映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

ウォンテッド

2009-08-31 14:43:12 | ★★★☆☆☆☆☆☆☆
監督ティムール・ベクマンベトフ
キャスト ジェームズ・マカヴォイ、アンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマン、テレンス・スタンプ、トーマス・クレッチマン
2008年 アメリカ、ドイツ
ジャンル:アクション、サスペンス

【あらすじ】
ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)は、自分の人生の何もかもにウンザリしている平凡な若者。変化のない仕事には行き詰まり、ガールフレンドは彼を捨て親友のもとへ去ってしまう始末。彼には、人生の不運に耐え抜くための「何か」が欠如しているのだ。 しかし、謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)との出会いにより全てが激変する。 ギリシャ神話の時代から、神に代わって「運命の意志」を実践してきた秘密のフラタニティ(暗殺組織)の王位継承者が、なんと彼自身であると云う・・・。

【感想】
想像していた以上の馬鹿映画でした。

特に映像に品位のかけらもない。「マトリックス」の影響を受けていますが、非常にセンスが悪いように感じました。

体力回復する風呂、カーブする弾丸、殺す標的を決めるのが織り機、あやとりするモーガン・フリーマン等など思わず失笑してしまうポイントは多いです。
それから主人公の影が薄いので実質的な主役はアンジェリーナ・ジョリーです。決して主演を食うような存在感を示したり快演をしているのではなく、商業的な都合でそうなっているだけといえるでしょう。

内容にも少しだけ触れておきますが、主人公の性格が掴みどころがないです。父親の血を引いているというわかりますが、突然会社の上司をぶん殴ったり恋人にひどい態度を取るのは理解できないし、誰も共感しないでしょう。

またこの映画にはどんでん返しがあります。普通に終わるのかと思っていたら情勢が180度反転します。これには意表をつかれました。唯一の褒められる点でしょう。ただしそこでアンジェリーナ・ジョリーの取った行動はあまりに奇妙で、結果として主役が全く活躍しないまま終わることになってしまったと思います。

最後までアンジェリーナ・ジョリーが影の主役でした。

お薦め度:★★★☆☆☆☆☆☆☆

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アイ・ラブ・トラブル

2009-08-30 15:00:15 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 チャールズ・シャイア
キャスト ジュリア・ロバーツ、ニック・ノルティ、ソウル・ルビネック、ジェームズ・レブホーン、ロバート・ロジア、オリンピア・デュカキス
1994年 アメリカ
ジャンル:サスペンス、ロマンス、コメディ

【あらすじ】
シカゴの人気コラムニスト、ピーター(ニック・ノルティ)は、臨時記者として列車転覆事故の取材に赴いたところ、そこで新米記者サブリナ(ジュリア・ロバーツ)と出会い、互いにライバル意識を燃やしながら事件の調査を続けていくうちに、ふたり揃ってとんでもない陰謀と殺人のトラブルに巻き込まれていく。

【感想】
ニック・ノルティとジュリア・ロバーツのコンビについては最初は無理がある組み合わせだと思っていましたが、コミカルかつ軽いノリで雰囲気的に悪くなかったと思います。ニック・ノルティ=シリアス、ジュリア・ロバーツ=コミカル路線の印象が強いですが、後者に合わせたようです。強く印象に残るというものではありませんが、映画を見ている間はそれなりに楽しめるかなと言ったところです。

この二人はスクープを狙うお互いライバルの新聞記者という設定です。ある事件をきっかけに二人は知り合い、最初は対立しながらも、徐々に事件の真相が明らかになるにつれ、お互い協力するようになり、結果として仲が進展するというおきまりのパターンです。この映画ならではの特徴はありませんが、2時間ドラマとしては王道である分、安心して観れる内容です。

サスペンス、ロマンス、コメディがミックスされたような映画ですが、前半はコメディ、中盤でロマンスが始まり、ラストはサスペンス色が強くなるという構成だったと思います。コメディやロマンスについては悪くないと思いましたが、サスペンスの部分が緊張感がなくシナリオ的にも単調になってしまったのが残念でした。ジュリア・ロバーツメインの映画にしてしまったために、反動としてニック・ノルティのいつもの癖の強さが感じられなかったです。個性を生かしきれなかったともいえるでしょう。

主演二人のコンビによる良い面と悪い面がはっきり出てしまったように感じました。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀

