徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

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しばらくお休みします。

2008年07月24日 | その他
暑中お見舞い申し上げます。
毎日暑い日が続きますが、皆様お元気でしょうか。
暑さ厳しき折柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。

と、決まりきった挨拶からはじめてみました。髭ダルマLOVEです。
今日は映画のお話ではなく、ちょいとしたお知らせです。
一身上の都合でしばらくバタバタしそうなので、本日よりしばらくお休みさせていただきます。(なんだか去年もこういうこと書いたなあ・・・・。)

落ち着いたらまた復活します。
そのときはまたよろしくお願いいたします。


それではまた。
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サウンド・オブ・ミュージック

2008年07月23日 | ★★★★



サウンド・オブ・ミュージック
おすすめ度
原題:The Sound of Music
製作:ロバート・ワイズ ソウル・チャップリン
監督:ロバート・ワイズ
脚本:アーネスト・レーマン
出演:ジュリー・アンドリュース クリストファー・プラマー リチャード・ヘイドン ペギー・ウッド エリナ・パーカー

同名ミュージカルを映画化した名作「サウンド・オブ・ミュージック」です。
この作品も子供のころから相当テレビで観ていますが、これまた久しぶりに観てみたくなり再チェックと相成りました。

1938年のナチス党政権下のドイツによるオーストリア合邦では、今まさに第二次世界大戦が始まろうとしています。

マリア(ジュリー・アンドリュース)は修道女見習い。おてんばな彼女はいつもまわりの修道女にたしなめられています。そんなある日、院長にトラップ大佐の7人の子供たちの家庭教師をするように勧められ、大佐宅へ向かうことになります。

トラップ大佐(クリストファー・プラマー)はオーストリア海軍退役軍人。数年前に妻を亡くし、以後、子供たちの学習の世話をする家庭教師が居つかなくて困っています。大佐は、子供たちを厳しくしつけていますが、子供たちはいたってマイペース。マリアも早速子供たちの「洗礼」を受けます。














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娘・妻・母

2008年07月22日 | ★★★





おすすめ度
製作:1960年 日本
製作:藤本真澄
監督:成瀬巳喜男
脚本:井手俊郎 松山善三
出演:三益愛子 森雅之 高峰秀子 松岡高史 団令子 原節子 宝田明 淡路恵子 仲代達矢 中北千枝子 上原謙

先日たまたまBSで観た「娘・妻・母」です。成瀬巳喜男監督作品は初めてだったのでわくわくしながら観賞しました。

東京のとある住宅街に住む坂西家。一家には、60歳になる母親あき(三益愛子)、会社で部長職を務めている長男の勇一郎(森雅之 )と妻の和子(高峰秀子)、孫の義郎(松岡高史)、それにブドウ酒会社に勤める末娘の春子(団令子)の5人が住んでいます。ある日、夫、姑との仲がうまくいっていない長女の早苗(原節子)が遊びに来ました。ところがこの里帰り中、事故で夫は死亡。行く宛のない早苗は、毎月5000円の生活費を入れて実家に住みつくことになりました。勇一郎は、家を抵当にした金で町工場をやっている和子の叔父に融資し、その利息を生活の足しにしています。そんなある日、更に50万円の融資を申しこまれ、その金の用立てを早苗に頼みます。実は彼女は夫の保険金100万円を所有していたのです。断り切れない彼女は、言われるまま承諾します。少し落ち着きを取り戻したある日、早苗は春子、次男の礼二(宝田明)と妻の美枝(淡路恵子)で甲府のブドウ園へ出掛けます。案内は醸造技師の黒木(仲代達矢)という男性。彼は早苗に好意以上のものを感じていました。東京へ戻り早苗は母の還暦祝の品物を買いに銀座へ出掛けます。学友の菊(中北千枝子)に誘われて入ったフルーツパーラーで、彼女の知り合いという五条(上原謙)を紹介されますが…。



突然もしもシリーズ。
「もしも、小津安二郎がリアリストだったら」



というのが初成瀬巳喜男監督の印象でした。

高度成長期を迎えようとしている時代。
1960年、女性のあり方も少しずつ多様化しはじめている頃の作品。
タイトルどおり娘・妻・母。
女性が辿るそれぞれの立場での目線で描かれています。
リアリティーある会話がどきどきします。

なかなか辛らつなドラマでした。


前田有一の超映画批評



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オズの魔法使

2008年07月21日 | ★★★★





オズの魔法使
おすすめ度
原題:The Wonderful Wizard of OZ
製作:1938年 アメリカ
製作:マービン・ルロイ
監督:ヴィクター・フレミングほか
原作:ライマン・フランク・ボーム
脚本:ノエル・ラングリー フローレンス・ライアソン エドガー・アレン・ウルフ
出演:ジュディ・ガーランド フランク・モーガン レイ・ボルジャー バート・ラー ジャック・ヘイリー ビリー・バーク マーガレット・ハミルトン

子どもの頃、読んだ想い出深い本のひとつ、「オズの魔法使い」です。ジュディ・ガーランドが歌う「オーバー・ザ・レインボウ」は映画史に残る名曲のひとつですね。

カンサスの農場に住む少女ドロシー(ジュディ・ガーランド)は、怒っていました。愛犬トトが近所のミス・グルチ(マーガレット・ハミルトン)からいじめられたからです。その事をMおばさんに言い付けようと息巻いて帰宅しますが、農場の皆は忙しくて誰も相手にしてくれません。そこへグルチがやってきて、トトが自分に噛み付いたとして、(トトを)始末すると怒鳴り込んできました。ドロシーは絶望し、トトを守るため家出することを決意します。行く宛もなく歩いていると、占い師の馬車に目がとまりました。占師マーヴェル(フランク・モーガン)は彼女の家出を見破り、占う振りをして「伯母さんが心配して病気になった」と言います。ドロシーは慌てて家へ帰りますが、そこへ大龍巻が襲来!気を失った彼女が気がつくと、ドロシーは家もろとも大空高く吹きあげられていました。

