンズの性能と、カメラマンの「腕」によって決まります。デジカメの場合は、それに加えて、イメージセンサーの性能にもよるとしたら、センサーに注目する必要があるのではないか、というのが今日のテーマです。

 デジタルカメラに使われるイメージセンサーの多くは、CCDかCMOSの何れかです。これまではCCDが多く使われてきましたが、最新のニコンやキヤノンの最高級一眼レフデジカメにはCMOSが使われています。CCDは電荷をバケツリレー式に運んで電気信号を外部に取り出すのですが、CMOSは受光素子1個1個にトランジスタが付いていて、直接信号を取り出します。小型化は難しいものの、低電圧で動作し、高速という特長があります。
 使う立場としては、センサーの種類はどちらでも良いのですが、画素数と個々の素子の受光面積の大きさは、画質に影響しますので注目しないわけにはいきません。

 最近は携帯電話のカメラでも300万画素だそうですし、かなり小型のデジカメでも3~500万画素が普通になっています。キヤノンの最高級デジカメには 1670万画素のイメージセンサーが使われています。画素数の多い方が良い写真が撮れるか? 「良い」=「高解像度」という意味ならば、答えはイエスです。しかし、写真の出来映えは画素数に比例するか?、また我々アマチュアカメラマンにとっても画素数は多ければ多いほど良いか?、と問われれば、答えは単純にイエスではありません。

 個々の素子の受光面積が同じで素子の数が多いならば、画素数の多い方が良い写真が撮れる可能性は高まります。例えば、200万画素のセンサーと、400万画素のセンサーを比較した場合、個々の受光素子の大きさが同じで、そのため2倍の面積を持つ400万画素のセンサーならば、それで写した写真の方が高画質である可能性は高いと言えます。所が、イメージセンサーの寸法は同じで、個々の素子を縮小して400万画素を実現したセンサーの場合は、必ずしも200万画素の写真より高画質とは言えません。理屈上の解像度は間違いなく高くなりますが、写真を余程大きく拡大しなければ分かりません。むしろ個々の受光素子が小さくなったことによる出力低下を補うために、信号を増幅する度合を大きくしなければならず、そのためにノイズが増えるとか、適正露出を得られる明るさの範囲が狭まるなどの問題が起こります。

 デジカメのカタログにはイメージセンサーの大きさとして、“1/2.5型”とか、“2/3型”とか書いてあります。これはセンサーの受光部分の対角線の違いを表しているのですが、インチではありません。1/2.5型は対角線長さ約6.6mm、2/3型は約11mmです。イメージセンサーの表面には、信号線など光を感じない部分もありますが、それを無視して単純に受光素子の大きさとして計算しますと、1/2.5型で300万画素のセンサーの素子の大きさは、一片が約2.6μm (1μmは1/1000mm)、2/3型で800万画素のセンサーの素子は約2.7μmになります。所謂コンパクトカメラのセンサーには、多くの機種でこのクラスのイメージセンサーが使われていますが、中には小型化するために、もっと小さなイメージセンサーを使いながら、3~500万画素を謳っているカメラもあります。

 これに対し、一眼レフタイプのデジカメのセンサーの素子の大きさは、一片が5~8μm程度はあります。面積で言えば、コンパクトタイプの4~10倍の大きさの素子から成るイメージセンサーが使われているのです。大きな素子からは大きな電気信号を取り出せます。これはノイズの大きさとか、表現できる明暗や色彩の範囲(ラチチュード)の違いとなって現れます。その違いを,アマチュアである我々が実感できるかどうか、という問題はありますが、例えばノイズの少ない夜景写真が撮れるとか、陽射しの強い屋外でも“白とび”しにくい写真が撮れるなどの差になって現れてくるものと思われます。
 ですから、写真の画質に拘るならば、なるべく大きなイメージセンサーを持つデジカメを選んだ方が良い、ということは言えると思います。ただ、実際の画像は、カメラ内部の画像処理技術にも左右されますから、同じイメージセンサーを使っていても、カメラによって写真の出来が違うことはあるようです。

 受光素子自体は、光量を電気量に変換するだけです。これをどのように“カラー画像”に変えるか、については次回以降に取り上げます。

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