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フランス パリで乳がん治療

フランス生活20年目の節目に乳がんになってしまいました。パリのガンセンター、キュリー研究所で治療を始めます。

入院二日目①

2017-10-05 12:59:31 | 乳がん
夜中に3回ほど検温(38.9度ほど)血圧、点滴、ドレーンの血の量を計るなどして起こされましたが思いのほかぐっすり眠れました。明け方には点滴の管も外れ、看護師さんに朝の食事後手術着をパジャマに着替えるよう言われました。左腕が自由になって嬉しい!少しづつですが元に戻る喜びって大きいです。朝ごはんはパンとヨーグルト、オレンジジュース、ホットチョコレート。子供が飲むようなネスクイックのあまーいホットチョコでしたが意外に美味しかった。染みわたるという感じ。相部屋なので洗面所で順番に着替えました。病室にはシャワーがなく、ナース室の前にあるシャワー室まで行かねばならないということで洗顔のみ。顔を冷たい水で洗って、ブラシで髪をといてスッキリしました。着替えるときに看護婦さんが手術痕を見たくなかったら一緒に着替えを手伝ってくれると言ってくださいましたが、いつかは見なければならないので大丈夫ですといい、自分で着替えをすませました。で、やっぱり、ショックでした。なんとなくは感じていたけど、こんなに真っ平に無くなるなんて。。私のガンは6センチと大きかったので取れた喜びもありましたが、やはり、長年あった物が無くなると少し心が空っぽになった気がしました。左の方は乳輪に沿って切られていたのでパッと見は手術したようには見えませんでした。ドアの向こうで待って下さる看護婦さんを待たせるわけにはいかなかったので、早めにでると看護婦さんが大丈夫だった?と声をかけてくださり、我慢していた感情があったのか思わず、泣いてしまいました。溜めないで、全部はきだして、泣くことはいいことよなんて言われてゆっくり連れ添ってくださいました。温かい言葉に甘えて泣いてスッキリしました。

手術当日の夜

2017-10-02 10:58:28 | 乳がん
硬いステーキの食事も早々に、今度は看護師さんの交代時間。この日は術後ということで2,3時間おきに血圧、体温、問診(痛くはないかとかの質問)痛くはないけど、とりあえず痛み止めを飲むよう勧められ1gのドリパンを飲みました。隣の彼女はドリパンのアレルギー持ちなので他の鎮痛剤が取れなくてモルヒネを処方されていましたが、これは医師の許可が必要で痛みがMAXなのになかなか許可がおりず、かなり苦しそうでかわいそうでした。痛くなる前にもらっておかないと、いつもらえるかわからないから、予備が欲しいといい、看護師さんはまだ、痛くないのだったら医者の許可を取りにも行かれないと言い、彼女は看護師さんを何回も呼びつけるのも悪いからと言ったり、しばらく交渉してたけど、やっぱりモルヒネはそうそう はい、どうぞっていうわけにはいかないみたいで結局、痛みがあるときにしかもらえず薬が効くまで大変そうでした。しかも、私は左胸の温存手術も同時にしているのにほぼ痛みなし。個人差があるって聞くけど、痛くないほうで良かったと正直思いました。
看護師さんからもうすぐ外科医の訪問があるから、聞きたいことはその時質問してと言われ何を聞こうかと考えていると
9時に訪問がありました。先生の第一声は「手術は完璧でした。病理結果は3週間後ぐらいです。それではさようなら」という簡単なもので、こちらが質問するスキを全く与えず。「ちょっと待って下さい、センチネルリンパの結果はどうでしたか」とやっと質問したら帰ってきた答えが、センチネルのテストがうまくいかなかったので、1個2個取るはずだったリンパを7個取りましたと言われました。
その答えに、一瞬意味が理解できなくてその間に、先生は他の病室へ。放射物質の注射がうまくセンチネルに上手く到達できずに普通なら2個ほど取るところを7個とって検査に回した。ということだったらしいです。手術は完璧って言ってたのに!(センチネルは)エシェック(失敗の意)って言われたらビビるよ!ってちょっとしたパニック。
夜10時ごろおじさん看護師に起こされてコアルゴンという、血が固まらないようにする薬をお腹にぶすっと注射されました。隣の彼女はこの注射は無し。多分これもアレルギー成分が入っていたのだと思います。ドレーンからはゆっくりだけど血が流れていて、看護師さんも来るたびに量をチェック。私の量は多からず、少なからずといった模様。明日まだこの調子だと、退院するときもドレーンを付けて退院と言われました。