2009-08-29 19:43:18 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ウィラード・ハイク
キャスト リー・トンプソン、ジェフリー・ジョーンズ、ティム・ロビンス、ポール・ギルフォイル
1986年 アメリカ
ジャンル:SF、ファンタジー

【あらすじ】
27歳の独身アヒル・ハワードは、思わぬアクシデントで地球へ飛ばされてしまう。途方に暮れる中、彼はチンピラに絡まれている少女を目撃し…。

【感想】
この映画に対して本格的なSF映画と比べると質が落ちるとか言う類のレビューは間違っている。

そういう人たちには「アヒルが主人公張っている段階で気づけよ」と言いたくなります。馬鹿馬鹿しさが面白いのであって本格SFを期待する方が悪い。別の惑星に住んでいるアヒルがいきなり地球に吸い寄せられるという強引な展開ですが、これに文句があるのなら最初からSFには向いていないです。地球に来る段階で大気圏の摩擦で燃え尽きてるなんて考えてはいけません。

シナリオはともかく演出は上手だったというのは私の感想です。上手というよりは「結構、金をかけているな」と言った方がいいのかもしれません。激しい爆発や乱闘、車や飛行機でのアクションはそこそこ派手で頑張っていました。

主人公のアヒル(ハワード)それまでの人生に疲れたような発言があったりと決して正義感が強いわけではありません。むしろ人間に酷い仕打ちを受けて人間を良く思っていませんでした。それがヒロインと仲良くなり、いつのまにか登場したエイリアンを倒してしまうのです。このために元々住んでいた星に帰ることはできなくなりましたが、すっかり地球での生活に馴染んでいる所で話は終わります。ベタですが、微笑ましい内容でした。

辻褄の合わない事は多いですが、その分非常に映画的であることは悪くないと思います。
とはいえ、製作総指揮がジョージ・ルーカスであることは知らない方がいいと思います(汗)これを聞いてしまうと冒頭に書いたような文句に一気に傾いてしまうかもしれません。

「馬鹿馬鹿しさを楽しめ」それだけです。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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世界中がアイ・ラヴ・ユー

2009-08-28 11:17:58 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ウディ・アレン
キャスト ウディ・アレン、ゴールディ・ホーン、アラン・アルダ、ジュリア・ロバーツ、ドリュー・バリモア、エドワード・ノートン、ティム・ロス、ナタリー・ポートマン、ギャビー・ホフマン
1996年 アメリカ
ジャンル:ミュージカル、コメディ、ロマンス

【あらすじ】
一見何不自由ない生活を送る彼らも、それぞれが少しつづ恋の悩みを抱えていた。そんなリッチな一家とその友人たちをめぐる恋愛ゲームは、やがて意外な結末を迎えてゆく-。

【感想】
教養の高い人を中心に作品の評価は非常に高いが、興行成績は常にパッとしない作品を量産するウディ・アレンが手がけたミュージカルということで非常に興味がありましたが、中々見ごたえのある内容に仕上がっていました。

私もウディ・アレンの映画は昔はくだらないと思っていましたが、成長したのか今では楽しめるようになっています。ただこれを楽しめない人はお子様だというつもりはありませんけど。

内容はダンドリッジ一家、その妻と離婚したウディ・アレン演じるジョー・バーリンらに起こるドタバタ劇が話の中心です。登場する老若男女みんな恋愛をしているというのが原題の「Everyone Says I Love You」につながっています。根底にあるテーマは生きることなのだと感じました。
ただそれだけに本作は非常に登場人物が多いです。(このあたりが興行成績の悪い理由の一つだと思う。)しかしながら、どの人物もしっかりと個性が与えられており、不要だと思われる人物はいないのは評価できると思います。

基本的にダンドリッジ一家は皆、どうしようもない人が多いです。婚約を破棄したと思ったら再び寄りを戻したり・・・。逆にそれだからこそ味があるのだろうなと思います。(そう感じない人も多いでしょう)

ラストのミュージカルシーンをウディ・アレンとゴールディ・ホーンのベテラン二人で締めたのは正解だったと思います。きれいに終わったと思う。空を飛ぶ演出は少々過剰でしたが・・・。

