薔薇色ファンタジー★ヴェルヴェットの小部屋

色褪せぬ美しきもの・映画・音楽・文学・絵画等。ヴェルヴェット・ムーンのサブchouchouの偏愛日記です。忙中有閑♪

米国ローリング・ストーン誌が選出した「史上最も偉大なシンガー100」★デヴィッド・ボウイは23位でした♪

2013-05-30 | 報道・記事メモ
 2008年の米国ローリング・ストーン誌が選出した「史上最も偉大なシンガー100」。ちょっと古い記事ですが、メモ帳に貼っていたものを記録しておこうと思います。選出がアメリカということ、ロック・シンガーが主のようですので、マリア・カラスもエディット・ピアフも探してもランクに無い訳です。大御所のブルースやソウル・シンガーがおられるのですが、ビリー・ホリディやサラ・ヴォーンは別の様です。よく分かりませんが、このようなランキング発表には、どうしても納得が行かないお方も多いでしょうね。でも結構楽しいです。

 みんな大物ばかりですが、個人的な興味で見ると、10位内にジョン・レノンが5位、20位内にミック・ジャガーが16位、デヴィッド・ボウイも23位に!ジェフ・バックリーやトム・ヨークも入っているし、辛うじて98位にスティーヴィー・ニックスも!!でも、ケイト・ブッシュが100位までに入らないのって?!偉大なるシンガー、それも紛れもなくロック範疇だし。アメリカでのヒット曲が少ないからだとしたらマドンナは?...と云ってみました☆



The 100 Greatest Singers of All Time 2008 by Rolling Stone

1. Aretha Franklin
2. Ray Charles
3. Elvis Presley
4. Sam Cooke
5. John Lennon
6. Marvin Gaye
7. Bob Dylan
8. Otis Redding
9. Stevie Wonder
10. James Brown

11. Paul McCartney
12. Little Richard
13. Roy Orbison
14. Al Green
15. Robert Plant
16. Mick Jagger
17. Tina Turner
18. Freddie Mercury
19. Bob Marley
20. Smokey Robinson

21. Johnny Cash
22. Etta James
23. David Bowie
24. Van Morrison
25. Michael Jackson
26. Jackie Wilson
27. Hank Williams
28. Janis Joplin
29. Nina Simone
30. Prince

31. Howlin' Wolf
32. Bono
33. Steve Winwood
34. Whitney Houston
35. Dusty Springfield
36. Bruce Springsteen
37. Neil Young
38. Elton John
39. Jeff Buckley
40. Curtis Mayfield

41. Chuck Berry
42. Joni Mitchell
43. George Jones
44. Bobby "Blue" Bland
45. Kurt Cobain
46. Patsy Cline
47. Jim Morrison
48. Buddy Holly
49. Donny Hathaway
50. Bonnie Raitt

51. Gladys Knight
52. Brian Wilson
53. Muddy Waters
54. Luther Vandross
55. Paul Rodgers
56. Mavis Staples
57. Eric Burdon
58. Christina Aguilera
59. Rod Stewart
60. Björk

61. Roger Daltrey
62. Lou Reed
63. Dion
64. Axl Rose
65. David Ruffin
66. Thom Yorke
67. Jerry Lee Lewis
68. Wilson Pickett
69. Ronnie Spector
70. Gregg Allman

71. Toots HIbbert
72. John Fogerty
73. Dolly Parton
74. James Taylor
75. Iggy Pop
76. Steve Perry
77. Merle Haggard
78. Sly Stone
79. Mariah Carey
80. Frankie Valli

81. John Lee Hooker
82. Tom Waits
83. Patti Smith
84. Darlene Love
85. Sam Moore
86. Art Garfunkel
87. Don Henley
88. Willie Nelson
89. Solomon Burke
90. The Everly Brothers

91. Levon Helm
92. Morrissey
93. Annie Lennox
94. Karen Carpenter

95. Patti LaBelle
96. B.B. King
97. Joe Cocker
98. Stevie Nicks
99. Steven Tyler
100. Mary J. Blige

★偉大な方々ばかりなのですが、太字にしたのは、個人的に「おおっ」と嬉しく思った方々です。基本的にロックの入り口は英国、それも私のランキングならボウイが1位、バンドならローリング・ストーンズなもので...。

