*血管強化・血圧上昇抑制効果*
パプリカは、とても色鮮やかな赤、黄色、オレンジなどのカラフルな彩りをした野菜で、
学名は唐辛子やピーマンと同じですが、品種が違います。ピーマンは辛味の無いトウガラシですが、パプリカは肉厚で柔らかく甘味があるのが特徴で、生で食べたり、サッと火を通して食べます。
最近注目の栄養素「ビタミンP」がこのパプリカにはとても多く含まれています。新しいビタミンと思われがちですが、ビタミンPの発見は意外に古く、1936年にハンガリアの生化学者によって発見されています。
このビタミンPは、「フラボノイド類」「ルチン」「ヘスペリジン」などの総称で、「フラボノイド」と呼ばれることの方が今まで一般的でした。ビタミンPの”P”は英語で浸透性を意味する「Permeability]の頭文字を取ったという説が一般的ですが、実は「パプリカ」の頭文Pから取ったものとも言われています。パプリカは、このフラボノイドの仲間の化合物を豊富に含んだビタミンPの宝庫で、ハンガリア料理には不可欠の野菜です。
ビタミンPの素晴らしい働きとは・・・
1、
毛細血管を強化する・・これがビタミンPの主な働きです。毛細血管の透過性を保ち、血管の壁を強くします。体の中を流れている血管がドロドロだと、体に負担を与えます。血栓が出来る、体がだるくなる、すぐに眠くなる、頭がすっきりしないなど、そのほとんどが現代病の原因となると言っても過言ではありません。
食べ物の効用の宣伝文句の中に「○○は血液をさらさらにする」とよく聞きますが、血液をさらさらにするだけでなく、血管を強化することはさらに大切な事です。
2、
血圧上昇を抑える・・血圧が上がる原因の一つに、血管の収縮をコントロールする酸化窒素が活性酸素と結合して働かなくなり、血管が収縮したままになってしまうことがあります。これを防止する働きは、ビタミンCにもありますが、ビタミンPにもまた活性酸素を除去する働きがあるので、ビタミンCの働きを助け、血圧上昇を抑えます。
3、
血中中性脂肪の分解・・・マウスを2つのグループに分け、普通の餌と、ビタミンP入りの餌をそれぞれ1ヵ月与え続けたところ、ビタミンP入りの餌を食べたグループは、普通の餌を食べたグループに比べて約30%も中性脂肪が少なくなっていたとのデータがあります。
4、
ビタミンCの安定化・・・ビタミンCは非常に壊れやすいビタミンですが、ビタミンPには不安定なビタミンCを安定させる力があります。威力がアップしたビタミンCは強敵の活性酸素をみごと撃退し、血圧は一定に保たれます。さらに細胞組織をつなぐコラーゲン生成に必要なビタミンCを補強してくれることで美肌効果がアップし、ビタミンCの多様な働きを強化します。
パプリカは国産ものが最近多く出回るようになり、家庭でも簡単に調理できる食材です。食卓に華やかな彩を添えるだけでなく、血管強化に役立つならば、たくさん食べたいものです。
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