難を言えば、肝心のウディ・アレンの役が年齢的に厳しい。あれは父親というよりも途中で亡くなったじいさんと変わらないです。ゴールディ・ホーンもいい歳ですが、ひと回り上ですから。特にジュリア・ロバーツと恋愛を繰り広げるのですが、絵的に無理がありました。

他のウディ・アレン作品に抵抗がなければ、見て損することはないでしょう。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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ウエスト・サイド物語

2009-08-27 00:01:14 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス
キャスト ナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー、ジョージ・チャキリス、リタ・モレノ、ラス・タンブリン
1961年 アメリカ
ジャンル:ミュージカル

【あらすじ】
ニューヨークのダウン・タウン、ウエスト・サイド。移民の多いこの街では、二つのグループが何かにつけ対立していた。リフをリーダーとするヨーロッパ系移民のジェット団と、ベルナルドが率いるプエルトリコ移民のシャーク団だ。ある日、ベルナルドの妹・マリアはシャークのメンバーに連れられて初めてのダンスパーティに出かける。マリアはそこで一人の青年に心を奪われる。しかし、それは許されない恋だった。彼の名はトニー、対立するジェット団の元リーダーだった……。

【感想】
古典ミュージカルとしては「サウンド・オブ・ミュージック」と双璧をなす知名度かと思われます。

よくミュージカルが苦手という人は「出演者がいきなり踊りだすのが全く理解不能」と言う人が多いですが、この映画はその典型かもしれません。指を鳴らしながら道を歩いている少年達がいきなり踊りだす光景はまさにそれ。その点では癖が強いのは確かなので、楽しむには寛大な気持ちが必要でしょう。

ストーリーは二つの対立する少年グループにおける許されない恋愛を描いたわかりやすい内容となっています。言うまでもなく「ロミオとジュリエット」を現代風にアレンジしたような話です。それだけに起承転結がはっきりしているので退屈しません。具体的にはグループ間の対立、二人の恋愛の盛り上り、取り返しのつかない事件、主人公の悲劇。展開としては4つに分かれると思います。

この映画は大ヒットしましたが、にもかかわらず元々知名度の高かったナタリー・ウッドを除いて本作品の出演者達はこの映画を最後に大した仕事に恵まれることはありませんでした。非常に厳しい世界であることを実感できます。

オープニングで模様のような映像がニューヨークの街並みに切り替わるシーンは驚きました。

以上になりますが、使われている曲も有名なものばかりでその点ではミュージカルとして申し分ありませんが、前述したようにいきなり踊りだすにやや抵抗があるので「サウンド・オブ・ミュージック」と比べると若干敷居が高いのが難点かもしれません。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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DRAGONBALL EVOLUTION

2009-08-26 00:00:01 | ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
監督 ジェームズ・ウォン
キャスト ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム、ジェームズ・マースターズ、チョウ・ユンファ、田村英里子
2009年 アメリカ
ジャンル:アクション、アドベンチャー

【あらすじ】
亡き祖父の遺志を継ぎ、世界中に散らばった7つのドラゴンボールを探す旅に出た孫悟空たちと、絶大な魔力によって世界征服を企むピッコロ大魔王との熾烈な戦いを描く。

【感想】
「ベストキッド5」ってタイトルの方が良かったんじゃないですかね。これ。事態を丸く収めるには・・・。

しかしギャグとしては面白かった・・・。こういう映画はブログネタとしては重宝します。熱烈な鳥山明信者からは激しい怒りが込みあげてくるらしいですが、私はそれほど原作のファンではなかったので大笑いさせていただきました。製作スタッフは単に原作を読んでいなかっただけでしょう。そうに決まっている。さもなくばこのキャラや世界観が生み出されるはずがない・・・。

何から書けばいいのか困るのですが、沢山あって一つの文章にならないので箇条書きにします。

・亀仙人が都心に住んでいる。しかも普通の人格者。
・人間が緑色のペインティングをしただけのピッコロの映像が絵的にきつ過ぎる。しかも全く覇気がない。
・ドラゴンボールを覗くとロード・オブ・ザ・リングの指輪をはめた状態になる。
・キント雲がないので歩いて移動。
・ドラゴンレーダーのデザインがあまりに酷い。サムスンの携帯みたいだ。
・結局、封印の坪をくれたラオウの声の人は誰なんだ?
・悟空が弱そうな白人。主役の風格ゼロ。
・中国人女のチチと青春している。
・田村英里子がにしおかすみこにそっくり。あの元アイドルはまだ芸能人をやっていたということすら知らなかった。
・クリリン 出てこない・・・・。
・死人は亀仙人だけ生き返らせてじいさんはスルー。