ちょっと癒されたいな〜、と思い何となくチョイス。
でも、全然癒されね〜〜〜っ!!
201分という長尺!!
201分っていったら、3時間21分ですよっ。
長い…。
私の集中力はカッツカツでした…。

誰もが一度は聞いたことのある名曲
演者の素晴らしい演技&歌唱力。
色鮮やかなテクニカラー。
特撮&特殊メイク。
とても1930年代の作品とは思えないクオリティの高さ。
本当に凄い作品です。
…でも、これ、子ども時に観るべきだったなぁ…。


カンザスの農場で歌う「オーバー・ザ・レインボウ」
ジュディ・ガーランドの歌唱力は素晴らしいです。
そして、とってもかわいらしい!
この役を演じるにあたり、彼女は随分ダイエットをしたそうです。


北の良い魔女グリンダ(ビリー・バーク)。
まるでお姫さまのようです。
50オーバーには見えませんね!


紆余曲折あってこの役をゲットしたマーガレット・ハミルトン。
なかなか良い面構えです(笑)。


臆病なライオン(バート・ラー)、脳みそのない案山子(レイ・ボルジャー)、ハートのないブリキの木こり(ジャック・ヘイリー)。
新たに仲間を迎え、それぞれ自分に足りないものを得る為の旅がはじまります。


色々な困難を乗り越えようやくエメラルドの国が見えてきました。


DVDには製作秘話やメイキングなども収録されています。
事故、役者や監督の降番などなど色々なトラブルに見まわれながら完成させた、まさに血と汗と涙の結晶。2時間以上かかる特殊メイクの話や照明の話を聞くと画面からもその熱さが伝わってきそうです。


ドロシーの赤い靴。
オークションでは最高165,000ドルで競り落とされたそうです。



たまにはこういう過去の名作をじっくりと観るのもいいものですね。
でも。



長かった〜。

オズの魔法使@映画生活
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蠅男の逆襲

2008年07月20日 | ★★★★



蠅男の逆襲
おすすめ度
原題:RETURN OF THE FLY
製作:1959年 アメリカ 日本未公開
製作:バーナード・グラッサー
監督・脚本:エドワード・L・バーンズ
出演:ヴィンセント・プライス ブレッド・ハルゼイ

「蠅男の恐怖」のヒットを受けて製作された続編。「蠅男の逆襲」です。前作はカラーですが、今回はモノクロで撮影されています。

悲惨な最期を遂げた父の事件から十数年。母エレーヌが亡くなり、父の物質転送の研究を引き継いだフィリップ(ブレッド・ハルゼイ)。しかし、研究を独り占めしようとした助手アランに裏切られてしまいます。実はアランは前科持ちの詐欺師。知り合いの悪徳業者に新発明の装置の図面を売り払おうと画策していたのです。それに気付いフィリップは彼を阻止しようと揉み合いになり、その拍子に気絶してしまいます。アランは蝿を恐れる彼を無理やり蝿と共に転送機に放り込み、フリップは蝿男に大変身!皮肉にも父と同じ悲劇が再び起きてしまうのでした。

今回の作品は、ホラー要素よりむしろ裏切りに対する復讐劇といった感じです。
81分という尺でかなり色々詰め込みましたね〜〜。
なのでちょっとバタバタ感が否めない。

父の研究の継続
フランソワとの関係
アランとの関係
恋人セシリアとのロマンス
復讐に対する憎悪の描写

などなど・・・

それぞれの人間関係の描き方が希薄で物足りない&感情移入できない。
印象に残る映像も少ない。
続編のクオリティとしては、リメイク版の「ザ・フライ2 二世誕生」の方が高かった気がします。

でも今回もお気に入り面白シーンはありますよっ。


父親の事件がトラウマになっているのか、フィリップは蠅が苦手です。


当初猛反対していたフランソワ(ビンセント・プライス)ですが、フィリップの捨て身の決心に根負け。
「フィリップ立ち会いの元で」という条件で研究を再開します。

ところが、アランが完成目前にして裏切ります。
しかも、彼の陰謀で皮肉にも父と同じ目に合い蠅男に!


怒り狂ったフィリップはアランの裏の顔のパートナーに手を掛けます。


過去の失敗を教訓に、今回は早めに「白い顔をした蠅」をゲット!
ビーチャム警部お手柄です。
ってかすごいです!この人面蠅!!
笑わせようとしているとしか思えません。


そして、無事転送機へ。

ここで唐突にTHE END

うーん。
ちょっと尻つぼみ感が気になります。




が。

ま・いっか。



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蠅男の恐怖

2008年07月19日 | ★★★★★


蠅男の恐怖
おすすめ度
原題:The Fly
製作:1958年 アメリカ
製作・監督:カート・ニューマン
脚本:ジェームズ・クラヴェル
出演:ヴィンセント・プライス パトリシア・オーエンス アル・ヘディソン

うははは。
見つけました「蠅男の恐怖」!子どもの頃観て度胆を抜いた「ザ・フライ」の元ネタとなった作品です~。

ある日、化学者のアンドレ(アル・ヘディソン)が変死体で発見されます。現場から逃げていく姿を目撃されたアンドレの妻エレーヌ(パトリシア・オーウェンズ)が事件の容疑者に。彼女は取り調べで、警部に信じられない出来事を語り出すのでした。

