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魔女っ子くろちゃんの映画鑑賞記録

映画大好き!わがまま管理人の私的な映画鑑賞記録です。名作・凡作関係なく、好き好き度★★★★★が最高。

8人の女たち ★★★★

2004年09月20日 | 
監督 フランソワ・オゾン
出演 ダニエル・ダリュー、カトリーズ・ドヌーブ、ファニー・アルダン

 舞台劇を見ているような演出、そのままミュージカルとして上演できそうだ。

 まず、出演女優陣が凄い。ダニエル・ダリューは90近いはず、あの若さ、怖い。恐ろしいほどどっしり体型、完璧な美貌はそのまま(お顔ね)もはやマフィアの妻的風格のカトリーヌ・ドヌーブ、怖い。ひがみ根性で凝り固まったオールド・ミスにイザベル・ユペール。あの「天国の門」のエラだとは全然気づかなかった。ある意味いい感じの女優さんになっている。そしてカトリーヌに負けじと迫力で迫るファルダン、などなど。実際これら8人の女性しか登場しないのだから(かわいそうなお父さんは顔なし)女優さんたちの競演を楽しむ映画である。
 それぞれの個性をオープニングで花に喩え、衣装の色もキャラに合わせ、そんなこんなな演出は分かりやすくて楽しい。
 
 父親が殺されたことから始まる犯人捜しの密室劇。味付けはコメディ&ミニミュージカルだが、どんどん暴かれていくどろどろの愛憎劇、それぞれが隠し持った秘密の凄まじいこと。ラストのお父さんの気持ちも分かるよな気もするが、死んでしまったらお終いよと最後に笑うのは女たち。仰天するけど小気味いいのは私も女だからかな?

 愛憎劇の全ての中心にはお父さんがいるはずだったのに、ふたを開けてみたらみんなレズだったり。慕われるカトリーヌは納得の貫禄だった。

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 ★★★

2004年08月11日 | 
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 ダニエル・ラドクリフ、デビッド・シューリス、ゲイリー・オールドマン

 ハリー・ポッターの原作は「賢者の石」をホグワーツに入学する手前で挫折し(友人によるとそこからが面白いらしい)、そのうちに映画が公開されてしまったので本はどれも読んでいない。なので原作との違いを論じる必要もなく、純粋に映画として楽しむことができる。
 正直1~2作はピンとこなかった。ファンタジックものにはどうもうさんくささが感じられて、よっぽどでないと感動しなくなっている。ハリポタ、子供にはいいよね、な感想。
 
  今回は割と評判もいいし、なによりゲイリー・オールドマンが出演しているというので食指が動かされた。で、一番面白かった。(慣れたのか?)一作目に感じたファンタジーな演出の押しつけがましさも薄れ、話そのものにぐいぐい引き込まれてゆく。内容を知らないので、シリウス・ブラックの正体にも素直に「へ~」ただ、ゲイリーにはもう少し深く絡んで欲しかった。物足りないよなゲスト出演気分でした。
 
 次回作以降も見続けるかどうかは、出演者次第でしょう。

バードケージ ★★★

2004年07月30日 | 
監督 マイク・ニコルズ 
出演 ロビン・ウイリアムズ、ネイサン・レイン、ジーン・ハックマン

 フランス映画「Mr.レディ、Mr.マダム」のリメイク。(未見)もともとブロードウエイ・ミュージカル「ラ・カージ・オ・フォール」の映画化である。実は実はこのミュージカル、本場ブロードウエイで観たんです、私。(もう数十年前のこと)
当然(?)英語が理解不能だったのでストーリーは分からず、ただダンスと歌を堪能、ほんまもんって凄い!との印象のみ残っている。この映画で「ああ、こんな話だったのね」と確認できて懐かしいやらうれしいやら。
 主演のネイサン・レインは舞台役者さんだそうで、こういったオカマの役は楽しいというか、役者さんとして演じ甲斐があるというか、もうやりたい放題はじけまくっている気がする。対してロビンは損な役回り、その分しっかりとした演技が要求される?だっておいしいのはネイサンとハックマン。(惜しむらくはハックマンには最後の女装はもっとはじけてほしかった。)
 やはりこれはブロードウエイ・ミュージカル。話がさらっと進む本編は単純に楽しめたが この手の話にしては無難にまとまってしまったかな~。