まさに「原作涙目」状態でした。全てにおいて破綻していると言ったほうがいいでしょう。続編を示唆するようなラストでしたけど、ジョークであると宣言してもらいたい。

日本人は誰もこれをドラゴンボールとして見ている人は最初からいないと思うのである意味、期待通りだったといえます。落差は少ないので最低映画の称号は免除します。

お薦め度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆

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グラスハウス

2009-08-25 09:42:32 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ダニエル・サックハイム
キャスト リーリー・ソビエスキー、ダイアン・レイン、ステラン・スカルスガルド、ブルース・ダーン、キャシー・ベイカー、クリス・ノース、マイケル・オキーフ、アグネス・ブルックナー
2001年 アメリカ
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】
両親を突然の事故で失った女子高生ルビーと弟レットは、両親の知人グラス夫妻に引き取られ、丘の上の豪邸“ガラスの家”で何不自由ない新生活を始める。しかし、ルビーの心にある疑問が浮かび上がる。友人への電話を盗聴されているのではないか、誰かに覗き見されているのではないか…。

【感想】
リーリー・ソビエスキーという女優さんはあの濃い顔、あの長身、あの肉付きなので映っているだけで異様な雰囲気がいつもムンムンしています。それだけにどちらかと言えばB級映画向きでシリアスなサスペンスにはあまり向いていない気もします。 

本作ではストーリー上全く意味がないと思われる真夜中に水着になってプールで泳ぎ出したりする等サービス精神満載です。(+1点あげましょう)他サイト見ても書いてあるのはこればかり。やはり触れないわけにもいかないです。きちんと映画の質で勝負してもらわないとこちらとしてもまともなレビューが書けないです。

シナリオは二人の子供がいきなり両親を事故でなくすという悲劇に遭遇する場面からスタートします。両親の知人に引き取られるのですが、その目的は両親が残した遺産目当てだったという内容です。
姉は性格的にきつく学校生活に馴染めない、弟はゲームに夢中になるなど世間からはみ出した感のある二人であることが特色です。そのためゲームをくれて喜ぶ弟に対して姉の方はグラス夫妻に対して心を開かず、疑いの目を持つようになります。

ただ真実を知るに至る経過というのが、奥さんが薬漬けなのを目撃したり、テリーに触られたり、電話を盗聴したりするものなので、もう少しひねりが欲しかったところです。どれも証拠としてはあからさま過ぎる。また借金取りのせいでグラス夫妻の犯行もぼやけてしまった。

途中までは、どのような展開になるのか読みにくかったのは良かったですが、話が動き出してからはバレバレだったのが全体的に残念でした。それからあの老けたおばさんがダイアン・レインだったとは思いませんでした。(これを書いていてしりました。)

リーリー・ソビエスキーを眺める映画といえばそれまでですが、時間潰しにはなると思います。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛

2009-08-24 00:32:25 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 アンドリュー・アダムソン
キャスト ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、ピーター・ディンクレイジ、ワーウィック・デイヴィス、セルジオ・カステリット
2008年 アメリカ、イギリス
ジャンル:アドベンチャー、ファンタジー、シリーズ

【あらすじ】
“伝説の4人の王”として、ペベンシー兄妹が築いたナルニア国の黄金時代から1300年。今や戦闘民族のテルマール人が支配するこの国では、先王の弟ミラースが摂政を務め、正当な王位継承者であるカスピアン王子の暗殺を企てていた。危機一髪で城から脱出したカスピアン王子は、逃げ込んだ森の奥深くで、迫害の末に息を潜めていたナルニアの民たちと出会う。

【感想】
前作は低年齢層向けのファンタジーという印象が強かったですが、2作目となる本作は適度にシリアスかつ激しい戦闘シーンで対象年齢が広がったように思えました。ただしこれを進歩と捉えるかについては各人の判断によるでしょう。

人間界では前作から1年が経過したことになっているのですが、ナルニアでは数百年の歳月に相当するという設定は面白かったです。当時の繁栄は消え去り、別の民族によって支配されてしまっている状況で追い出されたカスピアン王子と「伝説の4人の王」が協力して自由を取り戻そうという話です。ファンタジーとしての作りは王道だと思うので、その点では安心できると思います。
ちなみに前作では屋敷のクローゼットがナルニア国へ通じてしましたが、本作では地下鉄から呼び出される形になっています。個人的には前作の方が好きでした。