※下に自動的に「キーワード」が表示されます。どうして「デヴィッド・ボウイ」は無いのでしょうか?「デヴィッド」だったらいっぱいいますね。

『悲しみと歌』 エドモンド・ブレア・レイトン:EDMUND BLAIR LEIGHTON

2013-05-29 | 文学・詩・絵画
 なんとなく今日の気分の一枚は大好きなラファエル前派の絵画で、19世紀末から20世紀初頭を生きた英国の画家、エドモンド・ブレア・レイトンの『悲しみと歌』(原題は『SORROW AND SONG』)。20世紀に入った晩年の作品のようですが製作年不詳です。

 「歌」とはただ楽譜があり発声されるものだけでもないと思っています。一つの詩、一枚の絵から聞こえる「歌」があるのだと。

 ついつい、長年好きな絵画群はラファエル前派や広い意味での象徴主義絵画が好きな傾向は変わらないようです。それにしても、日本語って素晴らしいです!でも外国語に訳されるととんだ羽目に陥ることもありますね。この作品の原題の『SORROW AND SONG』の「sorrow」にも色々な意味合いがあるでしょう。日本語だと「悲しみ」となっていますが、「哀しみ」、「愛しみ」とも漢字とひらがなで表現できるのですね。そんな事をこの甘美な絵を眺めながら想いました☆

「なぜ悲しい音楽を聴くとロマンチックな感情になるのか」 理研が一端を解明

2013-05-28 | 報道・記事メモ
なぜ悲しい音楽を聴くとロマンチックな感情になるのか - 理研が一端を解明

理化学研究所(理研)と東京藝術大学は5月24日、悲しい音楽は悲しみだけでなくロマンチックな感情も聴き手にもたらし、また、その作用が音楽経験の有無に関係なく引き起こされることを実証したと発表した。

同成果は、理研脳科学総合研究センター 情動情報連携研究チームの岡ノ谷一夫チームリーダー、川上愛ジュニアリサーチアソシエイト(現 客員研究員、JST ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクト研究員)、東京藝術大学 美術学部の古川聖教授らによるもので、スイスの科学雑誌「Frontiers in Psychology」オンライン版に掲載された。

悲しい音楽や悲劇は、鑑賞者に悲しみをもたらすと考えられているが、従来の感情研究における「悲しみは不快である」という前提に立つと、聴き手が自ら進んで悲しい音楽を聴いたり、悲劇を鑑賞したりする行動は矛盾したものとしてとらえられ、芸術を生み出した人類にとって長い間の疑問となっていた。

我々人間は、ある音楽がどういう音楽かを判断するとき、自分自身の体験を参考にする。例えば、過去に短調の曲を聴いて悲しくなった体験があるから、短調の曲は悲しいと判断するが、そうした経験に基づいて音楽を判断しながら、実際に自分自身はそれと異なる感情を体験しているときがあり、そうした不一致が生じる例の1つが、悲しい音楽を聴いたときに感じる心地よさである。

今回、研究グループは、悲しい音楽や悲劇が鑑賞者に悲しみをもたらすと同時に、心地よさなど快の感情ももたらすからこそ、人はこうした芸術を自ら求めるのではないかと仮定し、「聴いた音楽が一般的にどのような音楽であるか」の判断と「音楽を聴いて実際にどのように感じたか」といった聴き手が体験した感情という両面から、悲しい音楽が聴き手にもたらす「快の感情」の体験を実証することを目的に研究を行った。

具体的には、既存曲(グリンカ作曲ノクターンなど)の一部を抜粋し、悲しい音楽とされる短調で構成された30秒程度の曲に編集。この編集した曲を、18歳~46歳の44人(男性19人、女性25人)の実験参加者に聞いてもらい、鑑賞後に「一般的に多くの人は、この音楽を聞いてどう感じると思いますか?」、「あなたは、この音楽を聴いてどう感じましたか?」という質問を実施。実験参加者は、それぞれの質問に対して「悲しい」、「愛おしい」、「浮かれた」、「圧倒された」といった感情を表す62種類の用語とその強度(0~4)を回答する形で行われたが、音楽経験による影響を調べるため、44人を音楽家集団17人と非音楽家集団27人の2グループに分けて行われた。

