地図のある行き先

　　破り損なった手造りの地図　辿った途中の現在地

　　　動かないコンパス片手に乗せて　霞んだ目凝らしてる

　　君を失ったこの世界で　僕は何を求め続ける

　　　迷子って気づいていたって　気づかないふりをした


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- 藤原基央 -



　　最近仕事のストレスか　白髪が増えてきたように思える

　　年齢も年齢だから　在って当たり前のようなものなのだけれど


　　仕事とラジオアプリと　お酒と　映画と


　　ラジオアプリで最近配信をしている。

　　取り留めのない大した雑談なのだけれど　聞いてくれる人はほんの少しだけいる

　　ちょっとした仲間内のお話


　　そのアプリでは公序良俗の範囲内であれば　何を話してもいい場所だし

　　自分自身　好きな趣味がたくさんある

　　それでも中途半端な知識をひけらかすような恥ずかしい事はしたくない

　　時間という配信枠の中で思い思いの声を言葉に乗せて

　　歌に乗せて　楽器に乗せて　色々な人に届ける

　　この電波という物はとても不思議で　そして残酷だ


　　僕は自分の声が好きではない　

　　自分の姿も　性格も　出で立ちも　好きになれない人だから

　　なぜ自分が配信をしようと思ったのか　今でもわからないし

　　僕の声に集まってくれる仲間はなかなか居ないのだと思う

　
　　それでも目敏く見つけてくれて　たまに配信を聞いてくれたりする人もいる

　　リスナーのコメントを拾って　そして声を届ける

　　とても不思議な気分になる　


　　他人の声を聴くのが好きだ

　　自分の声ではなくて　別の人の声　

　　ああ、なんてこの人は良い声しているのだろうか

　　話の仕方が素敵だ

　　歌が上手い　
　　
　　方言が可愛い　等々

　
　　生真面目な性格っぽい配信者や　

　　だらっと配信していてもしっかりリスナーの心を掴んで離さない配信者

　　どうでもいいやって話をしている人もいるし

　　仲間内でだけ使っている人もいる


　　参加している人の種類だけ　個性が出る

　　声だけを聴くというのは　想像力を使うし

　　時には残酷に思えたりする場合もある


　　こちらだってプロのラジオパーソナリティではないし

　　ましてや声優さんでもないのだから

　　膨らませてしまった想像は想像の中だけに留めるくらいがいい


　　決して僕の枠は皆さまにおすすめはできない　

　　

　　まぁ　そんな中でも懇意にして聞いてくれるリスナーさんがいる

　　一人は配信もしている人　もう一人はアプリ初心者様で

　　偶然見つけた私の声に反応してくれて　続けて来てくれる

　　そんな有難い人が居る。

　
　　自分の配信スタンスはリスナーに合わせるというより

　　話したい事柄がリスナーにハマれば　楽しくなる

　　自分勝手な配信だと思われるけれど


　　実際のラジオだってほとんどは発信するのが主ではないかと

　　そのラジオをコメントがリアルタイムで見れて

　　レスポンスよく　声で返信して行けばいいんだ


　　僕はラジオがしたいのであって　ただただ会話をしたいわけじゃない

　　これがこのアプリなりの一つのコミュニティなのだ


　　当然　他人様の配信枠にお邪魔する事だってあるし

　　そこにコメントをしっかり残して

　　貴重な時間を使用したりもする


　　あまり普段から誰かの声を集中して聞くという事がないせいか

　　意外と疲れてしまったりするのだけれど


　　現在なんとなく続けているこの　配信だって

　　リスナーさんは実は疲れていないのだろうかと

　　軽く心配しながら　ただただ暇な時間に

　　深い深い過疎枠と呼ばれる場所で


　　誰かと夜な夜な会話をしている　　

　　そんな日常もあっていいよね


　　そしてまた　明日　が　今日　になる


　　今を生きよう　先のことばかり見ても仕方がない

　　僕らはいつだって迷子で　地図なんてあてにならない

　　そんな道をただひたすら進んでいくだけだ