難点としては登場人物の魅力が落ちたように感じられたことです。主要キャストは前作からそのまま引き継いでいるのですが、子役が成長すると大半が言葉は非常に悪いが劣化してしまう。その悪影響を受けたと思う。特に女性キャラ二人の魅力が失われている。申し訳ないですが、そこらの一般人と変わらないです。オーラが感じられない。かといってキャスト総入れ替えでも抵抗があるので子役キャラはオーディションで選ばれた直後がピークであることについては目を瞑るしかないでしょう。

また全体的に矛盾が多いです。特に話の鍵となるライオンがなぜナルニア国を見捨てテルマール人の侵略によって滅ぼされるのを放置してしまったのか?理由に説得力がなく、単にシナリオの都合でそうなっただけと感じられたのが残念でした。他にもラストの果し合いも不自然です。巨大な軍隊があるのにわざわざ一対一の結果で全てを賭けて戦う人はいないでしょう・・・。

このようにシナリオ面での矛盾は多いですが、CGは非常に美しいのでなんとか勢いで最後まで見せてくれるかなといった所です。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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フィクサー

2009-08-23 09:23:41 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 トニー・ギルロイ
キャスト ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントン、シドニー・ポラック、マイケル・オキーフ、デニス・オヘア、ケン・ハワード
2007年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、サスペンス、ミステリー

【あらすじ】
全米を騒然とさせた3000億円にのぼる薬害訴訟。被告の巨大農薬会社有利のうちに訴訟が解決されようとしていた正にそのとき、農薬会社の弁護を担当するNY最大の法律事務所の弁護士が、全てを覆す”秘密”を握ってしまう。彼は良心の呵責に苛まれて、事実の暴露を決意。この動きを察知した事務所は、「フィクサー」=マイケル・クレイトンに”もみ消し”を依頼する。いつものように活動を開始したマイケルは、数日後に暴露を目論んだ弁護士の死亡を知る。その不審な死の真相を追究していくうち、次第に彼は企業の隠蔽工作にとどまらぬ、予想をはるかに超えた巨大な陰謀に自らが巻き込まれていくことに気づく・・・・・。

【感想】
アカデミー賞主要7部門にノミネート(受賞は助演女優賞のみ)された同年の話題作の一つでしたが、期待の高さが先行してしまった部分が強かったために、物足りないという類の印象が多いようです。

タイトルになっているフィクサーとは”もみ消し屋”と呼ばれる法律事務所での不祥事の尻拭いのような職業のことを指します。その「フィクサー」をジョージ・クルーニーが演じているのですが、想像していた内容と違いがありました。
”もみ消し屋”であるにもかかわらず、大企業が不祥事をもみ消そうとするのに立ち向かうからです。言ってしまえば完全な正義です。私は「インサイダー」とか「エリン・ブロコビッチ」を思い出しました。(フィクションですけど)

物語は自分が乗っていた車が爆破されるシーンからスタートします。なぜそのような事態になったのかをその発端となる4日前にさかのぼって進行する形となっています。この点では「セルピコ」やら「12モンキーズ」と同じ構成になっています。そのため本作ならではの目新しい演出ではありません。個人的には凝ったことをしないで通常の時間軸で進めた方が驚きはあったのではないかと思っています。

そんなわけであちこちの映画の影響を受けているのではないかと思います。これはマイナス要因。ただしラストの急展開については引き付けられるものがありました。前半の展開がゆったりしていたのとは対象的です。
それから車を降りて馬の所に向かった理由は解説を読まないとわからなかったです。

ジョージ・クルーニーについてはいつものゴージャスな印象を完全に封印し、ビジネスの一線から退いた冴えない中年役を演じています。うまいとは思いましたが、いつものイメージが強いのでこのような「枯れた」役には少し違和感がありました。

佳作レベル。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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東宝

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エイリアン・レイダース

2009-08-21 23:59:39 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ベン・ロック
キャスト カルロス・バーナード、マシュー・セント・パトリック、ロックモンド・ダンバー
2008年 アメリカ
ジャンル:SF、ホラー

