原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見 作成日時 : 2012/01/21 12:35
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原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見
素晴らしい資料なので、勝手にお借りしました。ありがとうございます。
●原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見
2011/10/4(火) 午後 8:18対日地震攻撃
「NO.2048(右上。製造番号)
1923年諸君の国に大損害を及ぼした、かの大地震を記憶しているか。米国はこれに千倍する損害を生ぜしめる地震をつくり得る。かくのごとき地震は、二トン半ないし四トンの包みにして持ってこられる。これらの包みはいずれも数年間をかけた苦心さんたんの賜物を二、三秒間内に破壊しうるのである。米国式地震を注目して、この威力が放たれた際に大地の震動を感知せよ。諸君の家屋は崩壊し、工場は消失し、諸君の家族は死滅するのである。米国式地震を注目せよ―諸君はそれが発生するときを知るであろう。」
赤字部分の私の解釈
「地震は、2トン半から4トンの原爆でおこせる。この原爆は、アメリカが数年間をかけた苦心惨憺の開発の上完成したものだが、これを2,3秒で起爆できる。」
これは、太平洋戦争中にアメリカ軍が日本本土に空からまいた伝単(宣伝謀略ビラ)です。いつどこでまいたのか、あるいはけっきょくまかなかったが戦後まで残ったのかは不明ですが。下記の本から使わせていただきました。
典拠「宣伝謀略ビラで読む、日中・太平洋戦争」P187 一ノ瀬俊也著 柏書房株式会社 2008年
話はさかのぼりますが、
太平洋戦争中の1944年12月7日の東南海地震は愛知県や紀伊半島中心に甚大な被害をもたらしました。
この地震は、NHKの番組による暗示やリチャードコシミズ氏の主張にもあるとおり、(公式には1945年中に完成だが実際は)開発済みであったかもしれない原爆を、アメリカ軍が1944年中に紀伊半島沖の海底に埋め込むか、海底に置き、これを起爆して人工的におこしたものであったかもしれないのです。
その理由は、
①この地震が、真珠湾攻撃(つまり日米戦争勃発の日)からぴったり3年後の12月7日(日本では12月8日だが、その一日前におきたことにむしろ深い意味)におき、日本は意気消沈、アメリカは大喜びで、アメリカ国内で新聞報道されており、自然におきた地震にしてはあまりにもタイミングがよすぎ(911や311もきまって「11日」におきていることを想起)、確率的にみてあまりにも不自然。
②地震直後に「地震のつぎは何をお見舞いしましょうか」という、B29による伝単が空からまかれたという。実際そのあと名古屋市空襲が続いた。あらかじめ、予定した地震であるから、大地震→名古屋空襲という、スムーズな連続攻撃ができたのではないか。
③当時の地震計の記録による波形が、紀伊半島沖震源であるにしては、ある程度の距離があるにもかかわらず、P波の振動が波形にほとんど残っていない。
これに対し、②は「地震がおきたことを知ったアメリカ軍が、それを利用しておどしをかけたにすぎず、人工地震であるとはいえない」という反論がありました(コシミズブログへの投稿)。
わたしはコシミズ氏のほうに賛成です。その理由は、上記①~③以外に、以前紹介しましたOSS(CIAの前身)文書に、「地震をおこして日本人をおどかしてやれ」とあるからです(書庫「人工地震機密文書」参照)。
すなわち、
当時の情報宣伝謀略機関であったOSS作成で、1990年代になって機密解除されてでてきた作戦計画書「Psychological Warfare Earthquake Plan 1945心理戦争地震計画1945」があります。この計画書自体は、推定1945年6月ごろの立案ですので、東南海地震よりもあとですが、「爆弾(原爆使用の可能性も明示)使用による人工の地震惹起によるパニック誘導」作戦を積極的にすすめるべき、と主張している点で、この文書よりも前からすでにその実行ははじまっていたと考えても、不自然とはいえません。
あらためて文書の一部を、英語・日本語翻訳対照で、下に示しますが、とくに青線と赤字に注意してください。
翻訳(11ページあたりから)
Impetus is greatly added to the already established scientific plausibility of triggering this earthquake potential by the recent revelation of the atomic bomb. With a manifoldly greater amount of destructive force in a single atomic bomb the plausibility of triggering the earthquake potential is brought further toward the realm of practically.
