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≪再掲載≫松山ケンイチ&本広克行監督、≪群青戦記≫について語る2021-03-29

2024-08-02 | 松山ケンイチ

2021-03-29

≪再掲載≫
松山ケンイチ&本広克行監督、
   ≪群青戦記≫について語る
       2021-03-29


遅れて申し訳ないですが、MOVIEWALKERでとても印象深い松山さんの言葉があったので、掲載します。
以下、抜粋になります。




本広「松山さんは織田信長という役柄上、高校生のみんなと距離を取ってほしかったんです。
そうなると、きっと松山さんは現場で孤立しちゃうだろうと思ったけど、
信長がいて、ピリピリした感じが出て、すごく良かったです」

――織田信長と言えば、これまで数多くの名優が演じてきましたが、
松山さんはどんなふうにアプローチされたのですか?

松山「過去の作品をいろいろと観ましたが、すごく大人しい信長やセクシーな信長、
威圧感のある信長など、時代によって求められている信長像は違うんだなと思いました。
それで、いまみんなが想像する信長像は、
たぶん自分が思うものとそんなに遠くないだろうと思い、ああいう形になりました」

本広「松山さんはオールラウンドな俳優さんだし、大河ドラマ『平清盛』で主演もされていて、
僕よりも時代劇に詳しいだろうから、役柄についてはあまり細かく話はしなかったです。
実際にしゃべり方も完璧でしたね」

「悩んだり挫折したりした経験こそ、宝物になるのではないかと」(松山)

――高校生と武士たちの熾烈な戦いを観て、松山さんはどんなことを感じましたか?

松山「僕は子どもがいるので、どうしても親目線で観てしまいますが、けっこう辛いなと思いました。
深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』を初めて観た時の感覚が蘇った感じです」


松山「もちろんです。でも、最初から成功して、スルスルいってしまうとおもしろくないだろうし、
誰だって怒られたくはないと思いますが、悩んで挫折した経験こそ、宝物になるのではないかと思っています。
僕自身もそういう経験をしたことはよく覚えているし、いまでも『ああ、くそーっ』と思うことはあるけど、
逆にそれがなくなってしまったら、役者の仕事自体がおもしろくなくなってしまう気がします」

■「新田くんは、本当に春馬くんのことが大好きでした」(本広)

――本作では信長と並び、三浦春馬さん演じる徳川家康も、重要な役どころでした。
新田さんは三浦さんのことを心からリスペクトされていたので、初日舞台挨拶の最後に、
新田さんがなにかを言わんとして言葉に詰まった一幕が心に残りました。

本広「あの時は僕も泣けてきて、なんのフォローも入れられませんでした。」

――本広監督は、本作のテーマに“継承”を挙げていますが、
まさに三浦さんの想いが、新田さんに受け継がれていく気がします。

本広「そうですね。役柄でもそうですが、新田くん自身も春馬くんを見て、
本当の役者になりたいと思ったそうなので。
また、実際に地球ゴージャスの舞台『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』で
春馬くんが演じたシャチ役を、新田くんが受け継いでいます」

■「三浦春馬くんは、すごくバランス感覚が鋭い人だなと思いました」(松山)

――蒼と家康の共演シーンには非常に心を打たれました。

本広「刀を受け継ぐシーンは、僕も大切に撮りました。
また、春馬くんと新田くんがお墓の前で芝居をするシーンでは、あまりにも新田くんの熱がすごすぎて、
春馬くんが『僕、マッケンに負けちゃいましたよ』と笑っていたのも印象に残っています。
家康が死ぬシーンは実にあっけなく逝ってしまいますが、あそこは春馬くんが
『死にそうになっているのに、べらべら喋るのは変ですよね』と提案されたからそうしたんです。
僕たちは、家康の最後のシーンなので、盛り上げなきゃと考えて台詞を設けたんですが…。
三浦春馬という役者は、本当に作品全体のことを考えられるすばらしい役者だったなと思います」

――松山さんは、三浦さんの現場での印象はいかがでしたか?

松山「春馬くんが現代の教室で、鎧を着てしゃべっているシーンがとてもおもしろくて。
違和感なくそこにいるので、すごくバランス感覚が鋭い人だなと思いました。
思えば、あの2つの時代をつないでいたのは家康だったのではないかと。
また役柄同様に、次の世代にバトンを渡していくといった連帯感もすごく感じました」

――そんな三浦さんが急逝され、松山さんは同じ俳優として、どんなことを感じたのですか?

松山「やはり心臓が痛くなりました。また、春馬くんのように、
普段から頑張って人の背中を押していく仕事をしている人は、
自分自身の背中は誰に押してもらっているんだろうかと、すごく考えさせられました」

本広「なるほど。深いですね」

松山「やはり頑張っている人たちもどこかで救われないといけないなと。
そういう意味で言うと、自分は春馬くんとは仕事仲間だったので、
もう少し仲間として横のつながりを大事にしていかないといけないと、色々なことを思いました」

――松山さんは、そういうチームのつながりをとても大切にしている印象を受けますが。

松山「そういうことができる現場もあるし、自分1人だけで背負いこもうとしてしまう現場もあります。
今回の撮影で、高校生アスリート役の子たちは、きっとみんなで苦労を共有し、
終わったあとご飯に行ったり、愚痴などを言いあったりしていたと思いますが、
そういうことって本当に大事だなと。
僕は過去に1人で抱え込み、誰ともご飯に行かなかった現場も経験していますが、
いまは、もっと楽にして、重い荷物もみんなで分け合えばいいのかなと思っています。
それは仕事に限らず、普通に生きて、
日常生活を送っていても感じることですが、そういうことを改めて痛感した現場でした」



