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ネタバレ「星の子」「父と私の桜尾通り商店街」今村夏子

2020-11-20 | 小説・漫画他

星の子
半年以上前にリクエストしたのに、映画化が発表されたせいなのか、やっと順番が回って来ました。とても読みやすかったし、面白かったです。4つ★
宗教関係に入っている両親の元で辛い思いをしている子供、という設定は以前にも読んだ事がありますが、主人公のちひろには、なべちゃんと、その彼氏とかが周りにいることが救いです。

両親が緑のジャージを着て公園で頭の上にタオルを置いて水をかける行動をしているのを目撃されても、彼氏が「かっぱかと思った」とかって言ってくれたり・・。気持ち悪いと思われ、その娘であるちひろも避けられるのが当然だと思ったけど、そうじゃなかったですね。

そして雄三おじさん、いつも気にかけてくれて、高校入学から一緒に住もうって言ってくれて。こういう存在がいるから、きっとちひろは何とかなるんじゃないか、と期待したいです。
高校の時、いなくなったお姉ちゃんはどうしてるのだろう・・。お姉ちゃんだけは幼い頃から洗脳されず、雄三おじさんと例の怪しい水を、公園の水に入れ替えるのを手伝ったりしてた・・・。

ちひろはターミネーター2でエドワード・ファーロングに一目ぼれしたり、面食いで惚れっぽい。
大好きだった先生がクラスメートの前で、ちひろに怒った時の怖くも冷たい態度・・・。この役に「告白」に続き、またもや岡田君か(こういう役を受けるのはエライね)

そして印象に残ったのは、春ちゃんの金髪の彼氏が集会で言った「ぼくは、ぼくの好きな人が信じてるものが一体なんなのか知りたくて、今日ここに来ました。ぼくは、ぼくの好きな人が信じるものを、一緒に信じたいです。 それがどんなものなのかまだ全然わからないけど、ここにくればわかるっていうんなら、おれ来年もここにきます。わかるまでおれはここにきま、えー、くることを、おれはおれの好きな人に、約束します」って!!! 
春ちゃん愛されてるんだなあ。

レンタルになったら映画も是非見てみたいです。
林ちひろ:芦田愛菜
南先生:岡田将生
雄三おじさん:大友康平
海路さん:高良健吾
昇子さん:黒木華
まーちゃん:蒔田彩珠
なべちゃん:新音
ちひろの父:永瀬正敏
ちひろの母:原田知世

ちひろにマナちゃんは合ってる。黒木さんは違うなあー。
それにしても、豪華なキャスティングですねえ

星の子   2017/6/7 今村夏子
林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形をゆがめていく。
・・・・・・・・・
半年くらい前に、先に読んでいた
父と私の桜尾通り商店街

2019年、「紫のスカートの女」よりも少しだけ先に発表になった小説。
うーん、面白かったのだけれど、「あひる」の方が断然私は好きかも。

・白いセーター
・ルルちゃん
・ひょうたんの精
・せとのママの誕生日
・モグラハウスの扉(書き下ろし)
・父と私の桜尾通り商店街
の5編が入っています。

「白いセーター」
ゆみ子は婚約者の伸樹と暮らしていた。クリスマスのお出かけ、お食事はどうしようかな?とのんびり考えていた処、伸樹の姉に、彼女の子供4人の面倒を見てくれるよう頼まれる。
引き受けたものの大声を上げる陸に手を焼き、思わず口をふさぐと、胸をこっぴどく叩かれてしまい、大げさに母親に報告されてしまう。
白いセーターは婚約者からもらった大事な服。食事の時に汚れたり、匂いがついたらどうしよう・・・と心配でなかなか着れない、というの解ります。

結局、すったもんだのあったクリスマスの夜、行きつけのお好みやさんに行き、汚れと匂いがつかないようにと彼がくるっと黒いオーバーで包んでくれて、匂いはついたけど、汚れはつかなかった。帰宅後、ビニール袋に入れてたんすの奥に保存していたのを、たまに取り出して今も匂いをかいでみるけれど、もう何も匂わない。という最後でした。

義姉が実家の両親に言い、彼氏にも言い、結局破談になってしまって、今は一人でいるんだろうなあ・・・。 これは義姉やガキんちょが悪い!彼らに腹が立つお話でした!

