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衝撃的「聖なるズー 」濱野ちひろ 感想

2021-10-17 | 小説・漫画他
京大の研究論文ということもあって、内容はショッキングなのですが、淡々と書かれていますし、読みやすいです。冒頭、濱野さんが何故こういう題材を研究するに至ったのか?の理由およびDVに10年間遭っていた体験談が書かれていました。

私自身は犬も猫も飼った事がないのですが、この本は犬を飼っている人が読むと、動揺される方が多いんじゃないでしょうか・・・
本作で取り上げられてる例は、ほとんどが犬で、馬とネズミが対象という人もいましたが、猫は無しでした。

ドイツでは動物性愛者の「ズー」なる団体があって、その中にも、アクティヴとパッシヴがある。アクティヴは動物虐待の疑いを持たれかねないイメージのせいか、インタビューを受けてくれる人がなかなか見つからず、本作で話をしてくれた人の多くがパッシヴのズーでした。彼らが大切にしているのはパートナーである動物との「性を含む対等な関係性」であって、この本を読む前に私が勝手に抱いていた人間が動物に強制的に性行為を行う、っていうのとは違っていました。

そして、本作で登場する多くのズーたちは、品行方正で聖なるズーと言われる人達であって、そうじゃない人も多く存在しているんですよね。そういう人達の取材が、もし多く出来て載せられていたなら、印象は違っていたかも・・と思いました。

ただね、馬や犬がそれを望んで、彼らから誘ってくる、とズーたちは言うんですが・・・それは本当なのかな・・?と疑問に思う処もあるんですよね・・・。動物は口に出して本音は決して言えないので。

ペットとして飼う際に、人間の勝手で去勢して性的行動を抑止するのはどうなんだ?という議論が起きそうですが・・・。
あと子犬を飼った時に対等な関係でいようと思って、最初にしつけをしないでいたら、言う事をきけない暴君的な風に育ってしまった・・・というのもあり、さじ加減とか難しいんだな・・と思いました。

ズーの人の多くが語った、犬は一生愛し続けてくれる、裏切らない、というのが一番のポイントなのかな・・

聖なるズー  2019/11/26 濱野 ひろ
内容(「BOOK」データベースより)
犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。性暴力に苦しんだ経験を持つ著者は、彼らと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か、考察を重ねる。
2019年第17回開高健ノンフィクション賞受賞。
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4 コメント

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ハードルが高そう (こに)
2021-10-21 08:04:42
お気楽には読めない内容ですね。
私もペットを飼ったことがない(というか好きじゃない)ので理解は難しいかもしれません。
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久々にこちらから (牧場主)
2021-10-21 13:13:43
この本はとても印象に残っています。どこか静謐な感じが特に。
とてもショッキングな内容ですよね。研究論文ではないし、自分の体験込みで切り込まれた、不思議な本。
読む前と価値観が変わりました。
ここまで見極めようとする力ってすごいな、って圧倒されましたが、怖いので家の本棚には置きたくない・・・
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こにさん☆ (latifa)
2021-10-22 09:01:53
こにさん、こんにちは!
いやぁ~、、これは結構な内容でしたよ。
こにさんもペット飼った事が無いんですね。私もなんですが、それならむしろ衝撃が少なくて済むのかな・・?
ペット飼っている人(特に犬)で、この本を読んだ率直な感想を是非知りたいんですけど・・・。周りで犬飼った事ある人で読んでる人が皆無。
夫は犬が大好き(昔長年飼ってた)なので、読んでもらいたいんですけど、嫌だって拒否されてしまって・・
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牧場主さん☆ (latifa)
2021-10-22 09:09:16
牧場主さん、こんにちはー!
これ、お読みになられていたんですねー!
さすがです お話出来て、すっごく嬉しいです。

牧場主さんは現在はペットとか飼っていないものの、ワンコとかは飼ってみたいって、たしか前におっしゃってましたよね。

私もこの本を読む前と後では価値観が変わりました・・・。それぐらい衝撃的でインパクトのある本でした。
創作じゃなくて、実際のお話というのが・・・。

この本に登場するワンコもほとんどが大型犬でしたね。さすがに小さい動物では色々無理があるみたいですけど・・
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