物理化学者のアンドレは物体を瞬時に別の場所に移動させる物質電送機を研究してします。ある日彼は遂にシャンパンやモルモットを用いた電送実験を成功させます。そして仕上げに、自身で電送の人体実験を行います。最初は成功したかのように思えますが、機械の中にハエが紛れ込んでいたため、電送の最中に両者が交じり合い、アンドレは頭がハエで体は人間、ハエは頭が人間で体がハエという奇妙な姿になってしまうのでした。

あー。おもろい。
1958年って既にカラーなんですね~。
インパクト絶大の名シーンが山盛りです。



アンドレの妻、エレーヌとアンドレの兄フランソワ(ビンセント・プライス)。
エレーヌはなかなか真実を口にしません。
フランソワはそんな彼女を説得し、警部の前で真実の告白を促します。
そして物語は、彼女の回想シーンとしてスタートします。





試行錯誤を繰り返しようやく研究の完成が近付いてきました。
数度の動物実験を重ね、自ら実験材料に。
上手く言ったかのように思えた実験でしたが…。


「困ったことになった。助けて欲しい」
アンドレは妻に、自分の「かたわれ」であるハエ探しを依頼します。
アンドレは口がきけなくなり、顔も見せてくれません。

なんとかハエを見つけることに成功するものの、なかなか捕まえる事が出来ず焦りばかりが募ります。


彼女は、「ハエなしでもう一度単独で転送実験してみては?」と提案。
素直に従うアンドレ。


「ホラ!成功したわ!」と言い
顔にかけていた布をとったヘレンはびっくり!
バーーン!!
蠅です。
残念。

それにしても。
うーん、たまりませんな!この造型。
頭に被りものをしただけの蠅男(笑)
パーティーでの悪ふざけにしか見えません。


きゃああああああっ!!!!!!!!


ハエ化がすすみ、意識が朦朧としてきたアンドレは
自分の実験の全てを抹消して自殺することを決意します。

彼女はその自殺をお手伝いする訳ですね。
でも、そんな話を信じるはずもない警部。
彼女の病院送りが決定してしまいます。



そしてそして!




物語の最後の山場です!
ヘレンの重要な証拠となる「頭が白いハエ」を発見!
警部と、兄フランソワは驚愕!!
「HE~LP!ME~~!!」というかん高い声の先に見たものは
変わり果てたアンドレ蠅(新種)とそれを食おうとしている蜘蛛だったのです。




たまりませんな。
なんて味わい深いんでしょう。
これは私の期待をかなりの勢いで超えてましたよ(笑)
ザ・フライコンプリートDVD-BOX
本気で欲しくなってきました。

妻エレーヌのしたたかさが素敵。
愛するアンドレが亡くなっているのに(設定としては事件から数日後のはず。)
「こんなに寝て食べばかりいたら太っちゃうわ」とか
「ふぁ~よく寝た~」とか
と意外とのんき。
普通もっと凹むでしょうよ。
ってか凹んで下さい。
最後はちょっとフランソワといい感じになってるし(笑)。
まあ、そういうドライな態度込みで面白かったからいいんですけど。


前田有一の超映画批評

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リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!? 

2008年07月18日 | ★★★
リトル・レッド*レシピ泥棒は誰だ!?*
おすすめ度
原題:HOODWINKED
製作:2005年 アメリカ
製作:モーリス・カンバー他
監督・原案・脚本:コリー・エドワーズ
声のの出演:アン・ハサウェイ グレン・クローズ ジェームズ・ベルーシー アンソニー・アンダーソン
上野樹里 加藤浩次 ケンドー・コバヤシ
キャッチコピー:ダマされるな!こいつらみんなウラがある!!

童話「赤ずきんちゃん」をベースにサスペンス要素を加えたオリジナルストーリーが愉快な「リトル・レッド*レシピ泥棒は誰だ!?*」です。

パケットおばあさん(声:グレン・クローズ/小宮和枝)の作るお菓子を自転車で配達をしてるレッドには最近気掛かりな出来事があります。実は今、森では「レシピ泥棒」が続出していて、レシピを盗まれた店が次々と廃業に追い込まれているのです。そんなある日、レッドは自分たちのレシピを守るため山の上のおばあさんの家を訪れます。道中様々な困難を乗り越えながらようやく辿り着くと、そこにはおばあさんに変装したオオカミ(声:パトリック・ウォーバートン/加藤浩次)が!そんな中、縛られたおばあさんがクローゼットから飛び出し、更には、斧を持った木こりのカーク(声:ジム・ベルーシ/岩崎ひろし)が飛び込んできて大パニックに。遂には警察と探偵の二ッキー(声:デヴィッド・オグデン・スタイアーズ/ケンドーコバヤシ)がやってきて4人の事情聴取がはじまります。



オオカミ、木こりのカーク、パケットおばあさん、レッド。
なにやらおかしな事になってしまいました。


この物語の主人公である赤いずきんの少女、レッド。
オリジナルの声の出演はアン・ハサウェイ。
日本語吹き替えバージョンは上野樹里ちゃんがつとめています。


パケットおばあさんです。
この画像のおばあさんは、ちょいファンキーなバージョンです。
このおばあさん、かなりクールです。


オオカミです。
日本語吹き替えバージョンは加藤浩次。
加藤浩次の「狂犬キャラ」が全面に押し出されオリジナルとはちょっと違う印象のオオカミ。これはこれで味わい深い。


気の良い木こりのカーク。
ちょっぴり間の抜けたとぼけた雰囲気が和みます。


探偵のフリッパー。
カエルです。
ケンドーコバヤシが「ええ声」でハマってます。


個性溢れる楽しい脇役も大活躍です。

37年前に掛けられた魔法の呪いで
喋る言葉が全部歌になってしまうというウールマーク。


オオカミの相棒。
いつもフルテンションのりすのトゥイッチー。


レシピ泥棒が入ったお店が潰れてしまい、
目下ロープウェイの操縦の仕事をしているうさぎのボインゴ。

同じシュチュエーションでも立場が違えば、状況が変わる。
4人の供述が進むにつれ色々な新事実が浮き彫りになっていきます。
その中で、「あれっ?」と思っていた台詞や現象のつじつまがきっちりと合い、それがなかなか爽快です!

