茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

京都紀行3 みなづき

2011-06-29 23:37:39 | 旅先にて
 6月も終わろうとしています。今年も半分を折り返そうとしているとは毎年のことながら時の経つ早さに驚くばかりです。
 6月の中旬に久しぶりに京都に出かけました。前々から行きたいと思ってはいたものの急に決まった旅、小さな娘がいることも手伝って、最小限の行動になりましたが、梅雨の京都の風情を楽しむことができました。書きたいことはたくさんありますが、順不同、少しずつ書きとめていきます。

 今回は初めて茶道資料館を訪ねました。
http://www.urasenke.or.jp/textc/gallery/tenji/
 今年米寿を迎えられた鵬雲斎大宗匠の数々の愛蔵品、記念品、お好みの茶道具が飾られておりました。娘が落ち着かずゆっくりとはいきませんでしたが、久しぶりに見事な多くの茶道具を拝見することができました。2階まで拝見して、お呈茶を頂きました。運ばれたお菓子は「みなづき」。「みなづき」は6月30日の夏越祓に頂くお菓子として最近は関東でも多少見られるようになりましたが、時期が限定されることもあってなかなか口にする機会がありませんでした。今回頂いてとても美味しく、これで今年後半も健康に無事過ごせるような気が致しました。お菓子の後のお抹茶の美味しかったこと。お抹茶もまたお稽古を離れてから頂く機会が激減したので、幸せなひとときでした。
 席主は娘にも食べやすいようにおせんべいとぬるいお湯で薄めのお抹茶をお運び下さり、そのご配慮に深く感謝しました。娘がこれを美味しそうにあっという間に飲み、美味しいと言ったことは、小さいことながら茶道を一緒に楽しめる日も近いと、本当に嬉しいことでした。それにしてもあまりに軽々とお茶碗を持ち上げたのでハラハラもしました。
  
 旅の間に京都新聞で「みなづき」についての記事を見つけました。以下引用します。

以下引用**********************
 京都新聞 2011年6月19日 凡語

 天下を二分した応仁の乱。8代将軍足利義政の後継を巡る11年の争いだ。戦に疲れた500年以上昔の武士たちに、甘いものがほしい時はあっただろうか。東西の大将は「みなづき」を食しただろうか。
 今月30日は夏越の祓。氷に見立てた「ういろう」に小豆を散らし本格的な夏を健康に過ごせるよう祈って味わう。西軍の大将山名宗全の流れをくむとされる南丹市園部町の菓子店くりや社長、山名裕さん(49)に聞いた。
 「みなづきは砂糖が潤沢に使える江戸中期以降の菓子。大将が食べたのは甘味の少ない饅頭でしょう」。業界では月見団子、かしわもちのように特定の菓子を食べる日を紋日(もんび)と呼ぶ。バレンタインデーも洋菓子の紋日だ。
 東軍の大将細川氏が先祖という京都市上京区の老松。主人の太田達さん(54)は「みなづきを食べる習慣は京都だけ」と話す。冬から氷室に貯蔵し、宮中で夏やせせぬよう口にした貴重な氷のまねに始まり、「茶道で用いられて広まった」とか。
 とがった形に災いをはらう意味もあるというが、「三角にきれいに切り分け、捨てるところがないのは菓子屋の発想」。難しく考えるより、おいしい丹波産小豆を楽しむことが大切かもしれない。
 節電で冷房控えめの夏。農作物への影響を心配し、おろおろする冷夏は困るけれど昨夏のような猛暑もごめんだ。適度な暑さであってほしい。そんな願いを込めた今年の「みなづき」はどんな味だろう。

以上引用*************************

 みなづきの歴史を知り、菓子に込められた思いを改めて感じました。
 
 今年前半は皆さん、いかがでしたか。今年は大きな地震にみまわれ、その後の影響も大きく、平穏無事とは思えない半年となりましたが、書きながら、自身の前半を振り返りつつ、7月1日からまた新たな気持ちで邁進したいと思ったのでした。


 夏越祓については、以前の記事で書きました。参考まで。
夏越祓
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/8f4b90bb4a267ed92d3b9f3574d0cb8d

菓子 みなづき (写真)
http://www.kanshundo.co.jp/museum/yogo/minazuki.htm
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 墨田の花火 | トップ | 京都紀行3 紫陽花とたぬき »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なつかしい「みなづき」 (春旦)
2011-07-02 20:50:11
なつかしいですね~「みなづき」
一度だけいただいたことがあります
黒糖味だったような気がします
京都に行かれたのですね~
もう随分京都に行っていません
実は表千家の「北山会館」にも行ったことが、まだない不届き物なのです
逆に大学生のお弟子さんのほうが行ったことがある始末
もちろん行ける日をたのしみにしていますが~
「みなづき」の勉強をさせていただきました
ありがとうございます
7月…今年も折りかえしました
これから夏…乗り切らなくてはいけまさんね~
返信する
Unknown (Tsucchie)
2011-07-02 21:26:08
お嬢さんへの席主のご配慮、すてきですね!
返信する
なつかしいみなづき (m-tamago)
2011-07-07 23:11:35
春旦さん、こんばんは。
「みなづき」、やはり御存じでしたか。でも、口にする機会は少ないですよね。

京都は大好きでもう何回行ったかしら、、、でも、茶道資料館は初めてという私も不届きものです。利休堂にお参りしたり、裏千家の兜門をくぐって入ってみたいなど思いは広がりますがまだまだ先のことになりそうです。というか、そういう機会が来るように精進するつもりです。

暑さも本格的になってきたのでお互い体に気をつけて乗り切りましょう。
返信する
でしょ (m-tamago)
2011-07-07 23:14:42
Tsucchieさん、こんばんは。
席主のご配慮、すてきでしょ!!
茶席券は入館チケットなので、大人二人しかないはずなのに、そういうことでは終わらない。しかも、相手(子供)を見て相手に合わせた抹茶を点てて下さる。茶人だなあと感動し感謝しつつ、私も見習わなくちゃと思った出来事でした。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

旅先にて」カテゴリの最新記事