父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年3月27日

2005-03-27 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
27日 (金) 晴れ 暑し

八時頃起床。朝食はRstで食ふ。R行李に泊りに来て
ゐながら行李では食事もせず泊りもせずだ。
午前はRstで木村中尉、鬼来少尉、新米の末広軍医
等とガスを上げる。昼頃下山中尉のゐⅡ行李へ寄
って兵器の書類を貰ってR本部へ帰らうと思ってゐた
ら岩本中尉が午前にR本部へ行って帰って来て、身体
の工合が悪いから連絡掛を僕と交代しても
いゝと副官から言はれて来たから代って下さいと言ふ。腹
をこわしてゐるらしい。今度の攻撃に於ける連絡掛
の役目は歩兵部隊に行くのではなくて砲兵団司令
部へ行くのだからそれ程ムズかしい事はないだらう。岩本
がやる位の事だったら僕にも出来るだらう。もし聯隊長
がやれと言ふならやってもいゝが。岩本がR本へ行
ったときはΔへ行って留守だったさうだ。副官はR長
が居ないから分らないが身体が悪ければ仕方がないからいゝ
だらうと言ったと。今夕一回司令部へ連絡に行ってR本
へ一旦帰って副官に聞いてからやれと言ったらやる事にす
る。司令部への連絡は今夕16:00
午前に司令部の白木大尉の所へ御機嫌伺いに行った所
会憎留守だった。
16:00砲兵団司令部へ命令受領に行く。命令を
受領して連絡車2号で本部へ連絡に帰る。本部
へ行くと隊長以下食事中、岩本中尉病気の為僕が
連絡に行って来ましたが其の后僕が連絡掛をやるのですか
と聞くと当分やって呉れと言はれる。本部にゐて嫌な気
分で自分の仕事が分らないでゐるより連絡掛の方が面
白くていゝだらう。隊長の所で会食に一寸加はり直に
帰る。聯隊行李はやはり后方にゐるのでのんびりしてゐ
ていゝ。夜又Rstへ遊びに行ったが昨夜のやうにおそく
なると行李に寝る所がなくなってしまふので今夜は10時
頃帰って寝る。愈々R連絡掛将校を迎せつかった。

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