この地震の潜在力に引き金を引くということの科学的可能性については、最近原子爆弾ができたことで、さらに大きな推進力が加わった。わずか一個ではるかに大きい破壊力をもつ原爆の発明は、地震の潜在性に引き金を引く可能性に関し、実現可能性をさらに前にすすめた。
This also posed the possibility that the explosive force of an atomic bomb may set up, deep within the earthquake blocks, a seismic wave, the result of radio activity set loose. This may expedite the trigger hour, or by itself increase the external pressures forcing the blocks to make a sudden adjustment in an attempt to recover their equilibrium
このことはさらに、原子爆弾の破壊的威力で、断層帯の地下深くで地震をおこし、地震波や結果として放射能も放たれる可能性を増した。これが引き金を早めるか、あるいは爆破自身が圧力をかけ、地層間の均衡を回復するこころみとしてとつぜん調整をおこすかもしれない。
(12ページ)
On the basis of the scientific plausibility of triggering this earthquake potential by atomic and large scale intensified bombing lies the foundation for our psychological plan to combine, within the minds of the Japanese, the additional fear of earthquakes being caused by the radio-active destructiveness of the atomic bomb.
原子爆弾と大規模爆撃で地震の引き金をひくという科学的可能性をもとに、われわれはこれに心理計画を結びつけ、日本人の心に、原子爆弾の放射能破壊力でおこした地震の恐怖を付け加える。
INSTRUMENTS TO BE USED;
使うべき道具
1) Magazine: The ground-work for all the media to be used would be a pseudo-scientific inserted in a counterfeit Japanese magazine. This article would purport to have originated with Japanese scientist and would contend that the prime purpose of the Allies, in further intensifying their bombings, is to bring about a calamitous earthquake. The article would then go on to raise arguments relative to the feasibility of triggering the home earthquake potential by heavy explosives, and, especially, the new atomic bomb. Further counterfeit articles, signed by individual Japanese seismologists, in crediting or denying the possibility of realizing this end, would keep the fear of earthquakes paramount in the minds of the Japanese people.
1)雑誌 メディアを使用する基礎作業として、まず偽の日本の雑誌に載せた疑似科学記事をつくる。この記事は、日本の科学者が書いたように装い、「連合軍の第一の目的は、さらに爆撃を激しくすることで、破局的な地震を起こすことにある」と結論づけさせる。この記事は次に日本国内で潜在的におきそうな地震の引き金を引くことが、激しい爆撃、あるいはとくに原子爆弾という新しい兵器で可能であるのかについての議論を喚起する。さらにこのニセ記事は、筆者を日本の地震学者にしておき、この目的実現が「可能である」か「できない」かのどちらかをいわせ、日本人の心が地震の恐怖でいっぱいになるようにする。
2) Leaflets would follow the appearance of the counterfeit articles and would give detailed instructions as to the precautionary measures to be taken in the event that the earthquake does occur. In these leaflets, the current (Page 13) air-raid regulations would be revised to incorporate new measures necessitated by the expected earthquake. These leaflets could be distributed in occupied territory by our agents in China, or dropped from B-29s.
2)ニセ記事のあとには、ビラをまく。そこで地震が起きる際にどのような対策を講じるべきかのくわしい解説を書く。このビラには、現在の(ここから13ページ)防空規則は、地震発生が予期されるからこれへの対策のため、変更されると書く。このビラは中国にいるわれわれのエージェントに、占領地域で撒かせるか、もしくはB29から撒く。
(あとは省略)
翻訳部分おわり
わたしの結論
「東南海地震は、ただの自然の地震で、伝単ビラは自然の地震を利用した、ただの脅しにすぎない」という説が正しいか、正しくないか、という件で、わたしの見解を述べます。
① それなら、どうしてOSS文書で「地震をおこせる」といい、「地震をおこすという脅しの宣伝をいろいろなメディアでまく」といっていて、しかも、このことと合致する伝単ビラがほんとうに存在するのか?これはOSS文書がにせものではなく、伝単もほんものだからではないか?
② 原爆などの爆弾でも「地震をおこせない」なら、「起こせない」が「起こせるがごとくよそおっておどかす」と書いていないとつじつまがあわないし、起こせもしないものをおどかしてもむだだから、そういうバカバカしいことは実行しないだろう。
(きょうは以上です)
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