ポコアポコヤ

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「コロナと潜水服」奥田英朗 ネタバレ感想

2022-05-21 | 小説・漫画他

奥田さんの明るく気楽に読める作品はやっぱり楽しいなー。

★今回は全部ネタバレで書いていますので注意★

海の家
2歳年上のしたたかな妻が浮気し、しばらく別居しようと思ったところ、葉山にある古い歴史あるお家を夏の間、格安で借りられる事になる。
広いお家は彼が手を入れると息を吹き返した様になり、ここでの暮らしが楽しくなる。
そんな中、家の中に子供の足音が聞こえてくる。

なんと、それはここの家にかつて暮らしていた幼くして破傷風で突然亡くなった少年でした。
彼の命が危険!という時に少年が知らせてくれたおかげで、命拾いをするのでした。
なんだかんだで、妻と元サヤに戻りそうです。
この妻、うわてだなあ。娘が父親の肩を持ってくれてるみたいで、お父さん少し救われるね。

ファイトクラブ
リストラ対象のおじさん達数名。辞めたいけど、みんな色々事情があって辞められず、この状態に甘んじて働き続けている。そこに謎のボクシングを教えてくれるコーチ的な人が現れる。
今まで人をグーで殴ったり殴られたりなんてことをしたことがなかった彼らは、ボクシングに夢中になっていく。
ある夜、夜間警備の仕事中に泥棒に遭遇。なんと逃げず闘った!

なんか良い話だなあー!最悪の状態の中でも、こういう風に新しい喜びというか趣味に出会えて良かった!

占い師
人気のプロ野球選手と4年交際しているフリーアナウンサーの麻衣子。
美貌には自信があったが、想像以上に恋人が有名人になってしまい、他の女性に取られるんじゃないか?捨てられるかも・・という不安で、占い師にみてもらう。

昔の奥田作品にも、こういう計算高いというか、、そういう心理描写を詳細に書かれていて、おお・・・と思った事を思い出しました。

コロナと潜水服
5歳になる息子は、新型コロナウィルスの危険を察知できる才能があるようだ。
自宅勤務が多くなったパパが感染してしまった様で、これは他人にうつしてしまったら大変!と、妻が買って来た潜水服を着るように・・・。

コロナの時代をコメディっぽく扱う作品は初めて読みましたが、この時と今では感染者数も違うし、色々変わっていました。更に10年後読むと、どんな気持ちになるのかな? 

パンダに乗って
イタリアのフィアット社パンダに憧れ、探していたところ、遂に新潟の中古車屋で購入できることになり、現地に引き取りに行く。
車に乗った後、カーナビの示す場所に行くと、次々と元持ち主の男性の思い出の場所や人を巡る様に・・・ 20代後半白血病で亡くなった元持ち主。彼の側にいつもいた女性は現在はお花やさんを娘さんとやっていました。

好きなお話でした。私んちも以前、凄く古い赤い可愛いヨーロッパ車に乗っていたんです。故障が多くて泣く泣く手放したけど、あの車と共に過ごした日々は良い思い出です。

巻末に物語に登場した歌のタイトルが載っていて、前半は知らない曲が多かったけど、後半は懐かしい知ってる曲が並んでいて嬉しかったです。
中でもティアーズ・フォー・フィアーズのルール・ザ・ワールドはドライブにピッタリ。偶然、ベストヒットUSAで最近、健在な彼らの姿を見ました。

奥田英朗
「我が家のヒミツ」
「沈黙の町で」 
「我が家の問題」5つ★
無理
オリンピックの身代金
ララピポ
家日和
「サウス・バウンド」
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12 コメント

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Unknown (わぐま)
2022-05-22 12:56:25
最後のパンダの話が好きでした。
実際には、ありえないような不思議な話ですが、ホロッと来る感じが好きです。
コロナの話は・・・
仰るように10年後、読んでみたいです。10年後「あ~~~懐かしい、コロナだって。そんな感染症もあったよねぇ」って懐かしい話になってたら良いのにね。
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Unknown (水無月・R)
2022-05-22 19:15:31
latifaさん、こんばんは(^^)。
タイトルがタイトルなだけに、「深刻な話かも・・」と思っていたのが、良い意味で裏切られて、なんとも微笑ましい気持ちで読めました。
「ファイトクラブ」のおじさんたちが、どんどん活き活きしてくる様子が、カッコいいなと思いましたね。人間としても、大きく成長してるんだろうなぁ。

https://mina-r.at.webry.info/202108/article_2.html
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Unknown (べる)
2022-05-22 22:07:37
タイトルから、全編に亘ってコロナ関連の
話なのかと身構えたところもあったのですが、いつのも軽妙な奥田作品集でしたね。
コロナのお話も、リアルなところもありつつ、ちょっとクスリと出来る要素もあって面白かったです。
私も、ラストのパンダのお話が好きでした。良い乗り手に出会えて良かったですよね。
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わぐまさん☆ (latifa)
2022-05-23 07:16:27
わぐまさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

そうですね、今回の短編集はゴーストというか、不思議な現象が入っていて、奥田さんとSFチックなのって、初めて読んだ気がします。でも不思議と違和感感じずに読めました。

コロナ、早くそういう風に言える世の中になって欲しいですね
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水無月・Rさん☆ (latifa)
2022-05-23 07:18:40
水無月・Rさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

そうそう、私もタイトルから受ける勝手な印象で、暗いお話が多いんだろうな・・・・なんて覚悟していたら、サクサク読めて楽しいお話が多かったです。

ファイトクラブ、すきです。
あのおじさんたちのその後、どうなったかなあ・・・。
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べるさん☆ (latifa)
2022-05-23 07:24:00
べるさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

そうなんですよね、タイトルにコロナなんて入ってるから、身構えちゃいますよ。
でもいつもの奥田さん節で、楽しく読ませてもらいました。

ラストのパンダは、どんな車なの?って(知らなかったので)画像検索しまいました。
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文庫化 (こに)
2022-05-23 08:06:47
待っているところです。
早く読みたいなぁ。
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おはようございます (しずく)
2022-05-23 08:42:21
>私んちも以前、凄く古い赤い可愛いヨーロッパ車に乗っていたんです。故障が多くて泣く泣く手放したけど、あの車と共に過ごした日々は良い思い出

想像通りでした!
latifaさんはきっと赤い可愛いヨーロッパ車に乗ってると推測できる方
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こにさん☆ (latifa)
2022-05-23 08:53:31
こにさん、こんにちは!
文庫化、そろそろされるかもですね。
こにさんの感想、楽しみにしていますよ。

PS 昨日読んだ東野圭吾の「コウモリと白鳥」に名古屋近郊が沢山登場してきました。
土地勘があるこにさんだと色々反応出来るかも。(内容的には、そこまで名作!ではないし、分量も多いのでお薦めはしないけれど・・)
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しずくさん☆ (latifa)
2022-05-23 08:59:08
しずくさん、こんにちは!
しずくさんは、だいぶ前にお読みになられていたんですね。
コロナもあの頃と今では、ちょっと違った感じだし・・・。その後ウクライナの戦争も起きちゃったし・・先の事は解らないですね・・。

そうそう!母の日の件、自分が子供の立場でのお気持ちだったのね。
そんな、まだつい最近ですもん。
気持ちが凪状態になるには、年月がまだまだ必要ですよ・・・ 
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