やっと直木賞を受賞した「月と蟹」以降、初の単行本ということで、どんな作品なんだろう?と思ってみたらば、2,3年前に既に小説宝石とジャーロで発表されていた4つの連作だったんですねー。
なんか三浦しをんさんの「まほろ駅前多田便利軒」みたいな感じ?なんですよ。
かつて同級生だった男友達が久々に再会し、一緒にリサイクルショップを細々とやっていて、そこで扱った商品やらお客さんがらみのミステリーを解くというお話。色々人情めいていて、ほのぼのとした風合いです。
ただ、短編なので、アッサリしていえ、あっけない。せっかく工夫して考えたアイディアやオチでも、この少ない頁数では・・・結果、物語に盛り上がりがあまり無くて、勿体ないな~って思いました。でも短いながらも、それぞれ意外なトリック?というか、があって面白かったです。私は個人的に、道尾さんの、しつこいまでに深く心の動きを追う、暗くて重い話が大好きなので、ちょっと物足りなかったな。3つ☆
それにしても、紀州蜜柑の木に、途中から温州蜜柑の接ぎ木を・・というのは知りませんでした。和尚さんが、血の繋がってない息子小僧さんに向かって、接ぎ木に重ね合わせて言う台詞などが良かったです。
早く「月と蟹」の後に書いた本を読みたいです。
以前情熱大陸だかで、あれ以下の作品は今後書きません!と宣言した道尾さん、相変わらず、すごいビックマウスだなあ・・とビックリもしたんです^^
そこまで自分を追い込んで大変だろうに・・・。
「春 鵲の橋」「夏 蜩の川」「秋 南の絆」「冬 橘の寺」の4編
道尾秀介 / 2011-02-19
月と蟹
「プロムナード」「背の目」
「片眼の猿」「シャドウ」
「月の恋人」「ラットマン」
「カラスの親指」「ソロモンの犬」
「光媒の花」
「鬼の跫音」
「龍神の雨」「向日葵の咲かない夏」感想
「球体の蛇」「花と流れ星」
またよろしくです♪
コメント、TBありがとうございました。
けんさんは、まだ売れっ子じゃない頃から道尾さんの本を読まれていたのですね。
まだ若いので、これからもどんどん作風変わるでしょうね。
今後どういう風に道尾さんの作品が変わって行くのか、楽しみです。