
大東京ビンボー生活マニュアル 前川つかさ 著
この漫画、元はずいぶん古いものです。確か単行本が出たのは1990年ごろだったか。それが復刻版として上下巻で出版されました。本屋で見かけた瞬間、すぐに手に取ってました。
マニュアルと銘打ってますが、主人公コースケの日常を描いたショートストーリーです。で、この主人公、今で言うところのフリーター、あるいはニートか?でも当時で言うならプー太郎だろうな。田舎から東京に出てきて大学に通い、卒業後は安アパートに住み、アルバイトで食いつなぐ生活を、もう何年もしています。
そんな主人公ですが、決してみみっちいことも無く、むしろ羨ましいぐらいの日常を過ごしています。この漫画をはじめて読んだのは中学生のとき、兄貴の部屋に単行本を見つけたときです。そのころは別に面白いと思った記憶は無いんだよなあ。ただ不思議とよく繰り返し読んでました。
その後何年か経って、大学進学も決まり、大阪のある町で一人暮らしを始めることにし、住むところを探しにいった時です。唐突にこの漫画のことを思い出しました。その時はちょうど、学校の紹介にあったとある下宿屋を見に来ていました。6畳一間、流し付きの畳部屋、トイレ共同・風呂なしの物件です。
ああ、これってコースケとおんなじだ。
そんな風に思い出しました。下宿をこの物件に決めたのも、この印象があったからかもしれません。
そしてはじまった一人暮らし。その時本は持ってなかったのに、ビンボー生活マニュアルに書いてたことをなぜかよく覚えていていろいろやりましたよ。食生活で、たとえば牛丼。コースケとおんなじように食べてみました。その食べ方とは、
①牛丼とビールを頼み、
②牛丼の具だけを肴にビールを飲む。
③残したご飯に今度はショウガをたっぷりと乗せ、
④熱いお茶をかけてショウガ茶漬けを愉しむ。
一杯で2度おいしいってなもんだ。これがまたなかなかうまかった。店員にはかなり変な目で見られたけどな。ちなみショウガ茶漬けにするつもりなら生卵は絶対だめ。まったくおいしくありません。
そして牛丼のもうひとつの愉しみ方。牛丼弁当を買って、すぐには食べず冷蔵庫へ。それを翌日、フライパンでごちゃ混ぜに炒めて牛丼やきめしにして食べるのだ。これもまた意外なおいしさ。ただしあまり強火で炒め過ぎると、ツユがこげてあまりおいしくなかった。
あらためてこの本を読んでいて思ったのは、ほんとに俺はこの本からいろんな影響をうけていたんだな、ということ。食生活以外にも、自分の行動のいくつかは確実にコースケをまねたものだということ思い知りました。マンガの影響を受けていたからといってぜんぜん嫌じゃないし、むしろ好ましくも思うわけで。
だからこそ、この本は自分の根っこになっていたんだなあと、しみじみ感じている
冬の夜なのだ。
この漫画、元はずいぶん古いものです。確か単行本が出たのは1990年ごろだったか。それが復刻版として上下巻で出版されました。本屋で見かけた瞬間、すぐに手に取ってました。
マニュアルと銘打ってますが、主人公コースケの日常を描いたショートストーリーです。で、この主人公、今で言うところのフリーター、あるいはニートか?でも当時で言うならプー太郎だろうな。田舎から東京に出てきて大学に通い、卒業後は安アパートに住み、アルバイトで食いつなぐ生活を、もう何年もしています。
そんな主人公ですが、決してみみっちいことも無く、むしろ羨ましいぐらいの日常を過ごしています。この漫画をはじめて読んだのは中学生のとき、兄貴の部屋に単行本を見つけたときです。そのころは別に面白いと思った記憶は無いんだよなあ。ただ不思議とよく繰り返し読んでました。
その後何年か経って、大学進学も決まり、大阪のある町で一人暮らしを始めることにし、住むところを探しにいった時です。唐突にこの漫画のことを思い出しました。その時はちょうど、学校の紹介にあったとある下宿屋を見に来ていました。6畳一間、流し付きの畳部屋、トイレ共同・風呂なしの物件です。
ああ、これってコースケとおんなじだ。
そんな風に思い出しました。下宿をこの物件に決めたのも、この印象があったからかもしれません。
そしてはじまった一人暮らし。その時本は持ってなかったのに、ビンボー生活マニュアルに書いてたことをなぜかよく覚えていていろいろやりましたよ。食生活で、たとえば牛丼。コースケとおんなじように食べてみました。その食べ方とは、
①牛丼とビールを頼み、
②牛丼の具だけを肴にビールを飲む。
③残したご飯に今度はショウガをたっぷりと乗せ、
④熱いお茶をかけてショウガ茶漬けを愉しむ。
一杯で2度おいしいってなもんだ。これがまたなかなかうまかった。店員にはかなり変な目で見られたけどな。ちなみショウガ茶漬けにするつもりなら生卵は絶対だめ。まったくおいしくありません。
そして牛丼のもうひとつの愉しみ方。牛丼弁当を買って、すぐには食べず冷蔵庫へ。それを翌日、フライパンでごちゃ混ぜに炒めて牛丼やきめしにして食べるのだ。これもまた意外なおいしさ。ただしあまり強火で炒め過ぎると、ツユがこげてあまりおいしくなかった。
あらためてこの本を読んでいて思ったのは、ほんとに俺はこの本からいろんな影響をうけていたんだな、ということ。食生活以外にも、自分の行動のいくつかは確実にコースケをまねたものだということ思い知りました。マンガの影響を受けていたからといってぜんぜん嫌じゃないし、むしろ好ましくも思うわけで。
だからこそ、この本は自分の根っこになっていたんだなあと、しみじみ感じている
冬の夜なのだ。
もちろん、全巻もってるよ。
そうそう、大学時代にあーゆー生活をしていたのはいい思い出です。
そして大学時代が思い出として話せるようになっている自分に、感慨深いものも感じたりするわけで。