62種類の用語への回答より相関関係の強い用語に共通した要因を抽出したところ、「悲しみ因子(悲しい、ゆううつ、沈んだなど)」、「高揚因子(圧倒された、興奮した、刺激的な、など)」、「ロマンチック因子(うっとりした、愛おしい、恋しいなど)」、「浮き立ち因子(浮かれた、快活な、踊りたいようななど)」の4因子が見いだされた。

そこで、各因子の評価結果を詳しく調べたところ、悲しみ因子については、聴いた音楽が悲しいものと判断するほどには自身では悲しみを体験しておらず、一方、ロマンチック因子については、聴いた音楽がロマンチックなものと判断する以上に自身がロマンチックな感情を体験していたことが判明したという。また、これらの結果は音楽経験に依存しないことも判明したという。

また、どのような音楽であるかの判断の評価では、悲しみ因子の強度が他の3つの因子より突出していたのに対し、実際にどのように感じたかの評価では、突出した因子はなかったする。これは、人は悲しい音楽を聴くと過度に悲しい音楽であると判断するものの、自分自身はそれよりも低い程度の悲しみとともに"快の感情"も体験するという両価的な感情体験の存在を示す結果だと研究グループでは説明する。

今回の結果を受けて研究グループは、芸術には快と不快の両価的な感情を引き起こす作用があることが示され、これは感情の仕組みを考えるための新たな観点を提供するものとなると説明。感情は、進化の過程で保存された生存上必要な機能と考えられており、自身に直接の危害がおよぶ危険性のある日常場面での感情(直接感情)とは異なり、音楽聴取という自身に直接の危害が及ばない生存が保障された状況では、安心して悲しい音楽を楽しむことができる、つまり音楽が表現している感情を代理的に体験する「代理感情」という感情状態にあると考えられるとのことで、今後は、この新しい概念である代理感情を調べていくことで、人が悲しい音楽をあえて聴こうとする行動を解明することにつながっていくことが期待できるとしている。

引用:[マイナビニュース]
5月24日(金)12時10分配信

★なるほど~、と思いながらも、「悲しい音楽」ってなにかな?とも。ヒーリング音楽なるものが流行った頃も私は疑問でした。大手書店にも「癒し」「ヒーリング・ミュージック」のコーナーが。人それぞれの悲しい曲、美しい曲、癒される曲がある。それらからエネルギーを頂ける、心が安堵するということなら度々。嘗てバンド活動もされていた友人とそんな会話をしていた折に、彼女は「ノイズミュージック」を聴くと落ち着くのだと。騒音の中で平静さを見い出せる心なのか、と興味深く聞いていたことを思い出します。私もノイズと紙一重のクラシック音楽、室内楽のような音楽、シャンソンを聴くと圧迫感から平静さを取り戻せることがあります。まあ、その時々の心理状態によって異なるのでしょうけれど。心が求める音楽を聴く、聴きたいと思う音楽を聴いている私ですが、このような研究をされている人達、また成果からの学びもあると思い勉強になりました。


歌姫礼讃!ドロレス・オリオーダン★ザ・クランベリーズ:THE CRANBERRIES / ゾンビ:ZONBIE (1994年)

2013-05-27 | 好きな音楽
 洋楽が好きだと自覚したのは11~12歳頃だろうと思う。デヴィッド・ボウイを知ってからはもうのめり込む様に音楽に熱中し、少しずつ聴く幅も広がって行き今に至る。14歳。それ以降、ラジオのエアチェックは日課になり、ジャンルも何も分からないまま、録音しては聴いていた。そんな私がひょんな事からお仕事にして今も共に生きているなんて...もう一つピンと来ない気もするけれど、ご縁が深いということなのだろう。

