日本文化を扱ったフリーペーパー、“東京文花座”、ご存知ですか。
先日、三井家の能装束展を見に行った帰りに出会い、上品な表紙に惹かれ、持ち帰った。読んでみるとその充実振りにびっくり。ちょっと硬いかなという部分もあるのだが、今回は“狂言”に関する特集で、狂言師のインタビューから公演日程まで狂言に関する情報がぎっしり。狂言や能って実は色々なところで観られるんだと知った。更に、プレゼントの太っ腹ぶりにもびっくり。掲載されている公演のペア招待券の数々。私も早速申し込んでしまった!三越以外どこに置いているのか知らないが、もっと広まればいいのに、と思う内容だった。(でも広まると招待券が当たりずらくなるかもしれない!ジレンマ)
さて、今回の東京文花座には人間国宝、狂言師“茂山千作”さんのインタビューが載っている。その中で印象に残った言葉の数々をご紹介しておきたい。雰囲気が変わらぬようそのまま引用します。茶道の稽古にも通じる気がした。
狂言師にとって一番大事なことは?
《私はね、やはり今まで狂言にあった型とかセリフ回しとか、舞なんかを十分に稽古して、舞台へ懸ける。ともかく稽古を十分に積んだ上で、お客さんに「ふぁーっ」と、愉快になって帰って頂くような芸をしたら、一番ええと思いますね。一人前の芸をするには、自分なりの稽古をしてね。それが立派にでけるようになってから、新しいことをしたら良いと思うとります。》
若い役者、観客に伝えたいことは?
《本業の役者になるものはね、やっぱり十分に稽古をして、またいろんな人の舞台を十分に観んといかんと思います。「あれはあかんな」と思ったら、自分でもやりまへんやろ。また、「あの人は上手やな」と思うたら、その真似をするかも分かりまへん。やっぱり人のものを十分に観んとあかんと思いますね。(中略)やはりね、書いたもん見るだけやのうて、じかに習っておかなあきまへん。》
狂言は、高校の課外授業で観たのが初めてだった。ほとんど眠りこけてしまい、附子(ぶす)という題名で太郎冠者と次郎冠者が出てきたこと位しか覚えていない。場所は国立劇場だった気がする。狂言はそれでもまだよかったが、その後の能に至っては全く記憶が無い。完全におやすみモードだった。若い私にはゆったり静かな幽玄の世界は理解しようもなく、いや、理解する気がなかったんだと思う。
その後全く縁が無かったが、昨年、母が探してきた公演で出演者“野村萬斎”という名に惹かれ、狂言と能の舞台を観に行った。渋谷松涛にある観世能楽堂。立派な能舞台で、どの座席がよいポジションなのかすら検討がつかない、案内の人に聞いて、勧められるままに座った。野村萬斎はテレビでしか知らなかったが、実物は私の想像より小柄で細く、しかし、演技にはそれを感じさせない大きさと強さを感じた。この時は居眠りもなく拝見した。
そして今年2月、神楽坂の矢来能楽堂の初心者向け能舞台を観に行った。お囃子の説明、能装束の身につけ方、演目の説明などあったので、とても分かり易く、楽しく(眠らず)観ることができた。能では舞台装置が最小限になっており、言葉遣いもわかりずらいので、ある程度衣装や動きから読み取ることも必要になる。その為には事前に物語の登場人物と筋はわかっていたほうが厭きないと思う。終わった後、おばあ様とお母様に連れられた小さな坊やが、般若の動きを真似て興奮気味にお話している姿が印象的だった。小さい頃から気軽に触れることができればきっと身近で楽しいものになるんだろう。
年齢を重ね、日本芸能のよさを感じられるようになった。機会があれば、ではなく、機会を作って積極的に触れていきたいと思う。
先日、三井家の能装束展を見に行った帰りに出会い、上品な表紙に惹かれ、持ち帰った。読んでみるとその充実振りにびっくり。ちょっと硬いかなという部分もあるのだが、今回は“狂言”に関する特集で、狂言師のインタビューから公演日程まで狂言に関する情報がぎっしり。狂言や能って実は色々なところで観られるんだと知った。更に、プレゼントの太っ腹ぶりにもびっくり。掲載されている公演のペア招待券の数々。私も早速申し込んでしまった!三越以外どこに置いているのか知らないが、もっと広まればいいのに、と思う内容だった。(でも広まると招待券が当たりずらくなるかもしれない!ジレンマ)
さて、今回の東京文花座には人間国宝、狂言師“茂山千作”さんのインタビューが載っている。その中で印象に残った言葉の数々をご紹介しておきたい。雰囲気が変わらぬようそのまま引用します。茶道の稽古にも通じる気がした。
狂言師にとって一番大事なことは?
《私はね、やはり今まで狂言にあった型とかセリフ回しとか、舞なんかを十分に稽古して、舞台へ懸ける。ともかく稽古を十分に積んだ上で、お客さんに「ふぁーっ」と、愉快になって帰って頂くような芸をしたら、一番ええと思いますね。一人前の芸をするには、自分なりの稽古をしてね。それが立派にでけるようになってから、新しいことをしたら良いと思うとります。》
若い役者、観客に伝えたいことは?
