茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

私の季節感

2005-07-21 20:58:01 | m-tamagoの物想い
 普段の生活で季節を感じる時っていつですか。
大人になると子供のように、入学式・試験・夏休み・運動会・冬休み・卒業式という風な区切りがなくなるので、なーんとなく1年が経ってしまうことが多い。まあ、自分で区切りや目標を作る、それが大人なんでしょうが、なかなかそうもいかない。しかも、都会では人工物が多く、季節の移ろいを感じるものすら少ないというのも寂しいことです。

 私がふと季節を感じる時といえば、通勤途中街路樹のイチョウが一斉に小さい若葉を芽吹いていたり、車窓から満開の桜を見たり、職場の窓から夕日が落ちていくのがみえたり、歩いていて風や雲を感じたり、帰り道に月を見たり、デパートでいちごやさくらんぼ、桃といった季節の果物が並んでいるのを見たりする時と色々あることはある。でも、一番コンスタントに季節を感じられるのは毎週のお茶のお稽古と暦上の節句。茶道を続けている理由には季節を感じられるということも大きい。

 茶道のお稽古では、必ず季節の花が飾られ、季節のお菓子がでて、茶道具も点前も季節によって変化する。ああ、夏だーとか冬だーと感じられるアイテムやシチュエーションが多い。ほっとできるのは茶席が自然のアイテム(木火土金水)でできていて人と人が触れ合える場所だからだと思う。先生のお話も昔ながらの知恵や知らないこと満載で“へぇ”連発。毎週土曜日は自然を感じて鋭気を養う、元気をもらう場所となっています。

 また、我が家では母が暦上の行事を大事にする人で、例えば、節分には豆まきをしてまいた豆を年齢の数分食べる(最近は関西の習慣の恵方巻きを食べることも)、お雛祭りにはお雛様を出しちらし寿司と蛤のお吸い物を頂く、子供の日には菖蒲湯に入り菖蒲の葉っぱで身体や頭を叩いて健康を祈り、冬至にはかぼちゃを食べ柚子湯に入る、ということを未だにする。小さい頃はこれが特別な日という感じで単純に楽しかったけれど、今となっては自分の深いところに繋がっている。家庭の中で季節を感じる行事があるということは大事なことだと思うので私も家庭を持ったら必ずやりたい。民間行事や食い合わせ・病人の応急処置など、昔の人の知恵や伝承は結構科学的にも有効で、人間に知らず知らずいいものをもたらしていると思うから。

 スローライフとかスローフード、最近耳にするが、昔の人は当たり前のように季節を楽しみ、無理をせず自然と共生して生きてきた。現代は便利になったけれど、忙しすぎて大事なところが欠落してしまったのかもしれない。
 私も20代より色々なことをスローに自然な気持ちで受け止められるようになった。これって年かもしれないけれど、なかなか心地よいもの。年をとるのは仕方が無いこと、季節を感じながら年相応に時を重ねていきたいと思っている。
 今日はお茶の話とはそれましたが、皆さんはどんな時、季節を感じますか。
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