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感想「横浜をつくった男―易聖・高島嘉右衛門の生涯」高木彬光

2021-02-11 | 小説・漫画他

先日「グッドバイ」朝井まかてさんの本を読んで、最後の方に登場してきた高島嘉右衛門。あまり名前が世間に知られていないものの、横浜に関して凄い功績をあげた人だったことを知り、この本を読んで見ることにしました。
尚、この文庫は2009年出版です。

尚、作家の高木さんは、1979年に「白昼の死角」がヒット、映画やドラマ化されたそうで。当時私も読んだことは憶えているのですが、内容はすっかり忘れかえっている始末。
どんな内容だったのかな?と調べてみたら、実際にあった光クラブ事件をベースとした内容で(その事件の事も忘れてた)
ただ、あらすじを読んでいて、一か所だけ記憶が蘇って来たのは、
「勉強や睡眠、果てはセックスに至るまで、細かく分刻みにスケジュールを記録、偏執狂的とも言えるスケジュールをつける習慣は、死の直前まで続いていた。」という部分。
当時読んでびっくりしたのだけは憶えてます。(なんと初出版は1960年です)

高木彬光さんも、波乱万丈の人生を送り、占いにも凄くお詳しかった様で、高島嘉右衛門と、少しかぶる処がある人だったんですね。

ただ、小説内で何度も登場する易の方法や判断やらが、難しくて解らなかったのが残念。
そういえば、家の両親が昔から1年に一冊、高島易の暦の本を愛読していて、その高島易の本家?が、その人によるものだったというのはビックリ。

「横浜」をつくったとも言えるけれど、前半はそこに至るまでの彼の波乱万丈な人生を描いています。商才があって大成功したり、大損害を受けたり、6年間もの間投獄されていたり・・・
ただ、その間に牢に置きっぱなしになっていた易の本を読み尽くして、後にそれが役立つようになったりするのですよ。

彼は基本的には、材木を扱ったり、建築業をなりわいにしています。
横浜を・・・というのは、鉄道を新橋~横浜に通す認可をもらい、それまで海だった場所を埋め立てて線路を通した。資金は彼が持つかわりに、その埋め立てした場所は彼の土地、好きにして良いということになり、横浜が栄えて行き・・・という経緯ですね。
昔はみなとみらいももちろんのこと、今の横浜駅のあたりは海だった、というのは不思議な感じですね。東京駅もそうだし。地盤とか頑丈では無いわけですね。

当時出入りしていた外国人との事業に関する駆け引きとか、著名人(伊藤博文とか、西郷さんの弟とか)との交流等も一杯書かれています。
作家の高木さんが、書きたい事が一杯あって、これでも、内容を絞るのに苦心したのではないかな?と思うほど、一杯色々なエピソードが書かれていました。
なので、読むのが結構大変で、1冊読むのに何日もかかってしまいました。

後半は、易に関して、あまりにも当たるので、ちょっと怖くも感じました。
彼の易を頼って、著名人や政治家が頻繁に出入りしていたそうです。

男―易聖・高島嘉右衛門の生涯 高木彬光
内容(「BOOK」データベースより)
幕末から明治を生き、横浜の地に名を残し、易聖と呼ばれるまでになった男、高島嘉右衛門。江戸の商人であった彼は、商売の手違いから投獄され、牢内で「易経」とめぐりあう。上下二巻を暗誦するほどに熟読し、彼は天来の易占の才能を開花させる。後に自由の身となった嘉右衛門は、横浜に新天地を開拓し、更に伊藤博文の相談役として、その類い希なる能力を発揮する。
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6 コメント

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yoriさん☆ (latifa)
2021-02-17 11:16:25
yoriさん、再度コメントありがとうございます

いつもポケットにショパン、私も好きでした。もう忘れちゃったので、読み返したいです。

あしたのジョー人気でしたね。私も面白く見ました!
あの頃の漫画、「タイガーマスク」「侍ジャイアンツ」とか「新オバケのQ太郎」とか好きだったなー。
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くらもちふさこさん (yori)
2021-02-17 07:55:11
僕にとってのくらもちふさこさんというと、
アンコールが三回、とか、いつもポケットにショパン、とか、音楽系の作品が好きでしたね!!
この辺りも読み返してみたいです。
もちろん、おしゃべり階段、手元にあるので読み返してみようかな!!!
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yoriさん☆ (latifa)
2021-02-15 11:14:29
yoriさん、私もくらもちふさこさんのファンでしたよ!
「おしゃべり階段」今、最初から最後まで読み直したいです! 
調べたら78年秋から掲載されていたみたいで、リアルタイムにマーガレットで読んでいました(友達が毎号買うのを貸してもらっていた) 中山手線っていう名前で、東京にそういう電車が走ってるっていうのを知り、覚えました。

私は「スターライト」「糸のきらめき」っていう漫画が好きで、文庫本を持っていました。
くらもちさんの描く男の子がカッコ良くて好きだったなあ!

近年(と言っても10年位前ですが・・)「天然コケッコー」っていうのを久しぶりに読みました。

PS 生々しい描写ですが、そうなんですよねー。もう「白昼の死角」の覚えてないのですが、小学校高学年位から私が好んで読んでいた推理小説等(当時人気だった森村誠一さんとか)はそういうの結構ありました。
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ヨコハマ物語 (yori)
2021-02-15 08:07:23
調べてみたら「ヨコハマ物語」が正確なタイトルでした。
高校生の頃、男子の間にも少女漫画ブームがありました 笑
僕はくらもとふさこさんのファンでした。
「おしゃべり階段」が大好きで、今でも文庫版の単行本を持っています (^^♪
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yoriさん☆ (latifa)
2021-02-13 17:05:30
yoriさん、こんにちは!
名前だけでもご存知だったなんて、さすが歴史好きなyoriさんです。

高木さんって、推理小説のイメージが強かったのですが、こういう本とか、あと占い関係の本も出していた事を知りました。

大和和紀さんの「横浜物語」
おお!yoriさん、少女漫画も読んでいたことがあるのですね!

私は「はいからさんが通る」「あさきゆめみし」はリアルタイムに読んでいたのですが、横浜物語は知りませんでした!読んでみたいなあ!
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横浜と高木彬光 (yori)
2021-02-13 13:34:14
高島嘉右衛門、名前だけは聞いたことがあります。高木さんがこんな作品を残していたんですね。
ちょっと気になる!!
開港期の横浜と言えば、少女漫画ですが、
大和和紀さんの「横浜物語」が思い出されます (^^♪
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