 心斎橋で開店した当初というと、シアトルを中心に発信されるオルタナと呼ばれる音楽がファッションも含めて大旋風という折。私は80年代の終り頃からニューヨークのソニック・ユースやスワンズが好きで聴いていた。本来は英国のインディーズ・シーンの方が興味があったのだけれど、ニュー・ウェイヴというシーンも聴き始めた頃とは変わっていた。時代の流れの中で変わるのだから不思議ではない。あの先鋭かつ実験的精神のようなものが好きだったと思うので、オルタナティヴというポップス産業に対するアンチテーゼのようなものが。けれどポップスも好きな曲は沢山あったし、隠れプログレという秘かな音楽の愉しみ方もしていた。ブリジット・フォンテーヌやダグマー・クラウゼの影響を意識してではなく強く受けて行ったようにも思います。そういう意味での嘗て云われていた「オルタナティヴ」は今でも好きです。90年代前半のニルヴァーナを筆頭とするオルタナ・シーンに好きな音楽もあるけれど、その頃は英国発のブリットポップの方がもっと好きでした。そして、スウェーディッシュ・ポップも。勿論、フレンチ・ポップスは大きな意味でもうずっと愛好しているつもりです。

 レディオ・ヘッドは英国発のオルタナロックでアメリカでも大成功。少し後に、アイルランド出身のザ・クランベリーズもアメリカで大成功。英国のインディーチャートにオアシスやブラ―、スウェードやパルプの名が上位にいたあの頃。19年程も時が経っているのが不思議なくらい、ついこの間の事のように覚えている。あの急な階段を上がった小さな一角の空間。懐かしいな。クランベリーズの事は長くなるのでまたブログにて。今日は2ndアルバム『NO NEED TO ARGUE』からのヒット曲である彼女たちの政治色の強い曲『ゾンビ』のPVを☆



また一人の母親の心が傷つき
そして暴力から沈黙が生まれる
私達が間違っているのではない
1916年以来テーマは変わっていない
あなたの頭の中で
あなたの頭の中で彼らはまだ戦っている


 ヴォーカルのドロレス・オリオーダンの少女時代の体験から来る思いでしょう。ドロレスの独特の歌唱法は時に心臓に悪い位に突き刺さります。1916年とはアイルランドで起きた「復活祭蜂起」の事だと思われます。アイルランド共和国が英国からの独立のために戦った人々、その指導者達が処刑された年。「歴史には光と影があり、真実というより解釈があるのみ」なのだろう。ニーチェの言葉を捩りましたが、その時代を生きた人々、様々な視点、国家、民族、宗教...それぞれの立場で異なるのでしょう。クランベリーズは祖国アイルランドを愛し、また幼い子供達へ思いを強く寄せておられるお方だと思い、今もその思いに共感する一人です☆

レディオヘッド:RADIOHEAD / クリープ:CREEP (1992年) ★ 20年前幾度も繰り返し聴いた大好きな曲!

2013-05-26 | 好きな音楽
 ふと感傷的になる傾向の私。暑くなって来るこの季節、夏、夏、夏。記憶と云うのは不思議なもの。忘れていたようでいながらそうでもない。自分の意識下を分析は可能だろうか?でも辛い時、何とか平静さを心に求める為に色々考えてみる。答えなんていらない。「そうなんじゃないかな?」「何かおかしいな?」と自分で疑問符を持ち続けている気がします。

 今から20年前の夏。最愛の父の死。母も入院中で私は日々、死期の迫る両親の延命を願い祈った。あの年月は私のこれまでの、まだ途中の人生に於いて最も過酷な試練の刻だったのだと想えます。父の死後も一人になると泣いてばかりいた。あんな情けない私はあの頃が最悪。この間までミルクを飲んでいた甥がしょっちゅう私の部屋にやって来る。天使のような少年は、「お姉ちゃん、どうして泣いてるの?」って。そんな愛しき存在が同じ家に居てくれたこと。あどけない純粋な笑顔が、弱虫の私に勇気を与えてくれていた。そして、色々一緒に音楽を聴いたり。あまりロックっぽい曲は好きではないらしく、「ぼく、この曲大好き!」とフランソワーズ・アルディで一緒に踊った。幼き子は私よりずっと早く寝てしまう。また一人、私はヘッドフォンでこのレディオヘッドの曲を、かなり大きな音で幾度も深夜に聴いていた。トム・ヨークの天才的なヴォーカル。静と動の美しいメロディ。あのギターの音、ディストーションはあの頃の私に「頑張れ!」と云ってくださっているように感じていたのかも。今も久しぶりに聴くと、やっぱり大好きな曲。そして、蘇るあの頃の私。両親のいた頃の私の家。愛しき人達と共に、気が付けば音楽も私の傍らにいつも居てくださる。感謝と愛を込めて☆