日本語吹き替えバージョンは、多少異訳をしていたり、声優のキャラクターを上手く生かしてあったりと、オリジナルとは少*し違った雰囲気。2つのバージョンを見比べてみるのをオススメします。


リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?@映画生活
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ライアー

2008年07月17日 | ★★★★





ライアー
おすすめ度
原題:LIAR DECEIVER
製作:1997年 アメリカ
製作:ピーター・グラッツァー
監督・脚本:ジョナス・ペイト ジョシュ・ペイト
出演:ティム・ロス クリス・ペン マイケル・ルーカー レニー・ゼルウィガー エレン・バースティン ロザンナ・アークエット マーク・ダモン
キャッチコピー:嘘か? 真か?

殺人事件の容疑者とふたりの捜査官の駆け引きを描いのサスペンス「ライアー」です。ジョナス・ペイト、ジョシュ・ペイト双児の兄弟が監督・脚本をつとめています。

大富豪の息子ウェイランド(ティム・ロス)がブラクストン(クリス・ペン)とケネソウ(マイケル・ルーカー)のふたりの捜査官に、ポリグラフ(嘘発見器)を使い、尋問を受けています。彼の容疑は娼婦殺し。エリザベス・ロフタス(レネー・ゼルウィガー)という娼婦が胴体を切断された残酷な殺人事件です。ウェイランドは名門大学の心理学科を首席で卒業した切れ者です。彼はのらりくらりと尋問をかわし、なかなか取り調べは進みません。そればかりか逆に捜査官ふたりの秘密を暴き立て彼らを動揺させるのです。


この作品の監督&脚本をつとめたジョナス・ペイトとジョシュ・ペイト。
どっちがどっちなのかはわかりましぇん。
1970年生まれの彼らはこの作品を製作したときは弱冠27才!


取り調べという名の心理戦はは続きます。


ウェイランドの挑発的な行動に緊張は一気に高まります。

ウェイランドは側頭葉てんかん(TLE)という持病がありアルコールに依存しています。作中にも「あの日もアブサンを飲んでいた」というシーンがあります。また、捜査官2人が訪ねた精神科医はTLEはゴッホも患っていて、アブサンを飲んでいたと言っています。


あ、そういえば。ティム・ロスって1990年にゴッホ演ってますよね?


アブサン
アルコール度数がとっても高い薬草系リキュール。
その個性の強い味は一度はまると癖になるみたい。
ウェイランドも水で薄めて飲んでましたね。


レニー・ゼルウィガーが娼婦役を熱演しています。


今から11年前だから、28才ですか。ナイスバディですね。

実はそんなに期待していませんでした。
そしたら、なんとなんと!
とっても面白い!

IQ155のウェイランド。
ブリジストン大学心理学課主席卒業。頭脳明晰の大富豪の息子。
IQ122のケネソウ。
ポリグラフ暦20年のベテラン、自白率92%
IQ102のブラクストン。
気のいい温厚な男。平均的なIQの持ち主。この人が一番人間らしい。
IQ別で人物紹介をする導入、なかなかいいです。

猟奇殺人事件
ポリグラフ
心理学
TLE
アブサン
ゴッホ

ミステリアスなワードが満載です。
たまりませんなっ。
どこから本当でどこから嘘かが観ていてだんだん分からなくなります。
一瞬「あれっ?」となる煙に巻いたようなラストも好きです。
私、続けて2度観ました。
わはは。どうもIQ低いみたいです。


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Rain レイン

2008年07月16日 | ★★★


Rain レイン
おすすめ度
原題:THREE DAYS OF RAIN
製作:2003年 アメリカ 日本未公開
製作:ヴィム・ヴェンダース
監督・脚本:マイケル・メレディス
出演:ドン・メレディス ピーター・フォーク エリック・アヴァリ ライル・ラヴェット ペネロープ・アレン ブライス・ダナー ロバート・キャラダイン ヘザー・カフカ ジェイソン・パトリック マックス・パーリック ウェイン・ロジャー スケア・デュリア マーク・フォイアスタイン マーレ・ケネディ

ロシアのアントン・チェーホフによるいくつかの短編をベースに、6組の人々が苦悩を乗り越えてゆく姿を描いた群像劇「Rain レイン」です。製作は巨匠ヴィム・ヴェンダースがつとめています。


アルコールと息子に頼りっきりのワルド。
「刑事コロンボ」でお馴染みのピーター・フォークですねえ。
しょっぱい老人の役を味わい深く演じています。

息子を亡くしたばかりの失意のタクシー運転手ジョン(ドン・メレディス)。
乗車するゲストたちに「最近息子が死んだんだ。」と話し出すジョン…。

ベビーシッターとして更正を始めた麻薬中毒の女(マール・ケネディー)。
彼女には生まれたばかりの娘がいますが、離ればなれに暮らしています。
実は彼女の娘は判事の男の家に里子として預けられていて…。

長雨で製作中の商品がダメになり、粘土も買えないタイル職人のサンダーキング。一刻も早く家賃を払わないとアパートを追い出されてしまいます。友達に借りようか?車を売ろうか?色々お金の工面に走ります。

