4/1からいよいよ「ワンセグ」が始まるって事で、ケータイだけでなく、PCやカーナビ
(松下・三洋)なども対応機種が出て、なんとか少しずつ盛り上がってきたようです。
僕は昨年
最初の対応機種を入手して、ぼちぼちと試したりしてましたが、試験放送自体がまだまだで、とても評価できるレベルでは無いなぁ~と保留してました。(そーですレポート面倒だっただけですゴメンナサイ)
ここに来て、
ミズタマのチチさんの、
ワンセグの基礎知識固めと、派生して考えられること。と
ニセモノの良心(孝好さん)の
「ワンセグデータ放送検証開始」を読んで、たまには真面目に書いてみようかと…
以下、チチさんからの引用です。(改行しました)
> ワンセグはこれまでの放送のように、免許を持った放送事業者が
> 専門スタッフの手で制作されたコンテンツを流していきます。
> マス媒体のテレビ放送がその性格を持ったまま進化する様子。
> 広告的な役割でいえば、「認知の促進」という機能があり、さらに
> ユーザーが体験もできる可能性をもつことになります。
> また、オンデマンド放送のようなこともできるといいます。
> これにより、放送時間帯に縛られない視聴や、よりきめ細かい
> ニーズに対応したコンテンツが作れるといいます。
ワンセグの放送内容は、当面地上波のサイマルとなります。
要するに今地上波で放送してる内容を、CM含めてそのまま流すことしか出来ないってのが放送法で決められちゃってるからどうしようもない訳です。(実際に見てみると、微妙にタイミングがずれてます。これがエンコード・デコードに因るタイムラグなのかは不明)
この縛りが無くなるのが2008年、サイマル縛り解除だけでなく、ワンセグ免許の更新となってた筈。(記憶モード)
県域免許の縛りがどうなるのかは判りませんが、この時に地デジ対応で経営がやばくなっている地方局なんかは、ワンセグ免許を手放すのではないか?
その時に手を上げるのがどこか?というのが、ワンセグ関連ネタで一番興味深い部分だと僕は思っています。
例えば、トヨタ。
G-Bookなど、カーナビとネットワークの連携の中で、ワンセグ放送を自前で持つのがメリットになるかどうか判断が難しいところですが、凄くやりそうな感じがします。
まあ、名古屋や東海エリアの地方局さんは結構強いので手放さないかも知れませんが…
あと、流通系。
7&iも欲しいでしょうね~>自前のテレビ局。
携帯キャリアとかも欲しがるかもしれないけど、通信会社は買わせてもらえないかも知れないですね。
実際には放送局さんも、よっぽど経営がヤバく無い限り、金の卵を産む鶏を手放そうとは思わないでしょうけど。
いずれにせよ、今の所準キー局でも、まずは地デジの充実が最優先事項で、ワンセグは興味はあるけど人的リソースが間に合わない、社内の意見調整(編成・技術あたりか)が大変で手をつけるに至っていない、という印象を受けます。
(だからインデックスが入り込む余地がある訳ですが、危険だと思わないのか?>放送局)
最近思うのは、多チャンネル化とか叫ばれて長い事経つけど、やっぱり地上波は強いなぁ~、圧倒的ジャマイカ!って事です。
あと、放送と通信の融合っていうのは、ユーザーサイドでダブルスクリーンという形で実用化されている(アテネ五輪で検証されたように)ので、端末レベルではあまり重視されていないのではないか、という事ですかね。
> まずは、インフラ使用料の問題。
ワンセグは、電波を使った「放送」であり、データ部分も最初のパッケージは同じく放送にて端末に送られています。
従って、「インフラただ乗り」論は当てはまらないと思われ。
逆に、当初携帯キャリアは、本来「通信」でパケットに対して課金されていた端末占有時間を奪われるという懸念を持っていました。
しかしながら、この論議もデータ定額制を始めているキャリアにとっては、むしろ通信インフラを使用してくれないほうが設備投資が助かる、という側面を持つため、一面的に語ることは出来ません。
定額制が普及してしまう(auは既にそのフェーズに突入しつつあるようですが)と、通信そのもので利益を上げられない、課金の発生しない通信ならしてくれないほうが有り難い、って訳です。
データ放送について、放送局の思惑としては、最初に放送で送られるパッケージから、放送局のデータ放送を見せ(一次リンク)、そこからインターネットへの外部リンク(二次リンク)を開く、という流れで固めたいというのが本音でしょう。
ちなみにこの「一次リンク」「二次リンク」という概念の指す範囲が理解できず困っていました。
最初は「放送」されたBML内のみを閲覧するのが一次リンクだと思っていましたが、どうやら戻り回線を使用しても、放送局のBMLサーバ内のデータを閲覧している限りは一次リンクと規定されているようです。(ここで戻り回線を使う時点で、実質は通信に移行しています)
そこからインターネット側に出てHTML(ケータイなのでC-HTMLとかですけど)に入ると二次リンクになる、という事らしいです。
放送局さんとしては、技術とか放送と通信の区別ではなく、一次リンク内は放送と一体化したコンテンツとして責任を持つけど、二次リンク以降は知りませんよ、という責任論のような気がしました。
それはともかく、二次リンクであるインターネットについても、放送局の公式サイトに行って、課金ビジネス(着メロなど)に繋げたいっていう意気込みはある訳で、それが
テレ朝・KDDI提携なんかに結実したって訳ですね。
とにかく自分の所で囲い込んでお金を落としていって貰いたいのです。(当然だ
しかし、広告・宣伝の観点から言うと、最初のデータ放送から直接クライアントのサイトにリンクしてもらえるほうが歩留は上がるので、放送局の管轄からは早く出して欲しいのは当然な訳で。
当初は、ワンセグ・データ放送から直接HTMLへのリンクは禁止!なんて話もあったりして、そりゃないぜ、ベイベーだったんですけど、流石に最近は変わってきたのかな?
しかしですね~
結局みんな考えてる事は、放送⇔通信の中だけで完結しようって話でしかない所がつまんないです。
公式サイトで課金ビジネスとか、せいぜい通販番組と連動してEC…そんな過去にデータ放送でやろうとして失敗したことの繰り返し…
ニセモノの良心(孝好)さんが看破されてるように
> 要はデータ放送でやりたかったことを全部ワンセグ側データ放送で取り戻そうとしてるのだ。
て事に過ぎません。
勿論、インフラ整備やユーザーの意識変化などに比べて早過ぎた故の失敗もあったかもしれませんが、根はもっと深いんじゃないの?とも思っています。
せっかくケータイなんだから、もっとリアルと繋がっていけばいいのに…てな事を考えてる人はいっぱいいるんでしょうけど、なかなか難しいですね。
あと、この話って今週の
日経ビジネスなどにも絡んで行きたいのですがちょっと時間切れでまとめきれませんでした。
色々モヤモヤしてるのでこの項は続きます。多分…