徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

セレブの種

2008年01月31日 | ★★



セレブの種
おすすめ度
製作:2004年 アメリカ
製作:プレストン・ホームズ スパイク・リー フェルナンド・サリシン
製作総指揮:ジャン・カゼ ジャメル・ドゥブーズ
原案:マイケル・ジェネット
脚本:マイケル・ジェネット スパイク・リー
監督: スパイク・リー
出演: アンソニー・マッキー ケリー・ワシントン エレン・バーキン モニカ・ベルッチ ウディ・ハレルソン ジョン・タートゥー

「インサイドマン」でお馴染みのスパイク・リー監督の「セレブの種」です。社会派なイメージのある監督さんで何となく観た作品でした。

主人公ジャック(アンソニー・マッキー)は製薬会社に勤めるエリートです。ある日同僚の博士の自殺を機に企業の不正を知ります。思い切って内部告発をしますが、それが原因で会社をクビになり、口座も凍結され生活は一変。そんな彼の元にかつての婚約者フェティマ(ケリー・ワシントン)が訊ねてきます。実は彼女はレズビアン。今付き合っている恋人と一緒に子供を産んで育てたいというのです。そこで彼に「種付け」の依頼をしてきたのです。戸惑いながらもジャックはそれを引受けてしまいます。やがてその噂が口コミで広まり、フェティマは1回1万ドルの「種付けビジネス」をジャックに持ちかけます。

うーん。
企業の不正、内部告発、人種差別、同性愛などテーマがてんこ盛り。
1人の人間にこれでもかという程色々な問題が起こります。
個人的には消化不良で胃もたれしちゃいました。(けふっ。)
コメディなのか社会派ドラマなのか・・・。
結構評価が高かったので期待しすぎちゃったみたいです。
残念。


セレブの種@映画生活
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真夜中のカーボーイ

2008年01月30日 | ★★★★




真夜中のカーボーイ
おすすめ度 
原題:Midnight Cowboy
製作:1969年 アメリカ
制作: ジェローム・ヘルマン
監督:ジョン・シュレシンジャー
脚本:ウォルド・ソルト
出演:ダスティン・ホフマン ジョン・ヴォイト シルヴィア・ミルズ ジョン・マクギバー ブレンダ・ヴァッカロ

御年 70歳になるダスティン・ホフマンが20年ぶりの来日を果たしたという事でDVDの棚から引っ張り出してみました。「真夜中のカーボーイ」です。久々のアメリカン・ニューシネマです。

ジョー・バック(ジョン・ヴォイト)は、自分の体ひとつで、セレブ相手に一攫千金を夢見てテキサスからニューヨークへ出てきます。まず最初に彼が「仕事相手」に決めた女性はキャス(シルヴィア・マイルズ)。でも彼女自身も娼婦だった為、逆にお金を巻きあげられてしまいます。所持金も少なくなり落ち込むジョーに脚の悪いペテン師ラッツオ(ダスティン・ホフマン)が声を掛けてきます。「この商売はマネージャーが必要だ」という彼の言葉を信じ、紹介されたオダニエル(ジョン・マクギバー)会いに行きますが、なんと彼は「男性専門」だったのです。だまされたと気づいたジョーは、必死に彼を探し当て問い詰めますが、最後にはラッツォに同情してしまい結局何も言えませんでした。行くあてのない事を悟ったラッツオはジョーに自分の部屋へ来るように誘います。

言わずと知れた名作。観て今更なにもいう事はありません。

いいですねえ。しょっぱいです。やっぱりいいです。5年ぶりくらいに観ました。ダスティン・ホフマン若いです。若さ故(?)に暴走する若者。悲しい最期。退廃的なこの感じがたまりません。ダスティン・ホフマン演じるラッツォがどこまでもみじめで悲しくていいです。テーマ曲のニルソン「噂の男」。これまたいいですねえ。絶妙なタイミングで流れるこの曲。心に残ります。