歌姫礼讃!★エディット・ピアフ:EDITH PIAF / 私の兵隊さん:MON LEGIONNAIRE (1937年)

2013-05-22 | 好きなシャンソン
 エディット・ピアフの代表曲である『Mon Legionnaire』は、邦題の『私の兵隊さん』として日本でも長く親しまれているシャンソンの一つではないでしょうか。この1937年頃のピアフはまだお若く、“モーム・ピアフ”と呼ばれていた頃です。モームとは小娘という意味で、12歳から歌い始めたピアフながら歌手としてはまだこれからという21歳の頃。この曲の創唱はマリー・デュバで、作詞はレイモン・アッソ、作曲はマルグリット・モノーによるものです。

私は彼の名前も何も知らない
でも彼は一晩中愛してくれた
私の外人部隊の兵隊さん
そして私を運命にゆだねたまま
その朝、去ってしまった
朝の光の中へ

彼はやせていて美しかった
彼は熱い砂のいい香りがしていた
私の外人部隊の兵隊さん
彼の額に陽がさしていて
そのブロンドの髪が
輝いていた


 同じ1937年のジュリアン・デュヴィヴィエ監督、ジャン・ギャバンとミレーユ・パラン主演のフランス映画『望郷』も大好きです。舞台はアルジェリアのカスバ。この地は当時フランスの植民地でした。パリ万博などの年でもありますが、ヨーロッパでは第一次世界大戦で敗北したドイツ軍が勢力を拡大し、あの第二次世界大戦へと突入してゆく僅か前の時期。そしてフランスは長くドイツ、ナチスの占領下でもありました。また、当時のアジアはヨーロッパ諸国の植民地でありました。大東亜戦争とも太平洋戦争とも呼ばれる大きな世界大戦。日本は強国アメリカと戦うことになるのですね...。


 セルジュ・ゲンスブールもこの『Mon Legionnaire』をカバーしています。セルジュの場合の邦題は『おれの外人部隊』です。アレンジも曲の雰囲気もすっかりセルジュ風になっています。吐き捨てるように実にクールに“モン・レジオネール"と歌う、その表現にセルジュなりの嫌悪をも感じます。少年時代の忘れられない光景がシャンソンと共に刻まれている、そんなセルジュの表現に私はなにか共感を覚えるようなのです。

マリアンヌ・フェイスフル:MARIANNE FAITHFULL / ブロークン・イングリッシュ:BROKEN ENGLISH(1979年)

2013-05-13 | 好きな音楽

★この週末は1979年前後の英国、そして日本のことを考えていました。ちょっと好きな曲を歌う練習も小声でしたり、勝手に超訳してみたり。ザ・クラッシュの「ロンドン・コーリング」と同じ1979年リリースの、マリアンヌ・フェイスフルの『ブロークン・イングリッシュ』が連想されました。このアルバムも80年代初めに日本盤のレコードで購入したのですが、やはりこのデニス・モリスが撮ったアルバム・ジャケットに魅せられたからです。呪詛とも称されるお声のマリアンヌ・フェイスフルの最初に聴いたアルバムです。同じ頃、ニコの『ジ・エンド』を知りました。お二人共、私の大切なミューズです。重いアルバムから聴き、さらにお若き日のアルバムや曲を知る中で、お声も様相も60年代、70年代、80年代と変容されて行ったことに、10代の私には何か戸惑いのようなものもあった気がします。

