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ボストン爆弾テロ犯、FBIが過去に聴取

2013-04-21 | 気になったニュース



ボストン爆弾テロ犯、
     FBIが過去に聴取


(CNN) 米ボストン・マラソンで発生した連続爆弾テロ事件で、
米連邦捜査局(FBI)当局者は20日までに、同市郊外ウォータータウンでの警官との銃撃戦で
死亡したタメルラン・ツァルナエフ容疑者(26)を2年前に聴取し、
テロ組織とは無関係の事実を把握していたことを明らかにした。(CNNニュース)


トヨタのCMで、●●を日本のボストンに・・などというくだりがあって、
このタイミングでオンエアーするか、という声がネットで聴かれたが、
個人的には私は「神戸マラソン」の参加申し込み開始が22日からなので、
そっちに影響が出るのではないかと、すこし心配している。

それにしても悲惨で恐ろしいテロの発生と、
容疑者2人の1人は死亡、残る1人の逮捕、
という展開はすさまじく速かった。

監視カメラに加えて、
沿道に持ち寄られた《映像を記録する装置》の膨大さ、
映像のクリアさ、
それはもう、かつての想像の域をはるかに超えているとしかいいようがない。

9割を超える《銃規制法案》への賛成と、議会による門前払いのような却下。

そして繰り返される悲劇。

今回はたった2人の犯人と警察側とによるすさまじい銃撃戦があったと聞く。

もし、厳しく銃規制が行われていたならば、
当然、多くの銃を所持することは当局側の管理下におかれることになっていただろうし、
すべての公共交通機関を停止させ、住民を外出禁止下においての、
街なかでの激しい銃撃戦は起こりえなかったのではないか。


犯人確保のその瞬間に、ひとびとは戸外に出て歓声をあげ、
喜びを分かち合ったという。
犯人逃亡により、不安と恐怖に陥れられていたことへの反作用と、
緊張からの開放感があるだろう。

でも、こういうとき、日本人とはまったく反応が違うなあと思わざるをえない。

日本人だったら、死者3名と170名を超える負傷者に想いをはせ、
静かにその死を悼むと思うのだ。
あるいは、その同時代性から、
自分が標的になったかもしれないひとりとして、
犯人の憎悪が何にたいしてであり、また、
なぜ、自分が標的になったかもしれないのか、そのことに想いをはせると思う。
そして、自分の代わりにかもしれない、
犠牲になった人がなぜ亡くならなければならなったのか、
そのことを考えて、喪に服すと思うのだ。

日本で昔、三菱ビル無差別爆破、というような事件が起こったとき、
その社会に等しく生きている人間として、
犯人が憎悪する資本主義を構成する人間として
責任を負わなければいけないのだろうか、と思った記憶がある。

遠く離れた国の、
その国の政治や紛争に深く介入していくアメリカ。

ベトナムやイラクや、イスラエルや・・・
さまざまな異国の地で、夥しいアメリカの兵士も犠牲になっている、と夫は言う。
でも、それはアメリカの国民と切り離された事だと私は思う。
アメリカが市民を誤爆するようには、
アメリカではどこかの国による戦闘行動で犠牲になる市民はいない。
だから、9.11でアメリカ本土でのテロが起こるべくして起こったのだろうと思うのだ。


今回の展開の驚くべきスピーディな展開。
犯人の死亡と逮捕、ということで、
アメリカ人はもう処理済の案件として、
トラウマを癒そうとするのだろうか。
いや、そんな単純に乗り越えられるものでもないだろうが。
なにしろ、白昼堂々の犯行であり、
十代と二十代の、特に大きな組織と密接な関係があった様子も見えない人間が(今現在は)
あんなに易々とこの世の地獄を作り出して見せたのだから。


この事件とはまったく関係がないのだが、
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の
「バトルランナー」というSF映画を反射的に思い出した。

テレビが最大の娯楽になった2017年、
シュワルツェネッガーは容疑者の身となり、
テレビカメラをかいくぐって逃げるのだが、
テレビでは別人の容疑者が追い詰められ(銃撃され)る様子が映されていた。
犯人は誰でも良い、追い詰められ、捕縛されることが
国民の興味と安心を満足させるために必要なのだ、というようなラストシーンだった。

