徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち

2007年03月29日 | ★★★★



イブラヒムおじさんとコーランの花たち
おすすめ度
原題:Monsieur Ibrahim et les Fleurs du Coran
制作:2003年 フランス
監督・脚本:フランソワ・ディペイロン 
原作・脚本:ユリック=エマニュエル・シュミット
出演:オマー・シャリフ ピエール・ブーランシュ ジルベール・メルキ イザベル・アジャーニ

続けて癒し系です。ベタですが。原作者ユリック=エマニュエル・シュミットの自叙伝的なベストセラーを映画化した、「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」です。

舞台は1960年代のパリの裏町。父親(ジルベール・メルキ)とふたり暮らしのモモ(ピエール・ブーランシュ)。母親はモモがまだ小さい頃、兄を連れ出ていってしまった。事ある毎に兄と比べて説教ばかりのモモと父親の関係は微妙です。食事の準備の為、頻繁に近所の食料品店に通ううちに店主のイブラヒム(オマー・シャリフ)と仲良くなっていきます。イブラヒムはモモを本当の息子のように可愛がってくれるのでした。

そんなある日、父が置き手紙を残し、モモを棄てて家を出ていってしまいます。母に続き、今度は父にまで置き去りにされ、モモとても傷ついてしまいます。暫くたってから自殺した父の死を知ることとなります。

そんな彼に手を差し伸べてくれたのがイブラヒムおじさんでした。モモは、イブラヒムおじさんの養子となり、ふたりは旅へ出かけるのです。

切なくて悲しい。でも、じんわりと優しい気持ちになれる作品です。人生でこんな人に出会えたら幸せだろうな。「真面目に穏やかに生きる」「平凡だけど堅実に生きる」そういう一見何でもない当たり前の事が幸せなんだということに気付かされます。

人種・宗教・社会の歪みなど結構重くなりがちな様々な要素が凝縮されていますが、オマー・シャリフの懐の深い演技が全くそれを感じさせません。何度でも観ても感動的なヒューマンドラマです。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち@映画生活



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