 ザ・クラッシュもそうですが、この「ブロークン・イングリッシュ」でもイギリスの危機を歌っています。下の映像はデレク・ジャーマン監督によるものです。今の時代とは異なり、当時はアメリカとソ連による冷戦時代。そして、1979年は日本も大きな影響を受けた世界的な石油危機(戦後2度目の)でした。中東戦争も勃発しました。戦後、世界は東西に分かれました。それはアメリカやイギリス、フランスなどの資本主義国と、ソ連や中国などの共産主義国に。1985年のゴルバチョフのペレストロイカ声明まで、一触即発という核戦争の恐怖が現実味を帯びていたのです。核を保有しない日本はアメリカの核の傘なるものに守られて、それを信じて今に至ります。もうその傘はぼろぼろです。あの第二次世界大戦だって、アメリカが日本に対し徹底的に石油輸出を禁止した。もう引くに引かれぬ状況に追い込まれ敗戦の一途を辿る。腑に落ちませんが、GHQによる占領政策と国家解体はじわりじわりと今もまだ効力はあるのでしょう。

 1979年のイギリスは日本以上の大不況で、米ソによる第三次世界大戦も?!という危機感がこれらの曲にも大きく反映されています。イギリスは保守党と労働党の二大政党で、この年に英国初の女性首相サッチャーが誕生。日本と異なり、右派左派、国民が国を案じ声を上げます。そしてその国民の声は連帯となり大きくなるのです。愛国心はどの国にも自然とあるもの。日本だけは戦後タブー視され、日本人でありながら国家解体を目論む人達が右左関係なくいる。保守とは日本を、国体を護ることだと思います。日本に保守政党があるとすれば、やはり嘗ての自民党内の若き異端児たちの青嵐会(幹事長は石原慎太郎氏で、中川昭一氏のお父様の中川一郎氏もおられました)、そして日本維新の会の所謂、石原維新(太陽系とも云われる)の少数派の政治家方。これらの少数派の主張を煙たがる人達が実は大きな権力を持っているのかもしれませんね。左派も劣性。私は共産主義者ではありませんが、もう、最も歴史のある政党の日本共産党ですら教条主義。嘗ての日本共産党は自民党より、ずっと愛国心に基ずく主張を感じたものです。その反米の筈の日本共産党の強い領土意識には賛同するものの、嫌いな筈の米国による占領体制を保守しているように思えます。また、自民党は保守政党ではないと思います。それこそ、占領時代から未だに脱却できずにいる米国追従の親米保守と呼ばれる安倍政権などが顕著。もう保守も革新もごちゃ混ぜ。ユーロ危機を迎える今ですが、イギリスはユーロに加盟しなかった。イギリス・ポンドを守ったのです。フォークランドも護りました。サッチャー首相の大英断です。日本は土下座外交が続き誇りすら失いつつあるように思えてなりません。何が96条から改正でしょう!占領憲法は無効なのですから、廃棄して明治憲法を今に合うように改正してゆくという、先の国会でも長年の持論である石原慎太郎氏がおっしゃいました。TPPも遺伝子組み換え食品の件だけではなく問題が多々あると。

 中国、韓国、ロシアとの領土問題も抱えている日本です。いつまでも米国追従で良い筈がありません。自民党には親米、親韓、親中と色々。TPP参加は明らかに公約違反なのに、党内の反対派の声も聞こえない。それでも、一部の企業や投資家は大喜びのアベノミクス。問題の第三の矢はさらに危険な気がします。日本人の10代、20代の若き人々の失業率の惨憺たる現状が、さらに移民政策により失われてゆくのでしょう。この移民問題は今、世界中で問題であり悲惨な事件も起きています。多文化共生を望みながらも、優先すべきものは日本であり、日本人の生活ではないでしょうか。夢物語を語るのは簡単ですが、その先は恐ろしい惨状が目に浮かぶかの様です。もっと議論と説明が必要なのに、どんどん勝手に政府が進めてゆく。自民党の高支持率?民主党政権を生んだのは国民。メディアに煽られ世論は風任せ。新しい自民党になった?そうは思えないです。長年の経験はあるものの、自民党は変わっていない。なので今も、国民不在と揶揄されるのでしょうね。