手術当日③

2017-09-27 16:12:49 | 乳がん
ようやく、飲み物を取ることができたのが病室に帰ってきてから4時間後。グテ(おやつの意)食べるー?なんていいながら、サービスしてくれたのが紅茶とビスケット。食べたくなかったけど食べなきゃ元気が出ないと思い、いただく。看護婦さんがトイレに行きましょうと連れて行ってくれ、絶対に下を向かないでといわれて目だけを下に向けトイレへ。狭いトイレで右手に点滴のコロコロがついた台と左にはドレーンを持ってやっと座れる。下を見ずにやるのは難しい。。日頃なんでもない動作がこんなに難しいなんて!当たり前のことがあたりまえじゃないって改めて思います。尿意はあまりなかったけど、普通に用を足せました。他の方はなかなかでなかった(尿が)とかブログなどで拝見しましたが私は普通でした。吐き気もなく、痛みもなく順調すぎて怖いくらい。この時点ではまだ手術着で、しかも太もも辺りを横にざっくり切られていて(なぜ、切られているのか不明)見た目は重病者っぽいと夫は言ってました。5時ごろにはお隣さんの家族も帰り、二人してしばらく、ツールドフランスを見ながら、あの人たちもしんどそうだねぇと言いながら、自分たちの病状を言い合いました。彼女はこの3か月で3回のオペをしたそうで、今回がその3回目。がんの進行が早く、2回の温存手術が無駄になり、今回全摘になったと聞いた時には言葉も出ませんでした。私も両胸を手術したことを伝えると、彼女も言葉を失くし、二人ともこれから大変だけど、一緒に頑張っていこうとポジティブな言葉を言い尽くすぐらいおしゃべり。彼女と同室になれて本当によかった。会話ってすごく大事で共有するものが同じだと、もっと伝えあえるし、分かり合える。夫や家族、友人も大事だけど、ガン友達もお互いに必要だと感じました。この後、夕食のサービスがあり、メニューはなんと、硬くてナイフで切れないステーキとスープ、リンゴのコンポート、なにかのピューレ。おなかすいているのに、硬いステーキって手術当日には信じられないメニューでした。

手術当日②

2017-09-20 22:33:45 | 乳がん
麻酔のマスクを口に当てられた後、意識が回復したのが術後の処置室。自分で目を覚ましたのではなく、看護師さんに、終わりましたよと声をかけられ目が覚めました。私の隣には2人の患者さん。まだ、眠っているようでした。ゆっくりと自分の状況を確認すると、左の手の甲に点滴がついていて(これは手術前につけた物)右脇からはドレーンが出ていて、心電図を取るのか手、足にパッチがついているようでした。全く痛みを感じなくて、ボーっとしていました。しばらくすると、看護師さんがもうそろそろ部屋へ帰りましょうというので時計を見ると11時45分。約二時間で両胸の手術を終え、思っていたよりも早く、びっくり。もっと大変で、痛くてと想像していただけに、いい意味での拍子抜け。これから手術を受ける方に言いたいことは、想像よりもはるかに楽です。心配ないです。そしてベットから車いすに乗り移り、あっという間に病室へ到着。隣の患者さんと家族が団らんしていましたが、看護師さんが私を一人になるようしてくれ、ベットの高さなど調節してくれたあとしばらく一人に。このとき、手術の緊張の糸が解けたのか泣いてしまいました。痛いとかじゃなく、ホッとして。とにかく眠くて夫が帰ってくるまで熟睡。20分ぐらいしてから看護師さんが血圧や点滴の袋を他のに変えたりしてくれました。まだ、水分補給もダメらしく、のどがカラカラだけど飲まずに口を潤す程度。この日パリは35度の真夏日。体温も測ってもらいましたが39度でした。夫は暑い暑いを連呼してましたが、体温が高い私はそんな風には感じなかったし、とにかく眠くてウトウトしてました。夫がそろそろ帰ろうとしていると、お隣さんが手術室から帰ってきました。彼女は旦那さんとお姉さんと会うと号泣。私は号泣はしなかったけど、彼女もホッとしたのだろうなぁと思いながら連帯感を感じずにはいられませんでした。

手術当日 ①

2017-09-13 16:17:01 | 乳がん
オペ室に入るのが9時半といわれていたので、受付には7時半に着くよう言われました。が、7時半についても受付に一人の人しかおらず、入院手続き担当は8時出勤だと言われる。。8時15分になっても来なくて、4回の病室へ行って待つよう言われました。4階へ上がってもナース誰一人いなくてどこが病室なのかもわからず、掃除の人に聞く。(このときナースさんたちは朝と夜の入れ替えで会議中でした)9時少し前に病室へ入り、金庫などの説明を受け、手術着に着替えてBrancadierという手術室まで案内してくれる人を待つ。その間はドキドキしてたけど、妙に気持ちが晴れ晴れというか、来るなら来いって感じでした。夫とも普通の会話してました。お昼はどこで食べるの~?とか。バンカディエは若い見習いの男の子でうちの息子と年は変わらない19か20ぐらい。照れくさいのかずーっと黙ったままで手術室前室に到着。迷路みたいに入り組んだ病院だから彼無しでは到着は無理でした。前室に着くと麻酔医と看護師さんに名前、どこの手術とかの質問に答え、早速、ベットに横になり、血圧、心電図をはかり、点滴をします。この点滴は何の意味があるのか聞き忘れました。しばらくすると麻酔医が、では麻酔しますと言い、肩の肩甲骨あたりにグーっと押すように注射。なかなか長く感じました。このときめまいがして眼鏡をかけていると酔いそうだったので眼鏡は外しました。このときの時間は9時半ぴったり。隣には高齢のムッシューとマダムがいましたが寝てるようでした。広い前室で3人の患者と5人ほどのスタッフ。スタッフの笑い声をボーっと聞いているうちに、知らぬ間に手術室へ。
手術室へ入ると執刀医の先生とスタッフ、別の麻酔科医があいさつしてくれました。この日予定だった執刀医の先生Bが病欠で急きょ私がすることになりましたと言われた時はビックリ。これで4人目の外科医のS先生。バカンスや病欠でしょうがないかもしれませんが、4人も変わるってちょっと不安でした。後は名前の確認、右胸全摘、左胸温存手術と声に出して確認して、麻酔科医の先生が口にマスクを当てた瞬間から記憶が無くなりました。