線路整備の詰所で掃除係をしているデニス。
軽度の障害がある彼は職場で孤立しています。そんなある日上司にはめられ本社から呼び出しを受けます。身に覚えのない彼は戸惑いながらも上司から言われるままに行動します。

人生も半ばを過ぎ、自分の生き方に疑問を感じはじめたアレックス(エリック・アヴァリ)。仕事も家庭も仕事にも恵まれていますが、何かが足りないと感じはじめています。ディナーの帰り、彼らはホームレスに出会います。アレックスはテイクアウトの食事を彼にあげようとしますが奥さんは猛反対。思わぬところで妻と対立してしまい、価値観の違いに戸惑います。

舞台は、クリーヴランドという寂れた街。ある日この街に、記録的な大雨が降り始めます。そこに住む様々な事情を抱えた人たちを、降りしきる雨と供に静かに描いた作品。哀しみの雨が降り続けた3日間。彼らの運命は大きく動き始めます。

雨は憂鬱です。その雨が悩める人の不安ややり場のない孤独感を掻き立てるんですね。BGMで流れるしっとりとしたジャズが作品を盛り上げています。


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2008年07月15日 | ★★★★





おすすめ度
原題:The Birds
製作:1963年 アメリカ
製作・監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:ジョセフ・ステファノ
出演:ロッド・テイラー ティッピ・ヘドレン ジェシカ・タンディ スザンヌ・プレシェット ヴェロニカ・カートライト
キャッチコピー:恐怖映画の巨匠ヒッチコックの最高傑作
鳥たちが、人間を食いちぎる このショック! 凄まじい恐怖が、あなたを襲う!

ホラー映画の名作中の名作、アルフレッド・ヒッチコックの「鳥」です。この作品を初めてみたのは忘れもしない今から○○年前の高校生の頃。懐かしいですね〜。何となく観たくなり久しぶりにレンタルしてみました。

ひょんな事から知り合ったメラニー・ダニエルズ(ティッピー・ヘドレン)とブレナー(ロッド・テイラー)。何となく彼の事が気になったメラニーは彼の妹の誕生日プレゼントを届ける為に彼の故郷であるボデガ湾を訪れます。無事自宅へ届けモーターボートで移動する途中、突然舞い降りてきた1羽のかもめが、メラニーの額をつつき飛び去ります。追いかけてきたブレナーは彼女を手当てしながらディナーに招待します。すぐに帰る予定のメラニーでしたが、ブレナーの妹にせがまれ誕生日パーティーにも参加する事に。そしてパーティー当日、事件は起こります。近所の子供達が庭でゲームを楽しんでいると突然鳥の大群が群がり人間を襲い始めたのです。

ある意味この作品の主役である「鳥」。あの数え切れないほどの鳥!そしていつまでも耳に残るあの不気味な羽音。鳥のリアルな描写がとても印象的な作品です。観客を飽きさせないスリリングな展開とそれを支える編集も素晴らしい!

DVDには特典映像でメイキングが収録されていました。「どうやって撮ったんだろう…」と思うシーンが山盛りの作品だったので、とっても面白かったです。大きなスクリーンで観れない事は残念ですが、こういう過去の名作がメイキングと一緒に鑑賞できるのはとっても幸せな事ですねっ。



合成は、ディズニーが実用化した「ナトリウムプロセス」という技術を採用。従来のブルーシートではなく、背景に青白い影を残さない特殊な技術のようです。スタッフにもディズニーのアブ・アイワークスを特撮顧問に迎え数々の名シーンを生み出す事に成功しています。



また、雑音が入ったり、日光の加減が変わることを嫌ったヒッチコックは、ロケは必要最小限度に抑え、スタジオでの撮影を好んだそうです。



このシーンはスタジオ撮影です。
すごい。


この街全部セットです。
大掛かりです。


有名な街を見下ろすシーン。
背景の景色は実写ではなくこの画像のように
手描きの絵を使い合成した場面が何ケ所かあります。
これが違和感ないんですね〜。


黒い部分が実写になるところです。
背景は「絵」です。
凄い技術ですね!


ジャングルジムのカラスのシーン。
実はここのカラスの多くはフェイク!数羽の本物を使う事で、全部が本物に見える、という人間の目の錯覚をうまく利用しているんですね〜。カラスは雛から育てて調教をしたんだそうです(驚)


クライマックスの鳥に襲われるシーン。
このシーンの撮影は丸5日間かかりティッピー・ヘドレンの疲れはピークに達します。その翌日から1週間入院することに…。映画初出演でもある彼女にとって、相当ハードな現場だったという事が伺えますね。


ストーリー、演出、特撮、編集、音楽、役者の華、演技どれをとっても本当に素晴らしい作品だと思います。今のようにCG技術のない時代にこんなに優れた映像を作るなんて、本当に凄いですね!改めてこの作品の偉大さを実感しました。


おまけ

愛犬と一緒にカメオ出演。
タレント性のある監督さんですね。


鳥@映画生活
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悪魔の手毬唄

2008年07月14日 | ★★★★




悪魔の手毬唄
おすすめ度
製作:1977年 日本
製作:市川崑 田中収
監督:市川崑
原案:横溝正史「悪魔の手毬唄」
脚本:久里子亭
出演:石坂浩二 岸恵子 北公次 永島暎子 渡辺美佐子 仁科明子 草笛光子 頭師孝雄 高橋洋子 原ひさ子 川口節子 辰巳柳太郎 大羽五郎 潮哲也 永野裕紀子 富田恵子 若山富三郎 加藤武 中村伸郎 大滝秀治 三木のり平 山岡久乃  林美智子 白石加代子 岡本信人 常田富士男 小林昭二 辻萬長