今回の事件の犯人が冤罪だとは言わないが、
すさまじい勢いで展開した経過が、
そして歓喜する様子が、
怖いなあと思ったのだった。

犯罪と犯人確保だけでなく、
その犯罪の原因と犯罪の背後にあるものを
しっかり究明してほしいものだ。


ボストン爆弾テロ犯、FBIが過去に聴取 過激派との接触なし
               (CNNニュース)


今現在、過激派との接触は見つからないようだ。
でも、ひとが何かにのめり込むのにはそう時間はかからないだろうし、
何かの思想、哲学に深く共感すればするほど、
理性を失うほどに支持することだろう、
特に後になれば相対的に考えられるようになることも、
早期は危険なほどに熱狂するものだ。


今回も「あんなことをするなんて」と
犯人の身内のひとたちが嘆いていたが、
そろそろ、個人がたったひとつのパーソナリティで
構成されているものではないということを、
考えたほうが良いと思う。

親や、友だちや、嫌いな人、無関係の他人、
人間はそれぞれに対峙する時、
異なった個性ともいうべき対応をするものなのだから。

親戚にたいしてとても良い子だった人間が
そのまま、アメリカとアメリカ国民に対峙するなら、
今回のような卑劣で陰惨な事件が起こるはずもないのだ。


個人的にはすごくいろいろなことを考えたし、
テロが日常生活を襲う、そのリアリティに恐怖した。
日本だって、日々、その不安と無縁ではないのだと
あらためて思った・・・。

事件で犠牲になった3名の方のご冥福をこころから祈りたい。






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2 コメント

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こんにちわ~ (micc)
2013-04-21 13:30:00
アメリカ国民が犯人逮捕に歓喜しているのは映像として目にしてなくて、
この樹さんの文で初めて知りました。

確かに日本人とは反応が違いますね。

私は監視カメラに写ったハッキリ過ぎだ映像から銃撃戦という展開に
「えっ?そんなに早く犯人って決定?で射殺?!」
とドラマでも見てる気分でした。
そんなに早く簡単に進むのかと。


日本では犯人逮捕→裁判の流れから外れることは滅多にないですから。

神戸マラソン、あまり影響が無いことを祈ってます。
日本中の警察が大きなイベントへの警戒にピリピリするのは必至ですが
我々市民もそんな警察への理解と協力は頭に入れておかなくては、です。


それにしても、
歓喜のアメリカ国民を思い浮かべて、
大多数のアメリカ人がその光景に違和感を持たないのだろうか?と考えると
ちょっと国民性の違いがコワイですわ。

全く関係ないですけど
北海道で野生の鹿の作物被害にあった農家のお母さんが畑を指差して
「見てくださいよコレ!」
とカメラに向かって涙ながらに訴えていた映像を見た私は
「この人、道産子じゃないな。北海道の人間はコレくらいじゃ泣いて騒がないべさ。わざとらしいぞ、テレビ用か?」
と妙に引いてしまった事を思い出しました。

狭い日本でも県民性の違いはあるんですから国が違えば当たり前かと結論づけたりしてます。

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Unknown ()
2013-04-25 00:10:10
miccちゃん、
こんばんは。

まだ容疑者ですけど、もうすでに犯人確定、という感じで、
しかも、黙秘権は認めないとか、
死刑のある連邦法によって裁かれるのだとか、
そういうことを聞くと、
「バトルランナー」の世界みたいだ、と思ってしまったりします。

犯人逮捕に住民たちが外に出て歓喜したというのや、
ビンラディン殺害の際の反応をニュースで聞くと、
それが圧倒的と受け取ってしまうけど、
実際はどうなのか、メディアの著しい偏向報道だったらどうしようと、
実は今反省しています。
だって、国内の報道ですら、決め付けられないですもんね。

miccちゃんの違和感、わかるような気がします。
大阪で、ツッコミとボケを期待されるから、
当たり前にそれをするみたいなケンミンショー的なことを言われるけど、
時にはうざくて、「ええかげんにせいよ、このあふぉが」
と思ったりします。
ええ、お客様にたいして。
暇ちゃんねんからな、とか。

あ、著しくわき道にそれてしまいました^^

神戸マラソン、
多くのひとがまた参加されるといいなと思います。
海と山があって、
おしゃれで神戸は素敵な街。
あの大震災からこんなにまた素敵な街になったと、
マラソンを通じても東日本にアピールしてほしいです。

あ、私は100メートル以上走れません、もはや(笑)
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