気のいいバカ(失礼)が必死にもがく姿が悲しくて、切ない。けど愛しい。何度観ても何とも言えない気分にさせてくれます。いやー。「男の友情」っていいですね。「●ルマゲドン」は苦手ですが、この作品は大好きです。


真夜中のカーボーイ@映画生活
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名もなきアフリカの地で

2008年01月29日 | ★★★





名もなきアフリカの地で
おすすめ度
原題:Nowhere in Africa
制作:2001年 ドイツ
製作:ピーター・ヘルマン
監督・脚本:カロリーヌ・リンク
原作:シュテファニー・ツヴァイク
出演:ユリアーネ・ケーラー メラーブ・ニニッゼ レア・クルカ カロリーネ・エケルツ マチアス・アビッシュ

シュテファニー・ツヴァイクの「Nirgendwo in Afrika(Nowhere in Africa)」と、「Irgendwo in Deutschland(Somewhere in Germany)」の2つの自伝的小説を映画化した「名もなきアフリカの地で」です。

1938年ドイツ。ナチス迫害が激化する中、イエッテル(ユリアーネ・ケーラー)と幼い娘のレギーナ(レア・クルカ)は、夫ヴァルター(メラーブ・ニニッゼ)の待つケニアの農場へ移住します。しかし、文化や生活習慣が全く異なるアフリカでの生活は、イエッテルにとって耐え難いものでした。その上、ドイツに残してきた家族にも危機が迫っていることを知り、苛立ちは募る一方です。小さないざこざが耐えない夫婦の間には次第に不穏な空気が漂いはじめます。そんな中、レギーナは少しづつアフリカの暮らしに慣れていき料理人のオウア(シデーデ・オンユーロ)をはじめ村の人々と心の交流を深めていきます。

ナチス関連の作品は度々目にしますが、亡命した先での生活が描かれた作品を観るのは初めてでした。しかも舞台はアフリカ。とても興味深い切り口でした。登場人物の心の動きが静かに、丁寧に描かれています。

ドイツで生まれドイツ文化の中で生きてきた家族ですが故郷はドイツでも、ドイツ人ではない。英国の教育を受けても英国人ではない。この作品を観ているとアイデンティティーってなんだろう。と考えてしまいます。戦地にいなくても戦争は様々な形で人を傷つけます。凄く残酷だなー。と、改めて感じました。

慣れない仕事に就き「男のプライド」を傷つけられる父。文化的で「安定した生活」を求める母。そんな大人たちを尻目に屈託のない笑顔でアフリカ生活に溶け込み、逞しく生きる娘の姿にキュンとします。オウア役のシデーデ・オンユーロのナチュラルな演技は優しく不思議な存在感があり、レギーナとのシーンが微笑ましく、癒されます。

私のお気に入りのひとつ「点子ちゃんとアントン」にも出演していたユリアーネ・ケーラーも良い塩梅。乾いて荒れ果てたアフリカの地と対照的な艶っぽい美しさ。同性なのに思わずドキッとしてしまいます。

原作の小説は、相変わらず未読ですが、是非読んでみたいと思います。

名もなきアフリカの地で@映画生活
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めぐみ-引き裂かれた家族の30年

2008年01月28日 | ★★★



めぐみ-引き裂かれた家族の30年
おすすめ度
原題:ABDUCTION: THE MEGUMI YOKOTA STORY
制作:アメリカ 2006年
制作:ジェーン・カンピオン
監督:クリス・シェリダン パティ・キム
出演:横田滋 横田早紀江 増元照明

北朝鮮拉致被害者家族の横田夫妻の30年間を収めたドキュメンタリー作品「めぐみ-引き裂かれた家族の30年 」です。監督は、夫婦でジャーナリストのクリス・シェリダンとパティ・キムがつとめています。外国人がこの問題を扱うことで更に国際的に拉致問題が知られる良いきっかけとなりました。