「犬神家の一族」のヒットを受けて翌年の1977年に公開された、市川監督の金田一シリーズ第二弾「悪魔の手鞠唄」です。昭和ロマネスクサスペンスの真骨頂だと思います。…って私、地味にハマってます(笑)

金田一耕助(石坂浩二)は岡山県警に磯川常次郎警部(若山富三郎)の声かけで鬼首(オニコベ)村 にやってきます。指定された宿は青池リカ(岸恵子)が女将をつとめる亀の湯。一足遅れてやってきた磯川警部は金田一に20年前の迷宮入り事件を再度調査する事を依頼します。そんな中、鬼首村出身の人気のアイドル、大空ゆかり(仁科明子)の帰郷の知らせがあります。幼馴染みの若者、青池歌名雄(北公次)、里子(永島暎子)別所五郎(大和田獏)、由良敏郎(頭師孝雄)、泰子(高橋洋子)、仁礼流次(潮哲也)、文子(永野裕紀子)たちは久しぶりの再会を喜び盛り上がっています。

依頼された調査の為に総社に向かう途中、金田一は多々羅放庵(中村伸郎)の五番目の妻、おりんと名のる老婆とすれ違います。ところが、旅籠「井筒」の女将(山岡久乃)はおりんは昨年既に亡くなっていると言うのです。金田一はその足で元夫である多々羅放庵の家に向かいますが、そこには謎の血痕が残され、放庵の姿はありませんでした。そしてその晩事件が起こります。村の川で泰子が変わり果てた姿で発見されるのです。平和だった村は大騒ぎ。そんな中、由良家の御隠居(原ひさ子)が聴いて欲しい唄があると言います。

今回も無気味です。
何たってジャケがいいではないですか〜。
手毬で遊ぶ日本人形ちっくな少女と血の色のようなぶどう酒に浸かった乙女ですよ。あばばば。
怖いですね〜。

横溝氏自ら「比較的良く書けた作品だった」と発言しているだけあって、とっても完成度が高いです。村で起きた連続殺人事件を解決する為に捜査をすすめていくと、20年前の未解決事件へと繋がっていくというストーリー展開はスリリングでとても面白いです。

とはいえ。相変わらず重要人物が多く、ついていくのに必死な私でした(恥)。
そして今回もまた「諸悪の根源」となる人物がいるわけですね〜。「もーあんたが無茶するから〜〜」と突っ込まずにはいられません。


御隠居(写真/左)は歌います。


うちの裏のせんざいに
雀が三匹とまって
一番目の雀のいうことにゃ
おらが在所の陣屋の殿さん
狩好き酒好き女好き
わけて好きなが女でござる
女たれがよい枡屋の娘
枡屋器量よしじゃがうわばみ娘
枡ではかって漏斗で飲んで
日がないちにち酒浸り
それでも足らぬとて返された返された
                ♪

それはまさに、泰子の死に様そのもの!
手毬唄の歌詞を利用して殺人をしたに違いない!この唄を知っている人物に犯人の手がかりがある!そう直感した金田一さん。鋭い推理はさらに続きます。「唄には続きがあるのではないですか?」と。ところが御隠居さんってばこの先を思い出せない!あらら〜。むしろそこが大事なのに…。仕方なく他にこの唄を知っている人物は?と訪ねたら、多々羅放庵の名が出ます。そんなわけで警察は早速、消息不明の多々羅放庵(写真/右)を容疑者として捜査をはじめます。

今回はある意味由良家の御隠居に弄ばれてしまう金田一さん(笑)。事件が起きた「後」に歌詞を思いだすんですね、このお婆ちゃん。



いろいろあったけどようやく全ての謎が解けた金田一さん。
ここで皆を集めて謎解きです。
加藤武さん、大瀧秀治さん、草苗光子さんは今回も出演されています。
ここでの皆様のオーバーリアクションが素敵です。

それにしてもこのシリーズはハマるな〜。
やっぱり子供の頃に観て面白いと思った作品って今観ても楽しいですねえ。
って言っても内容殆ど覚えてないなあ…。
とりあえず市川作品だけでも再チェックしてみようかな?

悪魔の手毬歌@映画生活
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事件

2008年07月13日 | ★★★★





事件
おすすめ度
製作:1978年 日本
製作:野村芳太郎 織田明
監督:野村芳太郎
脚本:新藤兼人
出演:丹波哲郎 芦田伸介 大竹しのぶ 永島敏行 松坂慶子 山本圭 夏純子 佐野浅夫 北林谷栄 乙羽信子 西村晃 渡瀬恒彦 佐分利信 森繁久彌

大岡昇平の同名小説を映画化した作品「事件」です。「砂の器」の野村芳太郎監督がメガホンをとり、その年数多くの映画賞を受賞しています。

神奈川県の山林で、若い女性の刺殺死体が発見されます。その女性は厚木の駅前でスナックを営んでいた坂井ハツ子(松坂慶子)でした。数日後、警察は十九歳の造船所工員・上田宏(永島敏行)を犯人として逮捕します。当初、単純な事件だと思われましたが事態は思わぬ方向へと展開していきます。



重厚で骨太な人間ドラマです。片田舎で起こった単純な事件のひとつだと思われていましたが、裁判が進むにつれ赤裸々な人間模様が浮き彫りになっていきます。派手な演出は一切なく、緊迫した裁判の模様と人間関係がじっくりと描かれています。今でこそ、こういう作品は数多く見られますが、当時としてはかなり画期的だったのではないでしょうか。