 私は国粋主義も嫌なのですが、日本が貶められ続けることはもっと嫌です。これからの子供達の世代はもっと不憫でしょう!憲法改正発議大賛成!遅すぎるくらい(個人的には占領憲法は無効論に賛同しています)。このままではいつか日本という国はすっかり様変わりしてしまうのかも、と危惧します。何を護る?国体って?八百万の神が宿る神話を持つ日本。その最高の司祭とは、どこにも明記することでもなく、天皇陛下なのだと思います。戦後体制からの脱却は、占領憲法を廃棄すること、その議論からさえ逃れようとする自称保守の方々も教条主義に陥っているように感じてなりません。日本だけではなく、他の古い歴史を持つ国々の文化や伝統からの学びは尊いものです。私の拠り所は多分にそれらからの教示であるように思えます。音楽や映画はテレビや新聞メディアよりも、ずっと私の先生たちなのだと痛感します☆


ザ・クラッシュ:THE CLASH / ロンドン・コーリング:LONDON CALLING (1979年)

2013-05-10 | 好きな音楽

 ★今日の思い出のレコード・ジャケットはザ・クラッシュの『ロンドン・コーリング』です。ペニー・スミスによる写真の1979年、3rdアルバムですが、私は80年代に入ってから知りました。1stの『白い暴動』を先に買いました。3枚組の『サンディニスタ!』は定価が高くてなかなか買えませんでしたが、今ではオリジナル作品は全て聴いています。そして、おそらく私の一等好きなパンク・バンドはこのザ・クラッシュだと思います。ピストルズは既に解散していたので当時を知らない。もの凄い衝撃を人々に与えたというお話をお聞きする度に、もう少し早く生まれていたかったな...とも。

MTVでこの「ロンドン・コーリング」のビデオクリップを観たのはいつ頃だったでしょうか。もう釘づけ状態でブラウン管の真ん前で必死で眺めていました。かっこいい!!とサウンドと彼等のルックス、殊にジョー・ストラマーの眼差し、ポール・シムノンの美形さが強烈でしたが、ミック・ジョーンズ、トッパ―・ヒードンの4人から伝わるスピリットが、超平和ボケのシラケ世代の私の心に何かが突き刺さったのだと思います。パンク詩人、ロック詩人が好きです。ジョー・ストラマーは正しく詩人でした。もう亡くなって10年が過ぎましたが、彼等の訴えていた言葉の尊さが、所謂数多のファッション・パンクではない、叫びのような声であったことが今の私には重く深く感じられます。1979年のイギリスは不況のどん底だった。初めての女性首相サッチャー政権が誕生。右派左派、国民が立ち上がり英国を護ったのだと思います。

 

 1982年の来日公演の映像がありました。来日情報は得ていたのですが、まだ門限が夕方6時だった私は行けませんでした。このライヴで、ジョー・ストラマーは「団結」と、トッパ―・ヒードンは「神風」と記されたはちまきをされています。若き青年たちが国のため、愛する家族のために特攻隊として尊い命を失いました。この特攻隊は日本だけのもの。複雑な想いもあるのですが、彼等の青春を無駄にしてはいけないと思います。隣国の反日国はこの映像を観るとまた抗議したりするのでしょうか。馬鹿げています。戦争なんて無くなればいい!でもそんな日は来ない。勝った国、負けた国、其々多くの兵士や人々の命は失われたのです。その人々がどこの国であろうとも、それらの英霊に哀悼の意を表することは、政治的イデオロギーとは別のことだと私は思っています。いつかザ・クラッシュのライヴに行きたい、と思いながら一度も機会は廻らずバンドは解散しました。でも、決して過去のバンドではないのです。ジョー・ストラマーが亡くなる少し前に、ザ・クラッシュはロックの殿堂入りを果たしました。当然ですね☆

  