1977年11月15日、新潟に住む横田めぐみさん(当時13歳)が下校途中に突然姿を消します。警察の捜査が始まります。捜査は難航し、めぐみさんのご両親、横田滋さん、早紀江さんも、めぐみさんを探しますがが手がかりは得られません。2年後、日本海側でのアベック失踪事件の記事を目にした早紀江さんは、娘も同様の事件に巻き込まれたのではないかと考えるようになります。そして、事件から20年後の97年、北朝鮮元工作員によって、めぐみさんが北朝鮮に拉致されたことが判明します。

この作品、ワイドショーなどでもかなり取り上げられ、公開当時かなり話題になりました。この問題。小泉元首相が訪朝するまで国際的にはほとんどは知られていなかったそうです。(かくいう私もそうでした。恥!)

過去のニュース、横田氏が撮影した愛娘の写真が散りばめられた映像はどこか叙情的で美しく、そして悲しかったです。とくにめぐみさんの子供の頃の家族写真からは、愛情が溢れていて見るのが切なくて仕方ない。

横田夫妻の講演中にある女性が、「60年前に日本が朝鮮にした非道な行為についてどう考えているか」と問われる場面も妙に心に残りました(まったく異なる問題だと思うのですが・・)。活動を続ける中でこうした批判(?)を受けることもあるんですね・・・。

今でも様々な活動を続けられるご夫妻。すでに70歳を超える高齢になられたお二人がご存命のうちにめぐみさんの真実が明らかになることをお祈りします。


めぐみ-引き裂かれた家族の30年@映画生活
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赤いアモーレ

2008年01月28日 | ★★★




赤いアモーレ
おすすめ度
原題:Non Ti Muovere
制作:2004年 イタリア
制作:リカルド・トッツィー
監督:セルジオ・カステリット
原作:マルガレート・マッツアンティーニ
脚本:マルガレート・マッツアンティーニ セルジオ・カステリット
出演:ペネロペ・クルス セルジオ・カステリット クラウディア・ジェリーニ アンジェラ・フィノチアーノ マルコ・ジャリーニ

外科医の男と貧しい女性との不倫愛を描いた作品「赤いアモーレ」。セルジオ・カステリットが監督・脚本・主演の3役をつとめています。原作は監督の妻マルガレート・マッツアンティーニの小説「動かないで」です。

ある雨の日バイク事故を起こした少女が病院に搬送されまてきます。その少女は同病院で外科医を務めるティモーテオ(セルジオ・カステリット)その娘でした。瀕死の娘を目の当たりにしたティモーテオですが、ふとイタリア(ペネロペ・クルス)との愛の日々を思い出すのでした。

ティモーテオは地位も名誉もありますがどこか影のある男です。イタリアは貧しくやはり愛に飢えています。そんな2人が惹かれあうのは自然なことなのでしょう。ティモーテオはイタリアを愛していたのだととは思いますが、その愛はエゴイスティック。正直最初はどん引きでしたが、癒しあうかのように時間を共有するふたりを見ていると段々切なくなってきました。

汚れメイクで熱演しいるペネロペ・クルスがすごいことになっています(笑)愛する人の生と死の間を機にひとりの男が再出発する物語。期待以上の良品でした。


赤いアモーレ@映画生活
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少女ヘジャル

2008年01月27日 | ★★★★


少女ヘジャル
おすすめ度
原題: BUYUK ADAM KUCUK ASK/BIG MAN, LITTLE LOVE/HEJAR
制作:2001年 トルコ
制作・監督・脚本:ハンダン・イペクチ
出演:シュクラン・ギュンギョル ディラン・エルチェティン フュスン・デミレル ユルドゥス・ケンテル