裁判シーンの会話は緊迫感と臨場感を出すために、台本通りの言葉だけでなく、芝居の中で自然に出た表現を大切に撮影されたそうです。重厚な演技に定評のある実力派の俳優陣の演技は素晴らしく、観るものをぐっと引き込みます。
冷製沈着でやり手の検察官に芦田伸介。
この人が喋り出すと、何だか緊張するんですね。「私、あの人嫌だわ」と言う大竹しのぶの台詞に物凄く納得してしまいます。

グローバルな視点で裁判を見つめる裁判長は佐分利信。
佐分利氏の演技はたまりません。こういう「品」を持つ俳優さんは今はなかなかいない気がします。

名うてのエリート弁護師は丹波哲朗。
いいですね。この役とっても似合ってます。鋭い切り口で様々な証言をひっくり返して行きます。華やかで、少し狡猾な匂いのするところもいいですね〜。

証人を演じた俳優も北林谷栄、西村晃、森繁久彌大先生と個性派揃い。裁判シーンを盛り上げます。そして、事件の重要な鍵を握る被害者の妹を演じた若き日の大竹しのぶと、被害者の情夫を演じた渡瀬恒彦。この年の様々な助演賞に輝いたこの二人の演技は本当に凄かったです。人間のエゴ・弱さ・哀しさがむきだしになっていく様は胸に込み上げるものを感じました。

あどけない少女の面影を残しながら、しっかり「女」な大竹しのぶが印象的。渡瀬恒彦とのラストも素晴らしかったです。


事件@映画生活
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春のめざめ

2008年07月12日 | ★★★★




春のめざめ
おすすめ度
原題:Моя любовь 「わが恋」
製作:2006年 ロシア
製作:ドミトリー・ユルコフ コンスタンチン・エルンスト 三浦啓一 吉村隆
原作:イワン・シメリョフ
監督・脚本:アレクサンドル・ペトロフ
キャッチコピー:恋をする。16才の少年アントンが好きになった相手は、同じ年頃の少女パーシャと、そして、もうひとり…25才のセラフィーマ。

ロシアのとある町。貴族学校に通う16歳の少年アントンは、ツルゲーネフの「初恋」を読み、物語の主人公ジナイーダに夢中です。たびたび夢想に浸り、勉強も手に付きません。彼の家に住み込みで働く少女パーシャは、そんなアントンにひそかに恋心を抱いています。それに気づいた彼は、パーシャとの愛の行方を想像し、二人の間に本物の愛があれば何の支障もないと考えるのでした。しかし、同級生のジェーニカは「パーシャは、雑巾の女神。恋愛の対象になるような女ではない」とばっさり。アントンはそんな彼の言葉にいとも簡単に動揺してしまうのでした。そんな時、アントンは、隣の家に引っ越してきた美しい令嬢セラフィーマに出会います。

とことんこだわり抜いた職人気質なこの作品はまさに大人の為のアニメーション!思春期の少年の初恋と成長を描いた本作は、彼の揺れ動く気持ちがアレクサンドル・ペトロフの美しい映像により見事に表現されています。こんな絵画的なアニメーションは今まで観た事がありませんでした。微妙な色調を変化させる光と影はまるでモネの絵のようです。


少年と大人との間で揺れる16歳のアントン。
その表情にはまだあどけなさが残っています。


アントンは、ツルゲーネフの「初恋」を読み、すっかり物語の主人公に夢中に。
暇さえあれば物語の世界の中に自分を投影しています。


住み込みで働く少女パーシャ。
アントンに恋をしてすっかり綺麗になってきました。


アントンはパーシャこっそりガラスの小鳥をプレゼントします。
恋に恋するアントンは彼女の気持ちに気付き
早速彼女との恋愛をシュミレーション。


「生い立ちの違いなんて関係ない!」
そう思ったアントンは、友人ジェーニカに自分の熱い気持ちを訴えます。
ところが、友人からはシニカルな答えが…。


隣に引っ越してきたミステリアスな美女、セラフィーマ。
パーシャにちょっかいを出しながらも
大人の魅力溢れるセラフィーマにも興味津々。


おっと!ご近所の牧夫の嫁に迫られてます!
アントンってばモテモテですねっ。



この後、愛憎渦巻く大人の世界を垣間見る事になるアントン。
若いからか、男だからかは分かりませんが、アントンはイタイ失敗を何度かやらかします。そういうしょっぱい思いをしながら(させながら)少しづつ大人の階段を登っていく訳ですね。

冒頭にも書きましたが、繊細なタッチの絵が織り成す世界観と思春期特有の「ゆらぎ感」が素晴らしく調和しています。30分に満たない短い作品ですが、当時の生活が伺える描写もとても興味深く、印象に残るシーンがとにかく多い!観終わってすぐにもう一度観たくなる、そんな作品でした。



春のめざめ@映画生活
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潜水服は蝶の夢を見る

2008年07月11日 | ★★★




潜水服は蝶の夢を見る
おすすめ度
原題:Le scaphandre et le papillon
英題:The Diving Bell and the Butterfly
製作:2007年 フランス
製作:キャスリーン・ケネディ、ジョン・キリク
監督:ジュリアン・シュナーベル
脚本:ロナルド・ハーウッド
出演:マチュー・アマルリック エマニュエル・セニエ マリ=ジョゼ・クローズ アンヌ・コンシニ パトリック・シュネ オラル・ロペス・ヘルメンディア  ジャン=ピエール・カッセル マリナ・ハンズ マックス・フォン・シドー イザック・ド・バンコレ エマ・ド・コーヌ ニエル・アレストリュプ
キャッチコピー:ぼくは生きている。話せず、身体は動かせないが、確実に生きている。

