「決壊」平野啓一郎 ネタバレ

決壊 平野啓一郎

平野さんの最近の本は数冊読んだのですが、過去の本は読んだ事がなかったので、どれか読んでみようと何の気なしに選んだのがこの「決壊」でした。
うぬー、、面白くないわけじゃないけど、ものすごく重くて辛い内容でした。
救いが無い。3つ★

雑誌『新潮』に、2006年11月号から2008年4月号まで連載され、新潮社から上下2冊で単行本で発表された作品。

2002年　上巻途中までは普通の家族、仕事に不満があるものの、妻と小さな息子と3人で暮らしている沢野良介の様子が描かれる。
彼の父親が最近鬱っぽいみたいで、東京に住むエリートの兄・崇とそれを心配している。
良介はネットで日記と掲示板をこっそりやっていて、日々の愚痴等をつづっているが、妻には何もそういう愚痴は吐かなかった。

そのうち妻が偶然そのサイトに気がついてしまう。
ある時キツイ書き込みがされているの見て、つい落ち込みを和らげてあげたいが為にAIというHNで書き込みをしてしまい、交流を持つようになる。（ここらへんは面白かったんだけど・・・）

その後、いきなり夫が行方不明になり、バラバラ殺人の被害者になってしまう。
最後に会っていたのが夫の兄だったこともあり、兄が疑われ・・・
という内容。

★以下ネタバレ★
この妻ダメだよー。義兄に相談しちゃって、それをきっかけに何だか度々連絡取るようになり、夫に浮気を疑われる様になっちゃう。サイトのこと知ってたとか書き込んでいた常連AIは自分だと明かそうと思ったり。

で、犯人はやっぱりあの謎の中学生と妙な男（666＝生立ちが悲惨な篠原勇治）だったのね。2人の計画は結構手の込んだもので、日本中騒然となる。
この中学生、殺すのは好きだった女性の方なんだ？自分をイジメて酷い目に合わせた男じゃないんだ？
それにしても良介を残虐な方法で殺して、それを撮影して・・・って、その辺りグロすぎて読むに堪えなかった。
そもそも鬱病だった父は息子の事件で飛び降り自殺しちゃうわ、お母さんも精神病むわ、ラストは長男まで電車飛び込み自殺だよー、あまりに悲惨過ぎやしないか・・・。
平野さんご自身は長男の崇さんっぽい人なのかな？なんてちょっと思ったり。
以上

最近読んだ本の中でもトップに救いのないダークな小説でしたよ。
引き込まれて、どうなるの？って一気読みさせられるほど集中して読ませてもらったんですけれども。

それと平野さんの文章に度々登場する引用やら哲学的な部分とか、私の知的レベルや理解度が低い為よく理解できない部分有り。これは今迄読んだ平野さんの他の本でもそういうことがありました。
あと犯人や崇の主張やセリフがたまに凄く長く、私には難しい時があった。

こんな事を書きましたが、これからも平野さんの本を読んでみたいし、読んで行こうと思っています！

小説版「空白を満たしなさい」
本心
マチネの終わりに
ある男