第40作目です。
甲州伊沢暁(こうしゅういさわのあかつき)
山梨県笛吹市
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
伊沢とは、石和(山梨県笛吹市)のことです。
現在は温泉で知られるこの町も、かつては甲州街道の宿場町で大変栄えた
といいます。
空は一日が始まりを告げるように、次第に紅に染まっていきます。
彼方には富士が泰然とそびえています。
まだ夜の闇に沈む中で、早立ちの人馬で賑わう宿場の様子です。
明け行く空と対照的です。
荷物をかつぐ人足や馬、駕籠で旅立つ人々、一日の始まりの時を描いて
います。
富士は、甲州側から見た「裏富士」として描かれています。
別角度で、少しアップしました。
原画です。
この作品は難しかったです。
雄大な風景が狭いスペースに入りきらないと思いました。
行列の人間を作るととてもスペースが不足しました。
家が高くなってしまって背景とのマッチングもうまく行きませんでした。