「この映画を観て感動しない人が1万人以上いたらアタシ映画評論家をやめます」というおすぎ氏のコメントを聞いた時、軽く引いてた私。でも気になってたので結局観ちゃいました。元「ELLE」の編集長の自叙伝を映画化した「潜水服は蝶の夢を見る」です。

ある日男は、とある病院で3週間の長い眠りから目覚めます。ところが彼の体は全く動きません。唯一自由がきくのは左目のみ。男の名はジャン=ドミニク・ボビー(マチュー・アマルリック)。ファッション雑誌「ELLE」の編集長をしていました。地位も名誉も手に入れた彼は美しい妻(事実婚)、可愛い子供達、恋人、友人にも恵まれ誰もが羨む生活を送っていました。発作で倒れる前までは…。

「ロックト・イン・シンドローム」これが彼の病名。意識、知力は元のままなのに、身体的自由をすべて奪われてしまうという原因不明の難病です。ジャン=ドーは、絶望の淵に落とされますが、蝶のように飛躍するイマジネーションと記憶を頼りに、自伝を書く決心をするのでした。


まず冒頭の目覚めのシーンの映像から引き込まれます。

カメラアングルの多くはジャン=ドー目線。自由のきかない狭い視野は窮屈で圧迫感がありますが、ひとたび彼が「蝶」となり回想とイマジネーションの世界へ飛び立つと、それはそれはのびやかで自由!あの独特なカメラアングルから開放された瞬間、私の心も軽くなるんですね〜。


世界的ファッション誌「ELLE」の編集長のジャン=ドー。
彼は「一流」の人や物に囲まれています。



かわいい3人の子どもにも恵まれ順風満帆な人生です。


ところが、「ロックト・イン・シンドローム」という病気で彼の人生は大きく様変わり。言語療法士が編みだしたコミュニケーションの手段を使って、文章を綴っていきます。「E、S、A、R、I、N……」単語の使用頻度順に並べたボードのアルファベットを読み上げ、ジャン=ドーはまばたきで合図します。


気の遠くなるようなコミュニケーションを繰り返し完成したジャン=ドーによる自伝「潜水服は蝶の夢を見る」。その間彼がまばたきをした回数は20万回!


体が不自由になり彼は初めて自分が今まで子供の為に時間を割いた事がなかった事に気付きます。


体が弱くなってきた88才の父親のお世話をするジャン=ドー。
皮肉にもこの数日後に父親以上の難病と戦う事となります。


これはジャン=ドーの空想。
好きなものを好きなだけ無心に食べるこの食事のシーン。
何だかとってもエロティックです。
食欲と性欲って、直結してるんだな…と不謹慎ながら感心してしまいました。

とても静かに、淡々と描かれた大人の作品でした。
究極の状況にも関わらず意外に茶目っ気いっぱいのジャン=ドー。そんな彼だから、皆に愛されたんろうなあ。(彼の周囲の女達は随分気苦労は多そうですが)

人生なんていつどうなるか分からない。
もっとちゃんと生きなくては。
この作品を観ながらふとそんな事を考えてしまいました。

潜水服は蝶の夢を見る@映画生活
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ジョン・レノンを撃った男

2008年07月10日 | ★★★



ジョン・レノンを撃った男
おすすめ度
原題:HE KILLING OF JOHN LENNON
製作:2006年 イギリス
製作:ラカ・シン
監督・脚本 アンドリュー・ピディングトン
出演:ジョナス・ボール J・フランシス・カーリー ニコール・デロリー ソフィア・ダブロウスキー トーマス・A・マクマホン

少し前に観た「チャプター27」と同じテーマの作品。ジョン・レノンを暗殺したマーク・デイヴィッド・チャップマンを題材にした「ジョン・レノンを撃った男」です。

1980年12月8日。ジョン・レノンはオノ・ヨーコと共にスタジオへ向かう途中、ファンの男に差し出された「ダブル・ファンタジー」のジャケットにサインをする。数時間後、この男に5発の銃弾を撃ち込まれ、彼は間もなく死去。犯人の名はマーク・デイヴィッド・チャップマン(25歳)。彼は何を想い、そしてなぜ世界的なスターを殺害したのか。事件当初から様々な報道が飛び交い、チャップマンの本当の姿を知るものは少ない。本作は言動、ロケーションを出来る限り忠実に再現し、観る者と共に、犯人の心の闇とあの日起きてしまった紛れもない「真実」に迫る。(作品解説より)

「チャプター27」はチャップマンの3日間をただひたすら追い続けるというものでしたが、この作品はホノルルでの生活、妻、母などチャップマンのバックグラウンドが比較的詳しく描かれています。そういう意味ではこちらのほうが分かりやすくて観易いかもしれません。

取材に基づいたチャップマン自身の言葉を主演のジョナス・ボールが語りながらストーリーが展開していきます。


ホノルル在住時代に、既に彼の奇行は始まっています。



そして、凶器となった銃、リボルバー38口径。
護身用と偽り169ドルで購入。
こんな人がにいとも簡単に買えるなんて…。その事実自体が恐ろしい…。

刑務所に入所し、精神鑑定を受けたり、悪魔払いを受けたりと犯行に及んだ後のチャップマンの様子も描かれていて情報量としては申し分なかったんですが、主演のジョナス・ボールがキレイ過ぎるのがどうも気になりました。役に近いという意味では、ジャレッド・レトの方がハマってた気がします。

私には一生かかっても、このマーク・デイヴィッド・チャップマンという男について理解する事は出来ないと思うし、これを観てやっぱり嫌悪感しか残りませんでした。

でも「乗りかかった船」には乗っちゃうタイプなんですよねえ…。
何しろドMなので。


前田有一の超映画批評



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