薔薇色ファンタジー★ヴェルヴェットの小部屋

色褪せぬ美しきもの・映画・音楽・文学・絵画等。ヴェルヴェット・ムーンのサブchouchouの偏愛日記です。忙中有閑♪

歌姫礼讃!★エディット・ピアフ:EDITH PIAF / 私の兵隊さん:MON LEGIONNAIRE (1937年)

2013-05-22 | 好きなシャンソン
 エディット・ピアフの代表曲である『Mon Legionnaire』は、邦題の『私の兵隊さん』として日本でも長く親しまれているシャンソンの一つではないでしょうか。この1937年頃のピアフはまだお若く、“モーム・ピアフ”と呼ばれていた頃です。モームとは小娘という意味で、12歳から歌い始めたピアフながら歌手としてはまだこれからという21歳の頃。この曲の創唱はマリー・デュバで、作詞はレイモン・アッソ、作曲はマルグリット・モノーによるものです。

私は彼の名前も何も知らない
でも彼は一晩中愛してくれた
私の外人部隊の兵隊さん
そして私を運命にゆだねたまま
その朝、去ってしまった
朝の光の中へ

彼はやせていて美しかった
彼は熱い砂のいい香りがしていた
私の外人部隊の兵隊さん
彼の額に陽がさしていて
そのブロンドの髪が
輝いていた


 同じ1937年のジュリアン・デュヴィヴィエ監督、ジャン・ギャバンとミレーユ・パラン主演のフランス映画『望郷』も大好きです。舞台はアルジェリアのカスバ。この地は当時フランスの植民地でした。パリ万博などの年でもありますが、ヨーロッパでは第一次世界大戦で敗北したドイツ軍が勢力を拡大し、あの第二次世界大戦へと突入してゆく僅か前の時期。そしてフランスは長くドイツ、ナチスの占領下でもありました。また、当時のアジアはヨーロッパ諸国の植民地でありました。大東亜戦争とも太平洋戦争とも呼ばれる大きな世界大戦。日本は強国アメリカと戦うことになるのですね...。


 セルジュ・ゲンスブールもこの『Mon Legionnaire』をカバーしています。セルジュの場合の邦題は『おれの外人部隊』です。アレンジも曲の雰囲気もすっかりセルジュ風になっています。吐き捨てるように実にクールに“モン・レジオネール"と歌う、その表現にセルジュなりの嫌悪をも感じます。少年時代の忘れられない光景がシャンソンと共に刻まれている、そんなセルジュの表現に私はなにか共感を覚えるようなのです。