【あらすじ】
食料品や雑貨が陳列された、ごく普通のスーパーマーケット。その平穏な日常は武装集団の乱入により終わりを告げ、店内は血に染まる。謎の集団の襲撃によって従業員と客たちの一部は殺され、残りは人質となってしまうのだった。

【感想】
刃物で3人の指を切断するシーンがあります。しかも嫌がるのを強引に・・・。

これを聞いて拒絶反応起したらその段階で本作品はスルーした方がいいでしょう。とはいえエグイのはここだけなので「ソウ」シリーズを見れるなら問題ないと思います。

そんな本作ですが、オチが完璧に読めました。なぜなら先に紹介した指を切断するシーンはその人がエイリアンに寄生されているかどうかをテストするための方法なのですが、このシーンは痛々しいのでかなり印象に残ります。そのためにどさくさに紛れてこのテストをスルーしたキャラがいるのですが、印象が鮮明な分ごまかすことができなかったです。私は見逃しませんでした。

ストーリーはいきなりスーパーが武装した集団に襲われ、人質が殺されてしまうこころからスタートするのですが、まさかこのスーパーを襲った人たちがエイリアンをハントする役割を授かっている人たちだとは思わなかったです。その点では意外性があったと思います。ただ地球を守る任務のためにあのような大事件を起さなければならなかったというのはあまりに説得力がなかったです。

とはいえ、エイリアンという完全に使い古された題材をテーマにした最近の映画としてはわりと普通に(無難に)楽しめるかと思います。コンパクトにまとまっていたという印象でした。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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エクソシスト2

2009-08-21 00:15:45 | ★★★★★★★☆☆☆
監督 ジョン・ブアマン
キャスト リチャード・バートン、リンダ・ブレア、ルイーズ・フレッチャー、キティ・ウィン、ネッド・ビーティ、マックス・フォン・シドー
1977年 アメリカ
ジャンル:ホラー、オカルト、SF、シリーズ

【あらすじ】
リーガン・マクニールは宙を飛んでいる夢に怯えていた。彼女には見たこともない風景などの幻が見える。あの忌まわしい事件の記憶は全くなく、外見的にはごく普通の明るい16歳の娘に成長していたが、母親の計らいで精神分析療法には通っていた。メリン神父の死の謎を調査するよう命じられたラモント神父は精神病理学者タスキン博士と、4年前の悪魔祓いで何が起こったのか、そして現在のリーガンの深層心理に何が起きているのかを追求し始めた。

【感想】
「グレムリン」「キングコング」等に続く「さすがにこの映画の続編は観たことありませんでした」シリーズです。

前作は今でもオカルト映画の代表作として語られる程の完成度の高いものだっただけにやはりその重圧には勝てなかったかなというのか率直な感想ですが、それでも不思議と失望感はなく、予想外に楽しめたというサプライズの方が大きかったです。

本作を鑑賞する上で注意しなければならないのは前作と話が繋がっているという点です。続編なのだから本来は当たり前のことなのですが、私個人としては前作の内容からして同一キャストなのはノーマークでした。復習なしだと少々つらいかもしれません。
この関係でリーガン役だった少女が随分と成長して前作とは変わり果てた姿で登場します。「変わり果てた」と書いてしまいましたが、容姿的にネガティブな印象を持ってしまいました。

しかも彼女は実はまだ悪魔が憑かれたままだったという初期設定には「前作の神父達の努力は一体何だったんだよ」と思うはずです。本作はその悪魔の正体が徐々に明かされていく形で進行していきます。その内容は怪しくて非常にオカルトチックだったと思います。(ネタバレはしません)巨大なイナゴなどはその象徴といえるでしょう。

はっきりいって意味不明なのですが、怪しさ全開の映像は非常に力が入っており、オカルトというジャンルからすればそれでいいと思います。またこのような内容にもかかわらず、そこそこ楽しめた理由としてはエンニオ・モリコーネの音楽による力も大きかったです。映画って本当に音楽が重要だと痛感します。音楽の優れている映画というのはそれだけでシナリオに入り込んでいく力になる。

そんなわけで、完成度や芸術性については偉大な前作に遠く及びませんが、別映画として捉えるならば十分にありかなという評価です。(世間的には酷評だということは一応書いておきます。)