爺さん&子供モノ。いけません。こういう設定は。大抵ハマってしまいます。トルコ語しか話せない老人とクルド語しか話せない少女のちょっと良い話「少女ヘジャル」です。

トルコの内紛で孤児になった少女へジャル(ディラン・エルチェティン)。その後親戚の家へ預けられますが、クルド人分離独立派の拠点地だった親戚一家は、突入した警官に殺されてしまいます。奇跡的に生き残ったヘジャルは、アパートの隣家に逃げ込むと、そこは75歳の元判事ルファト(シュクラン・ギュンギョル)が居ました。クルド語しか話さない頑固なヘジャルを疎ましく思うルファトでしたが、いつしか心を通わせるようになります。

ちょっと「アルプスの少女ハイジ」的な匂いのするこの作品。頑固な爺さんと少女のハートウォーミングなお話に私が嫌いなはずはありません。ただ、ハイジと大いに違うのは、人種差別という大きな社会問題がテーマになっているところです。正直この作品を観るまでクルド人問題なんて今まで気にした事がありませんでした。本国トルコではかなりデリケートなテーマだそうで、公開されるや否や一時上映禁止になったという問題作。

クルド人問題は未だ解決していませんが、いつか皆が平穏に暮らせる日がくることを願います。


少女ヘジャル@映画生活
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サバイビングピカソ

2008年01月26日 | ★★★★


サバイビング ピカソ
おすすめ度
原題: Surviving Picasso
製作年:1996年 アメリカ
制作:イスマイール・マーチャント デイヴィッド・L・ウォルパー
監督:ジェームズ・アイヴォリー
脚本:ルース・プラヴァー・ジャブヴァーラ
出演:アンソニー・ホプキンス ナターシャ・マケルホーン ジュリアン・ムーアジョス・アクランド ピーター・アイアー

伝記モノです。アンソニー・ホプキンスがピカソを熱演した「サバイビング ピカソ」。生涯7人の女性を愛したピカソの愛人のひとりフランソワーズ・ジロー目線で描かれた作品です。

舞台は1943年のパリ。22歳の画学生フランソワーズ・ジロー(ナターシャ・マケルホーン)は、61歳の天才画家パヴロ・ピカソ(アンソニー・ホプキンス)とあるレストランで出会います。38歳の年齢差を越えて彼を愛する事をきめたフランソワーズ。しかしピカソには長く別居中のロシア人の妻オルガ(ジェーン・ラポテア)以外に、2人の愛人マリー=テレーズ・ワルテルと芸術家であるドラ・マール(ジュリアン・ムーア)がいることを知ります。


ピカソの自由奔放、波乱万丈な生き様はまさにザ・芸術家。
そんな生き方と同様、作品も目まぐるしく変化します。
素晴しい芸術家だと思いますが、自分の人生には絶対関わってほしくない人だな~・・・。

マチス、ブラックなどの芸術家との交流、彼を支えた女性達とのエピソードなどがとても分かりやすく表現されいましたが、これを観て興味がわいたのはピカソ自身より、むしろ彼を愛した女性達でした。

今回特にクローズアップされていたのはフランソワーズ・ジロー。なんでも、ピカソを「捨てた」女性は彼女ただ1人だったそうです。なので個人的にはあのラストに小さなカタルシスを感じました(笑)金銭的にも、女としてもピカソに頼らず自立した女性だったフランソワーズ。素敵すぎます。

1921年生まれの彼女は今年で87歳。まだご存命なのでしょうか?芸術家としてもちゃんと評価され、のちに結婚もされたそうです(2回)。ピカソの下を去った後も彼女は彼女であり続けたんですね~。

楽しめました。


前田有一の超映画批評



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あけましておめでとうございます。

2008年01月26日 | その他
あけましておめでとうございます。
寝言ではありません。
2008年初のアップです。
髭ダルマLOVEです。

リハビリのように地味ーに再開させていただきたいと思います。
毎日!
といいたいところですが
どうでしょうか・・・・(遠い目)

こんなテキトーな私ですが
今年も宜しくお願い致します。