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リートリンの覚書

古事記 中つ巻 現代語訳 九十六


古事記 中つ巻 現代語訳 九十六

古事記 中つ巻

赤い玉


書き下し文


 また昔新羅の国王の子有り。名は天之日矛と謂ふ。是の人参渡り来つ。参渡り来つる所以は、新羅国に一つの沼有り。名を阿具奴摩と謂ふ。此の沼の辺に、一の賎しき女昼寝す。是に日の耀き虹の如く、その陰上を指しき。また一の賎しき夫有り。その状を異しと思ひ、恒に其の女人の行を伺ふ。故是の女人、其の昼寝の時より妊身み、赤玉を生む。尓して其の伺へる賎しき夫、其の玉を乞ひ取り、恒に裹みて腰に着けてあり。



現代語訳


 また昔新羅(しらき)の国王(こにきし)の子が有りました。名は天之日矛(あめのひぼこ)と謂います。この人が参(まゐ)渡り来ました。参渡り来た所以(ゆゑ)は、新羅国に一つの沼が有りました。名を阿具奴摩(あぐぬま)と謂います。この沼の辺で、一(ひとり)の賎(いや)しい女(をみな)が昼寝をしていました。ここに日の耀虹(ひかりにじ)の如くが、その陰上(ほと)を指しました。また一の賎しい夫(をとこ)が有りました。その状(さま)を異(あや)しと思い、恒(つね)にその女人(をみな)の行(わざ)を伺いました。故、この女人が、その昼寝の時より妊身(はら)んで、赤玉(あかだま)を生みました。尓して、その伺っていた賎しい夫は、その玉を乞い取り、恒に裹(つつ)んで腰に着けてありました。


現代語訳(ゆる~っと訳)


 また昔、新羅の国王の子がいました。名前は、天之日矛といいます。この人が海を渡って来ました。

渡来した理由は、新羅国に一つの沼がありました。名を阿具奴摩といいます。

この沼のほとりで、1人の身分の低い女性が昼寝をしていました。すると、そこに太陽の光が虹のように輝いて、その女性の陰部を射しました。

また、1人の身分の低い男性がいました。その男は、その状況を見ていて、不思議なことだと思い、常にその女性の行動を伺っていました。

すると、この女性は、昼寝している時に妊娠して、赤い玉を生みました。

そこで、女性の様子を伺っていた身分の低い男性は、女性に頼んでその赤い玉を受け取り、常に物に包んで腰に付けていました。



続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。







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