お薦め度:★★★★★★★☆☆☆

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ブロウ

2009-08-20 00:29:09 | ★★★★☆☆☆☆☆☆
監督 テッド・デミ
キャスト ジョニー・デップ、ペネロペ・クルス、フランカ・ポテンテ、レイチェル・グリフィス、ポール・ルーベンス、ジョルディ・モリャ、クリフ・カーティス、ミゲル・サンドヴァル、レイ・リオッタ
2001年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、伝記

【あらすじ】
1970年代に若くして伝説のドラッグディーラーとなり、巨万の富を手にした実在の人物、ジョージ・ユングの波瀾の半生を描いた作品。

【感想】
映画としての出来はそれほど悪いと思わないのですが、数多く製作されている実在した人物の伝記ものとして見れば「この人の半生を見せられてもそれほど共感するべきものがない」という結論に至ります。

父親が事業に失敗して貧しい生活を送っていたジョージ・ユング(ジョニーデップ)はカリフォルニアのビーチでコカインの密売を始め大成功。ところが彼はこの成功でも満足しません。危険を冒して南米まで自ら出向き、生産元を押さえることで販売ルートを確保することに成功、麻薬ディーラーとして頂点に上り詰めていきます。しかし成功は長くは続かず、欲に目がくらんだユングは仲間の裏切り、家族との関係悪化、自らもコカインに蝕まれたため転落することになります。

ユングの唯一の心のよりどころになっていたのは娘です。逮捕され仮釈放された後にも更にコカインに手を出してしまったのは娘のためを思ってやったことのように描かれています。再逮捕後、現在も刑務所で過ごしているユングの下に愛した娘が尋ねてくることは一度もなかった哀しみで締めくくっています。

ちなみにユングは2015年に72歳で釈放される予定です。

説明ばかりになってしまいましたが、リスクの高い方法で金を儲けた場合の退き際については大いに考えさせられるものがありました。それとアメリカ人のコカイン汚染が本当にここまで酷いとしたらかなりショッキングですね。
ユング自体の人間ドラマについては犯罪者だけに共感はできなかったです。それが私個人の低評価につながっているわけですが、ジョニー・デップ主演なだけにそこそこ周囲の評判は良かったようです。

堅苦しい偉人の伝記もそれほど好きではありませんが、だからといってコカイン密輸人で有名な犯罪者の半生というのも落差があり過ぎて題材的に好きになれなかったといった所です。 

お薦め度:★★★★☆☆☆☆☆☆

ブロウ [DVD]

タキコーポレーション

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ブレイン・スナッチャー/恐怖の洗脳生物

2009-08-19 00:02:20 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 スチュアート・オーム
キャスト ドナルド・サザーランド、ウィル・パットン、キース・デヴィッド、ヤフェット・コットー
1994年 アメリカ
ジャンル SF、ホラー

【あらすじ】
アイオワ郊外の森にUFOが撃墜され、現場に向かった科学情報局長アンドリューは、村人たちが宇宙から飛来したナメクジ状のエイリアンに体を支配されていることを知る。人間の脳に寄生するエイリアンは彼の息子サムに取り付き、やがてアンドリュー自身も狙われる……。

【感想】
タイトルからしてB級なのは容易に想像ができますが、期待を裏切らない内容だったと思います。

主演はドナルド・サザーランドです。この人は一般的には名優として評価されていますが、どちらかといえばB級映画にやたらと出演している俳優という印象が強いと思います。B級とは言ってもチャック・ノリスのようなタイプとは違い「スパイス」的な存在で話を盛り上げる役割が多いです。本作についても渋いキャラに徹していたと思います。

サブタイトルにもなっている「恐怖の洗脳生物」ですが、これが実にちっちゃくて可愛らしい。これぞB級映画の姿です。具体的には巨大なナメクジというべきか、カブトガニやエイに近いと思います。エイリアンというよりは深海に生存している未知の生命体のような感じでした。これが人間の背中に蛭のようにくっついて人間を支配してしまうという話ですが、それほど恐怖感は感じられず、むしろシリアスに演じている役者達が浮いているようなシーンがいくつか見受けられてしまいました。

またシナリオが急展開する関係でかなり矛盾が気になる所があります。街中に繁殖したエイリアンを倒す方法については一応納得しましたが、それ以降の展開については蛇足感があります。「これだからB級なんだろうな」といった感じでした。