記事を読んで、松山さんの言葉にとても深い共感を覚えたし、
痛みや悲しみや悔しい気持ちが細胞にまでしみこむ思いでした。
松山さんがオフィシャルにこういう他者を身近で悼む局面ってあったかなあ?と思うのですが、
春馬くんが急逝してすぐにではなくて、無事に公開の運びとなって、
その時に聞けてよかったなあと思います。
春馬くんについて語っているところはすべて抜き出すことになってしまうからやめますが、
松山さんもカメレオンだとか憑依型だとか言われつつ、苦しみもがくことも多々経験してきて、
日本を代表するような俳優さんになってこられたからこそ、その道程を経ての発言が
とても重いし、本質をついているし、言われているように深いのだなあと思います。
古くは大江健三郎さんが≪個人的な体験≫という小説のなかで、
この深い竪穴のなかの苦しみはとても個人的なものでありながら、底のところで
つながっている、というような内容のことを言われて、深い感銘を受けました。
もっか沼にはまっているBTSも自分たちの苦しみ悲しみもがきなどを歌っている歌詞にも
連帯を感じるのですけれども、松山さんは俳優としての現場から言われていて、
それって、この時代背景のなかで、全世界的な問題でもあるのじゃないかとも思いました。
とにかく、あわてて発言するべきじゃないのですけれど、
松山さんの言葉に、ほんとうにこころが震える思いだったので、走り書きしました。すみません。
家康死んじゃうの?とか、
映画館に行けない私には知る由もないのですけれど、
早く観たいのですけれど、・・
なので、映画については何も言えなくてすみません。主役の方、苦手だし(笑)

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3 コメント

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Unknown (まろうさぎ)
2021-03-30 09:00:10
三浦春馬さんのファンの方たちが、SNSで松山さんの発言に対して、松山さんともっと生き方とか農業のこととか話せていたら、、、と残念がっていました。
松山ファンとして、三浦春馬さんとの共演は本当に嬉しかったですし、もっとちゃんとお芝居を見たかった気持ちでいっぱいです。記事には、現場での三浦さんの様子は?と聞かれていますが、おそらく同じシーンでの登場はないので、現場ではお会い出来なかったんじゃないかしら。

俳優同士の横の繋がりについて松山さんが言及したのって初めてに近いと思います。尊敬する俳優さんとして先輩方の名前を出すことはたくさんありましたが、松山さん自身が自分から、横の繋がりを持とうと意識した発言は、記憶にないです。いわゆる「○○会」に入ってほしいとか、中心になってほしいとは全く思いませんが、ご家族以外にもお互いに支えて支えられる関係性を築かれるといいなと思います。

ちなみに記事にもあるように、松山さん演じる信長は「THE 信長」です。
返信する
まろうさぎさんへ ()
2021-04-20 01:40:26
まろうさぎさん、こんばんは。
いつものことながら、
返信が遅くなってすみません。

BLUEは瓜田のことで胸にしみるし、
群青戦記は春馬くんのことで、いろんな感慨で胸がいっぱいになってしまいます。
撮影時期は違っても、プロモが近いと、
松山さん、複合的にいろいろなことを考えてられるんじゃないかなと思います。
決して明るいことじゃないけれども、
俳優という仕事ではない、
≪仕事≫人として生きるうえでのつながりについて、
語弊があるかもしれませんが、豊かで深い時間を、すごしてられたんじゃないかなと。

春馬くんのそばにいらした人たちはみな、なんとかできなかったものか、
の想いをかみしめておられると思いますが、
松山さんは今後の俳優としての、同じ俳優さんたちとのかかわりが、
微妙に変わってくるかもしれませんね。
画面に現れる松山さんは面白いお兄ちゃんで天然で可愛いですけれど、
でもそれは一面で、とてもまじめでブレない芯をもたれているひとだから、
こころで繋がれるひともたくさんおられると思うのです。

春馬くんの最後の作品になる≪太陽の子≫、作品としての質には、
個人的には疑問も残るのですが、
ファンの方々の気持ちを考えるとテレビ放送だけで終わらなくてよかったなあと思います。
柳楽くんが、春馬くんを超えられないライバルみたいに思っていて、
高校生くらいの時からずっと声をかけなかったそうです。
柳楽くんには素晴らしい奥様や、
≪ゆとりですがなにか≫で得た桃李くんや岡田将生くんや大賀くんといった仲間がいて、
本当によかったなあと思います。
松山さんにもご家族と大好きな農業ができる環境があってよかった、
コロナ禍の時代、いろんな価値観が揺らぎ、
大きな変革が心の中にも起こりそうですが、
しっかりとした支えになるもの、
ゆらぎのない核をもつことが大事なのかなあと思います。
誤解を恐れずに言うならば、
のんべんだらりと生きていた以前と比べて、
濃密な時代を生きているのではないかと思います。
返信する
Unknown ()
2021-04-20 05:41:33
追記です、

私は春馬くんに、柳楽くんが友達だったらなあ、とずっと思っていて、
ゆとり~、のドラマを、見たとき、
この面々の中に春馬くんがいたら、
と思ったんです。

太陽の子での出会いがもったいないです😭
返信する

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