地方都市「ゆめの」で暮らす人たちのお話。元暴走族の怪しい訪問販売員数人、議員とその息子、妻と離婚した県庁から出向中のケースワーカーの男、万引きを捕まえる職業の人・・・など、色々な人が出て来て、少しつながっているというお話。どん底とまでは行かないけれど、かなり希望の無い暮らしをしている人が多く登場する。その人物描写がそれぞれとっても上手い!分厚い本ですが、楽しく読みました。4つ★
一番印象的でもあり、本の多くを占めていたのは、働けないわけじゃないのにもかかわらず生活保護を受ける人たちと、その生活保護をうち切る為に動いている公務員の部分。
こういう事はたまにTVで見ることはあったけれど、あまり実情などを知っているわけじゃなかったので、興味深かったです。なんだかんだと理由をつけ、高額な生活保護を受けられ、楽な味をしめちゃったならば、もう安い賃金でアクセク働く気がなくなってしまうだろうな・・と思ったりもしました。10代半ばで思いがけずに子供が出来てしまって、なりゆきで結婚しちゃった若いカップルの行く末とか心理とかも、ふむふむ・・・ってリアルに感じました。奥田さんはリサーチを念入りにされてこの本を書いたんだろうな・・。
あと、珍しく、底辺じゃなく上昇志向の女子高生。
この街を出る!東京で華のある暮らしをするんだ!と決めて塾に通ってる子のところもとても興味深かったです。田舎の上昇志向?のある女の子っていうのは、こんな風に思う子もいるんだ・・・ってちょっとびっくり。私も北海道にいたものの、こんな風に思ったことは全く無かったな・・・。こういう風に思ってる友達も皆無だったと思う・・。東京から比べると全然小都市だけど、街にはお洒落な子が一杯いたし、素敵なお店もあったからかな・・。
あと「ゆめの」での大型ショッピングモールが出来てしまってからの街の変化や、工場で働くブラジル人とその子供達の部分などは、私の今住んでいる街も若干かぶる部分があって、色々考えさせられました。こういう状況って現在の日本あちこちに同じくありそう・・。
社会風刺もピリッと効いていて、人の噂とか思いこみとかが怖いことも書かれてました。
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
ヤンキーあがりとはいえ、娘や奥さんの為に、うさん臭い仕事をがんばっていた同僚が、自分を評価してくれなかった怒りから尊敬する上司を殺しちゃうっていう展開にはびっくり・・・。あと、上昇志向の女子高生のお話をもっと読みたかったのに、拉致監禁されちゃうって展開で少々がっかり。この子の深層心理やその後の展開を期待してたので・・。相原友則(県庁から出向中のケースワーカー)が、パチンコ屋で出会った人妻と、売春斡旋にハマって行く様子が、奥田さんの「マドンナ」で部下をプチストーカーしちゃう部分と少し似ていてニヤッとしちゃいました。奥田さんもこういう体質の処があったりするのかな?(^^ゞ それにしても「激突」の様に謎のデカイ車に何度も後ろからせっつかれるなんて怖すぎる・・・。最後は偶然みんなが事故で・・・って締めくくり。あまり喜ばしいまとめ方ではなく、なんかスッキリ終わらなかった感じなので、そこだけちょっとマイナス。 以上
無理 奥田英朗 / 2009-09-29
内容(「BOOK」データベースより)
合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。
オリンピックの身代金
ララピポ
家日和
「サウス・バウンド
実際にこういう人たちがいそうですよね。
久しぶりに太陽が出始めました。花さんところはどうかな?サクラはもう咲きはじめているのでしょうか?
奥田さんって、多分あまりこの小説に出て来る人たちとはそう接点が無いんじゃないかな・・・と想像してるんですが、すごくリアルでしたよね。
それでも、さすが奥田さんですよね。
この分厚い作品、一気読みでした。
そうなんですよね。私も途中まで、あまりにリアルに人物像を上手に描いているので、結末はどうなるんだろう?って、そこが気になりはじめて・・・。あとページわずかだぞ・・・どうまとめるの・・・?と思ってたら、あ~~そういう風に来たか・・・と
でも、さすがの文章力ですね。
でも、面白いし、一気読みするのはよく分かります。
まあ、女子高生が最後、最悪の状況にはならなくて、ホッとしたけど・・・何か疲れた時にはこういうの私ダメみたい。
いちいち、いろんな登場人物に「とうっ!」って頭にチョップしたくなるもの。
確かに、読めば読むほど気が重くなる・・っていうの、言えてます。
女子高生には、もっと生意気にぐいぐい進んでもらいたかったんだけれど、ああなっちゃったんでね・・・。でも、確かに最悪の状態にならずに済んで良かったです。変な事されずに監禁されてたのが救いです。
頭にチョップって~~ 可笑しい~~!!!牧場主さんの、そういう一言が、とっても楽しい
そうか~、「メモリーキーパーの娘」はじゃあ挫折しようかな。
「ロストシンボル」はそうですか~。
じゃあ、こっちも挫折しようっと。
映画化とかしてくれたらいいのにね。
こないだ、「ミレニアム ドラゴンタトゥーの娘」だったかな、1巻だけ読んだんですけど、まあ、続きは映画でいいかなって思いました。
まだ未見なんですが、ハリウッド向けの話のような気がしたので、アメリカ映画でなくても面白いかしらって心配・・・
「ロストシンボル」は、挫折しない方が良いかも!私は、今までのダビンチ~も天使と悪魔もダメだったからであって、一般的には、みなさんに好評ですよ!! 私が単に食わず(読まず)嫌いみたいな感じなのかもしれないです。
あ、全く読んでないわけじゃないんですが、最初からして、もう受け付けられない・・って感じなんです・・。
「ミレニアム ドラゴンタトゥーの娘」
本では、ミレニアムでしたっけ? 少し前は、一番前にババーン!と出してるお店も多かったですよね。
そういえば、大槻あかねさんの「あ」、読みました!
NHKの朝の5分間のアニメーションとかを連想させるかわいらしさでした♪
こういうほのぼのとしたムード、好きです♪
毛糸玉とかいう本も出されてるみたいですが、なんかそれ、昔読んだことがあるような気がするわ・・・。