goo blog サービス終了のお知らせ 

LiveInPeace☆9+25

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

自民党「特定秘密保護法の新聞報道への反論・23」が明らかにする特定秘密保護法の危険(その三)

2014-01-08 | 秘密保護法

リブインピースホームページ自民党「特定秘密保護法の新聞報道への反論・23」が明らかにする特定秘密保護法の危険よりの転載 

以下Qは「特定秘密保護法の新聞報道への反論・23」による

Q5、この法律が成立したら、市民運動で声を上げた人が捜査されたり、逮捕されたりする。(12月2日 東京新聞・朝刊)(Q12、Q13も同様の報道)

 回答は「テロリズム」の規定を引用し、“「市民運動で声を上げた人」はテロリストではないから捜査されたり、逮捕されたりすることはありません”と答えている。
 「テロリズム」の規定は、第12条2項「適性評価」の条文で、“スパイ活動やテロ活動に関わっている人物は秘密取扱者にはなれない”との文脈で出てくるもので、そもそも特定秘密保護法は「テロリスト」を捜査したり、逮捕したりするための規定をもっていない。従って、“「市民運動で声を上げた人」はテロリストではないから処罰されない”との回答は、この法律に沿った回答になっていない。逆に、「テロリスト」と見なされた者は、特定秘密保護法の処罰対象になるかのような重大な拡大解釈をしている。むしろこれが自民党の本音だろう。これが、この回答の危険性の第1点である。

 その上で回答を見ると、条文のテロリズム=「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」という規定について、以下のように分割している。

「政治上その他の主義主張に基づき、(1)国家若しくは他人にこれを強要し、又は(2)社会に不安若しくは恐怖を与える目的でア)人を殺傷し、又はイ)重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」。

 回答によると、条文は重層構造をしており、ア)人を殺傷する活動、イ)重要な施設その他の物を破壊するための活動の二つがテロリズムだと言うのである。
 たしかにそのような条文解釈は可能である。だから、ここではあれかこれかの解釈論争が問題ではない。自民党が反論しているこれらの記事は、12月2日、12月3日、12月5日、12月6日と連続して掲載されている。参院で修正協議が行われている真っ最中であった。問題は、条文がさまざまな解釈を生むあいまいな文章であることを承知しながら、あえてあいまいなままで強行成立させたということだ
 一方、石破氏が「デモで大声を上げること=テロ」とブログに書いたのは11月29日であった。石破氏は12月2日に内容を一部修正したが、結局「絶叫デモ=テロ」との見方そのものは撤回しなかった。

 条文をいかようにでもとれるままにし、拡大解釈の可能性を残したのではないのか
 「市民運動で声を上げた人が捜査されたり、逮捕されたりする」というのは、テロリズムとの関係だけでなく、Q4の「煽動」規定ともかかわる重要な問題である

Q6 民間人が原発や基地の情報を探ろうとしただけでも処罰される可能性がある。(12月6日 朝日新聞・朝刊)

 回答は「民間人が単に原発や基地の情報を探ろうとしただけでは、特定秘密保護法により処罰されることはありません」としている。またしても回答に「単に」が入っている。また、報道は「探ろうとしただけでも処罰される可能性」となっているのにもかかわらず、回答は「“「極めて例外的な場合を除き」公務員以外が特定秘密を取得した者が処罰対象になることはない”としている。これは、「取得実行」と「漏えい教唆」を混同させた悪質なトリックである

 ここで問題になるのは「独立教唆」である。【逐条解説】では「独立教唆」(単に人をそそのかすこと)について「独立教唆は、教唆とは異なり、教唆行為、すなわち人に漏えい行為等を実行する決意を生じさせるに適した行為があれば、それだけで独立犯としての教唆が成立し、教唆行為の結果として被教唆者が漏洩行為等を実行したことを要しないのみならず、実行する決意を抱くに至ったことも要しない」とされている。これは「煽動」の場合と同じである。わざわざ「独立教唆」は教唆とは違い、「実行する」必要がないだけでなく、「決意を抱く」ことさえ必要ないと書いている。「単に」原発や基地の情報を探ろうとし、役所などに「教えてほしい」と言っただけで成立するのである
 だから、「民間人が原発や基地の情報を探ろうとしただけでも処罰される可能性がある」ということは、間違いなくこの法律に書いてある。(第25条)

ウ 「教唆」
 漏洩行為等を実行させる目的をもって、人に対して、当該行為を実行する決意を新たに生じさせるに足る慫慂行為をすることをいう。
 独立教唆は、教唆とは異なり、教唆行為、すなわち人に漏えい行為等を実行する決意を生じさせるに適した行為があれば、それだけで独立犯としての教唆が成立し、教唆行為の結果として被教唆者が漏洩行為等を実行したことを要しないのみならず、実行する決意を抱くに至ったことも要しない。(【逐条解説】より)

(参考)
※「特定秘密保護法の新聞報道への反論・23」は以下のホームページに掲載
  秘密保護法報道?自民党反論文書の中身」(GoHoo)
「特定秘密の保護に関する法律Q&A」(自民党)
「特定秘密保護法 ―3つのポイント―」(自民党)
「特別秘密の保護に関する法律案【逐条解説】」(内閣官房 2013年11月)
「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議)
 (なお、法律案の制定過程で「特別秘密」が「特定秘密」に変わったため、古い文書では「特別秘密」と表記されている場合がある)

「特定秘密の保護に関する法律(全文)」

(つづく)

(ハンマー)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。