《本業の役者になるものはね、やっぱり十分に稽古をして、またいろんな人の舞台を十分に観んといかんと思います。「あれはあかんな」と思ったら、自分でもやりまへんやろ。また、「あの人は上手やな」と思うたら、その真似をするかも分かりまへん。やっぱり人のものを十分に観んとあかんと思いますね。(中略)やはりね、書いたもん見るだけやのうて、じかに習っておかなあきまへん。》
狂言は、高校の課外授業で観たのが初めてだった。ほとんど眠りこけてしまい、附子(ぶす)という題名で太郎冠者と次郎冠者が出てきたこと位しか覚えていない。場所は国立劇場だった気がする。狂言はそれでもまだよかったが、その後の能に至っては全く記憶が無い。完全におやすみモードだった。若い私にはゆったり静かな幽玄の世界は理解しようもなく、いや、理解する気がなかったんだと思う。
その後全く縁が無かったが、昨年、母が探してきた公演で出演者“野村萬斎”という名に惹かれ、狂言と能の舞台を観に行った。渋谷松涛にある観世能楽堂。立派な能舞台で、どの座席がよいポジションなのかすら検討がつかない、案内の人に聞いて、勧められるままに座った。野村萬斎はテレビでしか知らなかったが、実物は私の想像より小柄で細く、しかし、演技にはそれを感じさせない大きさと強さを感じた。この時は居眠りもなく拝見した。
そして今年2月、神楽坂の矢来能楽堂の初心者向け能舞台を観に行った。お囃子の説明、能装束の身につけ方、演目の説明などあったので、とても分かり易く、楽しく(眠らず)観ることができた。能では舞台装置が最小限になっており、言葉遣いもわかりずらいので、ある程度衣装や動きから読み取ることも必要になる。その為には事前に物語の登場人物と筋はわかっていたほうが厭きないと思う。終わった後、おばあ様とお母様に連れられた小さな坊やが、般若の動きを真似て興奮気味にお話している姿が印象的だった。小さい頃から気軽に触れることができればきっと身近で楽しいものになるんだろう。
年齢を重ね、日本芸能のよさを感じられるようになった。機会があれば、ではなく、機会を作って積極的に触れていきたいと思う。
若い頃は他にも色々興味があって、和文化を忘れてしまっていたりして・・・
最近では興味は最高潮でありまして、そんなフリーペーパーが
あるなんて、さすが東京!羨ましいですわ。
名古屋の三越に東海版なんて無いかしら?と探してみようかな♪
本当に茶道をやっていると様々な和のものに惹かれていきますね。私も最近興味は最高潮です!!
フリーペーパー、年会費を払えば送ってももらえるようですが、東京の情報なので意味ないですよね。。。。
名古屋でもそういうのがあるといいですがー。
茂山家の狂言は何度も見ていますが、いつも素晴らしくて、本当に大笑い出来ます。
(周りの雰囲気によっては、笑い辛い時があるのが残念ですが・・・)
それから、変な話ですが、能は観ていて、眠ってしまってもいいのだそうです・・・。
国立能楽堂の普及公演には、解説が付くのですが、そこで何人かの国文学者が、そう言っていました。「いいお能ほど眠くなる」そう言った方もいました。
まあ、そのくらい気楽に観ればいいと、そう言うことなのかも知れませんね。
写真の笑顔、インタビューの言葉いずれも惹き付けられました。
ちなみに、関西と関東ではお客さんの雰囲気が違うので
同じ内容でも狂言の雰囲気も変わるそうです。
能は眠ってしまってもいいのですか!?
伝統芸能というとつい身構えてしまいますが、ゆったりした気分で観ればいいのですね。
かなりしっかりした内容ですよね。びっくりしました。
私はミーハー心で萬斎師を観に行きましたが、来年は大蔵流の
狂言が観られるのでちょっと楽しみです。
能は眠ってしまいますね。能楽師には失礼ですがね(汗
大学の講義で他大学の教授を招いての専門の歌舞伎の講義だったのですが
その先生は高名な方で古典は全て大丈夫なようで、能の話も少しされてましたね。
どんな時が盛り上がる公演かみないな話だったと思います。
新聞などの劇評を書く人や研究職にあるような教授などだとか、
で、話してくれた教授が観劇の状態がベストではないようで、つい寝てしまったとか
終演後、能楽師に「寝てましたね」と言われてしまったとか
顔が知れていますし、能楽堂は照明を落とさないので分かってしまいますね。
やはり、何を観るにしっかりと観ないといけないんだなと思い知らされました。
コメントありがとうございます。
古典芸能のお勉強なさっている?ご興味もおありなんですね。
能はどうしても動きや音がゆっくりなので眠気を誘いますね。albireoさんによれば、いいお能ほど眠くなるということもあるようですが。
舞台は古典芸能も、現代劇も、ナマで見ると感動します。どんな芸能にせよ、芸を磨いた方の舞台は見応えがありますね。
大蔵流の狂言楽しんでいらして下さい。感想を伺いたいものです。