遊月(ゆづき)の日々これ修行なり~

パワースポット研究家(おたる案内人)でセラピスト遊月のブログ
【パワースポットニッポン(VOICE)北海道担当】

月から来た女神(前編)

2018-12-02 18:11:40 | 遊月作ファンタジー物語
メルマガに掲載したプチファンタジーをこちらにも載せます。
これは2018年11月25日発行のメルマガに掲載しました。




プチファンタジー~月から来た女神

2012年4月に京都に行きました。
下鴨神社、上加茂神社、蚕ノ社を巡り、その途中で不思議な体験をしました。そのことを物語に書いたので、メルマガに載せようと思ったのですが、
メルマガに載せるには長いし、短く切ると、退屈な箇所も出てきちゃうので、概要だけをファンタジー風にお伝えすることにしました^^


 ★───────────────────☆

月から来た女神(概要前編)

長いこと気になっていた場所にどうしても行きたいとの強い思いから、下鴨神社、上加茂神社に続き、帰りの飛行機までのわずかな時間を利用して蚕ノ社のある太秦までやってきた。

地図によれば花園駅から徒歩七分。駅の前の通りをまっすぐ進み、川があるのでそこから左折してすぐ、のはずだった。
考え事をしながら歩いていくと、雙ヶ岡古墳という看板が目に入る。
住宅地の中に忽然と現れた目の前の山が古墳だと気が付いて驚く。

北海道にも古墳は存在するが、どちらかといえば遠い時代の忘れ物という雰囲気ですでに自然の一部になっているのだが、京都の古墳には今なおそこに誰かの意識が存在するような濃密な空気があって生々しかった。

そこまでで十五分ほど過ぎていたので地図で確認すると、古墳は曲がるべき川をはるかにこえた位置にあった。
とにかくもと来た道を急いで戻った。

半分くらい道を戻ると足元の水路が目に入る。それは地図に記された川の位置にあった。
ジャンプすれば渡れてしまうほどの水路に川という名前がついていることに驚きつつ、急いで川沿いに蚕ノ社に続く道へ方向転換する。

今度は間違えないように地図を見ながら歩いているのに、ふと見ると蜂岡町という看板がある。
南へ行くはずがいつの間にか西にずいぶん進んでしまっていた。
ぜんぜん蚕ノ社に近づけないと泣きたくなり、引き返して歩いているともうひとつ古墳に出会ってしまった。
なぜまた道に迷いそこで古墳を見るのだろうと戸惑いを感じた。

蛇塚古墳。
その文字を見たとき、突然不思議な光景が頭の中に広がっていった。

床一面に蛇が群れている四角い石室の中で、蛇に巻きつかれ身動きの取れず
苦しんでいる、人の形をとどめていない無残な姿の存在。
その人からただひたすらに誰かを恨み絶望しているのを感じた。

はめられた、あの男に。
あの男がかけた呪いで長い間こんな目にあってしまった。
憎い、あの男が憎い。

その存在は古墳の真の主ではなく、エネルギー的に縛り付けられているだけだと感じた。

目が合ったような気がしたとき、か細く「わたしを助けて」そう呼びかけられた気がした。
助けてあげたくても、その人を救うすべをわたしは知らない。
「ごめんなさい。わたしにはその呪いを解く方法がわかりません。
だけど、その呪いはとても古くて、あなたを縛っている鎖のようなものはもう朽ちて、あなたが抜け出そうと思えば、その場所から抜け出せるような気がします」
そう告げると、わたしは急いでいるからとその場を立ち去った。

不思議な幻想だった。蛇塚という当時とは違うであろう名で呼ばれることもなぜか哀れな気がして、『不当な扱い』という言葉がいつまでも耳に残った。
その後親切な人に連れられて帷子ノ辻駅までくることができ、そこから蚕ノ社駅に行くことができた。駅の目の前にその神社はあった。
神社の中は不思議な気が満ちていた。森はあるが、そこまでパワーは強くなく、本来はもっと神聖な気が満ちているはずなのにと漠然と思った。

神社の御祭神に女神様らしき存在はいないのが、なぜか強く女神さまが祭られているはずと感じていて、実際に足を踏み入れてみて、やっぱり女神様がここにいたはずだと感じた。

本来は池だった場所に三柱鳥居が立っていた。
本来は、本来は、その言葉がなぜか何度もわいてくる。

本来は古いこの木々のエネルギーは長老のように堂々としていて、宇宙に鳴り響くほどの大きな低音の振動をどんどんと放っているはずなのに、ひどく痛んでいて下を向いている。
本来はこの池は清らかな水で満たされていて、清々しい気をたたえているはずなのに水は涸れている。
本来はこの三つの柱の中央に宇宙の中心から神の気がまっすぐ降りてきてこの国の中枢のひとつとなるはずだったのに、今は遮断されているのか弱弱しい気しか感じない。
本来はここに美しい女神が祭られていて、満月の夜に豪華な宴があったはずなのに、今は女神の姿が見受けられない。

そう思って見上げた空に真っ白な月が出ていた。


後編に続く
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