THE SMITHS / THIS CHARMINGMAN ★ ジャン・コクトーの映画『オルフェ』のジャン・マレー♪

2013-05-03 | 好きな音楽

★今日の思い出のレコード・ジャケットは、ザ・スミス(THE SMITHS)の1983年の2ndシングル、『THIS CHARMINGMAN』の美麗ジャケットです。友人に「Rough Trade」の作品を全てコレクションされているお方がおられますが、私も大の「Rough Trade」好きでしたので、所謂レーベル買い、というお気に入りの英国インディー・レーベルでした。ザ・スミスはモリッシーというヴォーカリストとジョニー・マーという、希代のヴォーカリスト&ギタリストがいるので、日本にも旋風が巻き起こったのでした。アルバムが発売される前のシングルを幾度も聴いていた、あの様な感動は稀な事で、滅多に遭遇出来ない言葉に出来ない心の躍動があったように思えます。

サウンドは勿論なのですが、やはりレコードはジャケットも芸術品です。ご覧ください!この美麗なジャケットに写るのはジャン・マレーです。ジャン・コクトーの1949年の名作映画『オルフェ』のワン・シーンです。私はまるでポスターを買う様な気分で大きな12インチ・シングルを先に買いました。後に7インチも欲しくなり買いました。まだアルバム発売前でしたので運良く輸入盤屋さんで買えましたが、もう少し後からはなかなか入手し難くなっていたと思います。そう云えば、シュガー・キューブスのシングルを買いそびれ、友人に録音して頂いたりしていた事などを思い出します。 スミスやモリッシーのコレクターは大変だろうと思います。彼ら自身がレコードを愛するお方ゆえに、殊にシングルに対する拘りは強く、各国版、収録曲などをチェックしていたら全部欲しくなるからです。コレクター泣かせ、というのでしょうか。

ザ・スミスのビデオクリップを初めて観た折も感動しました。モリッシーはゲイのお方なのだな、うん、それでいい!なんて妙に納得したり。グラジオラスのお花を手に、また映像にも噎せ返るような花びらたち。ジャン・ジュネの小説を読んだ折の気分に似た薫香が蘇るかのようです。 便利な時代です。ジョイ・ディヴィジョンの1980年のシングル曲「Atmosphere」がジャン・コクトーの『オルフェ』と共にありました。このザ・スミスのジャケットに使われた場面も登場します。私の麗人図鑑にもジャン・コクトー、ジャン・マレーはどちらもおられます。それがどうした?って感じですが、幼き頃からジャン・コクトーはたいそう好きな総合芸術家なので贔屓目いっぱいになってしまうのです。

 ※蛇足ながら、まだ英国ほどのスミス旋風が日本に上陸していなかった当初、ある英語力に長けた先輩が「スミスズ」の話題をされていて、後輩の私は何か変だなあ...と思いながらお話を聞いていたものでした。何となくこの場合は「ザ・スミス」だろうって、感覚で察知していたのですが、確証など何も無かったのでした。そうした中、「Fool's Mate」の記事で「ザ・スミス」と記載されたのを読んだ折は、ちょっと誇らしく思えたものでした。

 


歌姫礼讃!★ケイト・ブッシュ:KATE BUSH / バブーシュカ:BABOOSHKA (1980年)

2013-05-01 | 好きな音楽


★28日のイベントで得たこと。何年かぶりにお会い出来た方々とのひと時の会話の中で、その方々が其々に当店との想い出を忘れずにいてくださるということを実感しました。あるお方は高校生の折に初めてVelvetで買ったレコードのことを、そしてあるお方は大学生の折に初めてご来店くださり、その店内にディスプレイしていたフランス・ギャルのレコードのことなど。そして、カウンターには私が居たのだと。かけがえのない財産を私達は得ている。こうした方々のお陰で今も頑なにVelvet Moonで有り得ているのだと感謝しています。

初めて買ったレコードの事って、やはり強烈に覚えているものですよね。私は女性ヴォーカルが大好きで、ジャンルも問わず、様々な年代のお国の女性ヴォーカルを愛好し続けています。その原点は紛れもなくケイト・ブッシュです。『魔物語(Never for Ever)』という1980年の3rdアルバムからがリアルタイム。今はどのケイトの作品も其々に好きですが、もうこのアルバムの衝撃は一生忘れないと思います。何回聴いたでしょう!アルバムのオープニング曲は「バブーシュカ」です。まったく色褪せる事も無く、聴き飽きる事も無い。やはりアート・ロックの系譜はとても好きです。