「ルルちゃん」
その人形が来たのは10年ほど前のこと。
当時、図書館で安田さんという40前後の品の良い女性と知り合いになる。
ある日、安田さんに自宅に招かれて、カレーをごちそうになったのだが、部屋には、幼児の知育用人形「ルルちゃん」がいて、安田さんは幼児虐待な場面やニュースを見たりすると、物凄く心が痛むのだが、ルルちゃんを愛でる事で、少しそれらを昇華させることが出来るのだった。
ワインを飲みすぎて寝てしまった安田さんから、ルルちゃんを黙って持ち帰ってしまったのだった。それを今の職場で友達になったベトナム人の友達に「どろぼう」と言われるのだった。
これも面白かったのだけれど、ルルちゃんを勝手に持ち帰るって行動が、嫌だったので・・・。それが無ければかなり好きな小説でした。

「ひょうたんの精」
チアリーダー部のなるみ先輩は太っていた。しかしある日、あなたの中には七福神がいると言われた途端、食べる物をその神様たちに吸い取られるようになり、みるみる痩せていった・・・

「せとのママの誕生日」
かつて「スナックせと」で働いた経験のある女性たちがママの誕生日を祝うために店にやってくる。店の奥でママはひとり居眠りをしていて、みんなでママの体の上に、しいたけとか、レーズンとかを載せて行く
でべそとか、乳首とかを客に見せて小金を稼ぐ・・・っていうのも驚き。

「モグラハウスの扉」
道路工事で働いているマッチョな男性は、通りがかりの小学生と親しくしていて、モグラおじさんと呼ばれている。ある日、学童保育の松永みっこ先生に彼を紹介する。先生は彼を好きになり、お弁当を作って持って行ったり、マンホールの地下に降りて行ったりするのだが(白い箸をなくして出て来なかった) 工事が終わって、彼らはぱったりと姿を消した。
それから何年も経ち、スーパーのレジ打ちの仕事をしている主人公は、みっこ先生と再会する。
その後、大雨で道路が冠水し、マンホールのふたが数か所開き、あの箸を数年ぶりに発見し、先生に見せると、先生はマンホールの世界に今から急いで行く!という。わたしもバイトをそっちのけで、一緒になって行ってしまう 笑

「父と私の桜尾通り商店街」
桜尾商店街で長年売れないパン店をひっそりと営んできた父娘。
幼い頃、母が商店街組合の役員と不倫した末に出奔してしまって以後、組合から孤立していた。
最近、父は母親の面倒を見ること、自身の年齢や体力の衰えから、店じまいを決意します。
そんなある日、物腰のやわらかい女性客がやってきます。私は彼女が気に入ってしまいます。(初回はお金を忘れてしまったという彼女に無料でコッペパンを渡し、翌日、代金を持って彼女は訪問してきて、コッペパンにマーガリンとジャムをぬったものをあげると、美味しいと喜んでくれ・・)
彼女に喜んでもらいたい、それだけのために、コッペパン、サンドイッチの具を工夫してお店に置くようになったら、閑古鳥が鳴いていたお店は繁盛しはじめるのでした。
しかし彼女は、やって来ず、実は商店街に新店としてやってくるパン屋さんの偵察だったのです。

最後は彼女が開いたお店も、お客さんが来ておらず、ただ常連らしい近所の小学生がたむろっており、商店街のバス旅行について話していた。
そこに割って入った主人公。パン屋といえば自分のところも昔からずっとパン屋をやってることを主張するも、子供らにネズミが出るらしいじゃないかと言われ、今はそんなことは無いと答え、それなら5時にお店を見に行く、という事になる。

主人公は家に戻り、父に何か作って!とお願いするも、ちょうど材料が使い切った処だと言われる、でも辞める気がもうない主人公。父に強気で説得するが、父が倒れてしまう(死んじゃった?)もう5時だ!彼女は「わたしだけでもいい?」と子供らに言う。
あの新パン屋ではアルバイトを募集していたな?と思いおこすのだった・・・。

父と私の桜尾通り商店街  2019/2/22


今村夏子さんの他の本の感想
「あひる」
「むらさきのスカートの女」
こちらあみ子
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2 コメント

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こにさん☆ (latifa)
2020-12-11 10:23:23
こにさん、こんにちはー!
そうそう、映画化されてますよね。
芦田愛菜ちゃんが演じた事、話題になっていて、レンタルになったら絶対見ようと思っています。
ほんとにね、ちゃんより、さんを付ける様な立派な知的な女性になって来ていて、すごいです。

今村さん、「あひる」「むらさきのスカートの女」なんか面白いですよ。
こにさんは、小川洋子さんもお好きだから、気に入ると嬉しいなあー。
今村さんの小説は、小川さんより現実的というか・・・ 小川さんの世界から欧風色を抜いて一般庶民化した感じというか・・。
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今村さん (こに)
2020-12-11 09:20:44
読んだことが無かったのですが芦田愛菜ちゃん主演映画で俄然興味が湧きました。
芦田愛菜ちゃん、素晴らしいみたいですね。「ちゃん」じゃなくて芦田愛菜さんと呼ばなくてはいけないくらいの女性に成長されましたね。
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