「B級」という表現を4回も使ってしまいましたが、やはりお薦めできる人としてはB級映画好きということになるかと思われます。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆


ブレイン・スナッチャー :DVD未発売

クリスティーン

2009-08-18 00:07:20 | ★★★★★★★☆☆☆
監督 ジョン・カーペンター
キャスト キース・ゴードン、アレクサンドラ・ポール、ジョン・ストックウェル、ロバート・プロスキー、ハリー・ディーン・スタントン、ケリー・プレストン
1983年 アメリカ
ジャンル:ホラー、サスペンス

【あらすじ】
1957年、デトロイトの自動車工場で完成直前の深紅の車プリマスが、シートに灰を落とした工員を殺した。そして15年後、この車は高校生アーニー(キース・ゴードン)に買われて「クリスティーン」という女性の名前を付けられた…。

【感想】
原作スティーヴン・キング、監督ジョン・カーペンターというB級映画界の二大巨匠がタッグを組んだ本作はマニアックなファンにとってはたまらない作品だったことでしょう。

ちなみに本作を見たスティーブン・キングは絶賛だったそうです。まあ彼が絶賛した作品というのは一般人に受け入れられることは決してないのですが・・・。むしろ酷評した「シャイニング」とかの方が圧倒的に人気がある。とはいえ不気味な雰囲気はよく出ていたと思います。

タイトルにもなっている「クリスティーン」とは性格が暗めの主人公が買い取ったボロ車につけた名前です。主人公はこの車を「彼女」と呼ぶ位の異常な愛情を注いたために、車でありながら人格を持つ「クリスティーン」が嫉妬や怒りで人を襲うようになります。

この車が人を襲うシーンなのですが、本当に車が生きていて感情を持っているかのような映像でした。ジョン・カーペンターのこの表現力は素晴らしいです。スティーブン・キングはその点を評価したのだろうと思います。並みの監督だったら単に車が人をはねているだけの映像になってしまうと思う。例えとして正しいのかわかりませんがトマトが転がっているだけの「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」とは大違いです。
また一度は壊されてしまった「彼女」が復活するシーンもいい味出していました。

残念なことにシナリオが非現実的であるがためにチープに感じられたようで周囲の評判は高くないのですが、はっきりいって見所はシナリオではないので、その点を責めるのは多少ナンセンスです。マニアにはお薦めできると思います。個人的にもとても好きです。

お薦め度:★★★★★★★☆☆☆

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13日の金曜日PART2

2009-08-17 00:06:58 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 スティーヴ・マイナー
キャスト エイミー・スティール、ジョン・ヒューリー、ラッセル・トッド、トム・マクブライド
1981年 アメリカ
ジャンル:ホラー、サスペンス、シリーズ

【あらすじ】
悲惨な大虐殺から5年。呪われた土地に近付くなと言う忠告を信じない若者たちが、不気味な存在に気付かぬままキャンプ場を歩き回り…。

【感想】
お色気シーンの度に情け容赦ない死刑執行を行うジェイソンはまさに風紀委員そのものです。単に自分がモテないことに嫉妬しているだけのようにも見えないこともないのですが・・・・。一切の風紀の乱れを許さないその確固たる姿勢には哲学すら感じます。

のっけからアホなことを書いてしまいましたが、本作になってようやく「13禁」の象徴でもある殺人鬼ジェイソンが登場します。今では宇宙進出を果たし、生身で大気圏突入したりと完全な無敵キャラのイメージがすっかり定着してしまいましたが、本作では不意打ちをかます殺し方が当時としては斬新だったため、世界中を震撼させるものでした。

ただ慣れとは嫌なもので今となっては「怖い」というよりも、「次に死ぬのはこいつら」というホラー映画の死亡フラグに沿った展開にニヤリとしてしまいます。残忍な殺し方についても今ではより過激な作品が多数作られています。そのため最近のホラーに慣れてしまった人には楽しめない可能性があります。それに不意打ちで大きな音を出して人を殺すことで鑑賞側を驚かすという演出は決して品があるとは言えず、反則に近いと思います。芸術性で勝負してほしい。

とはいえ、カメラワーク等の演出の面で多くのホラー映画で本シリーズの影響を少なからず受けている箇所が見受けられる点では基礎を作ったといえるでしょう。ホラー映画発展に大きく寄与した作品であることは評価したいです。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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