二十日鼠と人間 ★★★

2004年06月04日 | 
監督 ゲイリー・シニーズ
出演 ジョン・マルコヴィッチ、ゲイリー・シニーズ

 原作は中学生(はるか昔だ)に読んだ。子供心にせつなくやるせなかった。映画に同じ読後感があるかといえば、やや希薄に思う。2時間に満たない長さのせいかもしれない。
しかし、よく知られた原作の映画化としては良くできていると思う。 レニー役のマルコヴィッチは自然でうまい。障害者を演じるのは魅力的かもしれないが、いやらしくならないというのは難しいものだ。障害者=純真という方程式も陥りやすいワナだ。レニーはいい奴ではあるが、その言動、行動が人の神経にさわりもする。当然のことだ。そのあたりジョージとのからみできちんと描けていたように思う。
 老犬を人に頼まずに自分の手で殺せば良かったという老人の言葉が伏線になり、つかまってなぶり殺しになるよりはと自らの手にかけるジョージ。このラストを知っていたからこそ、牧場の夢を語るシーンが哀しい。
 優しくなでたいだけだったのに、その命を奪ってしまう大男レニー。あの背後からの銃弾は本当に彼のためだったのか、今もよく分からない。

 マルコヴィッチが大男であったことを初めて知った。なぜ小柄なイメージがあったのかな?レニーを優しく見つめるジョージ(ゲーリー)の眼差しがいい。ジョージだけではない。スリムをはじめ、彼らをとりまく男たちはみんなやさしい。ボスの息子とて大悪党ではない。それなのにこの結末。
やさしいだけでは生きていけない世の中ということなのか。

ハイランダー ★★★

2004年05月20日 | 
監督 ラッセル・マルケイ 
出演 クリストファー・ランバート、ショーン・コネリー

 QUEENがサントラを担当しているので、以前から見たかったのをやっとレンタル。が、音・画質とも以上に悪し。評価に大きく影響したと思う。

当時は斬新でもやはり古くさい感じは否めないし、 クリストファー・ランバートは「グレイストーク ターザンの伝説」で見初めた俳優だったがセクシーというより、脂っこい感じ。(太った?)
なにより現代の恋人役がださすぎる。数世紀も生き抜いているハイランダーだから、いろいろなタイプを試してみてもいいんだけど、こういうところで手抜きされるととたんに安っぽくなる。リアルドラマじゃないのだから見た目は大事でしょうに。

 この映画の見所は過去の部分。「Who wants to live foever」はせつなくてじ~ん。老いた恋人を看取るのはつらい。

バットマン ★★★★★

2004年01月13日 | 
監督  ティム・バートン
出演  マイケル・キートン、キム・ベイシンガー、ジャック・ニコルソン

 どんなに素顔がださくて、髪の毛が後退しかかっていてもマスクをかぶったバットマンはマイケル・キートンピカイチ。
加えてキム・ベイシンガー、ジャック・ニコルソン、音楽はプリンス、そして監督は思い入れたっぷりのティム・バートンとくれば、これがバットマン映画のベストであるのに異論はない。(第2作目を推す声もあるけど断然一作目が好き!)

 特にキートンはあの「ビートルジュース」と同一人物とは思えないほどの格好良さ。両親を殺された暗い過去を持つ根暗の富豪、ブルース・ウエインを好演している。
 アニメ版ビデオも所有してますが、これに関しては実写版の方がいい。暗くひたすらダークなゴッサム・シティはまさにバートンのイメージの勝利。
ナイスなデザインのバット・モービルのミニチュアも持ってます。(子供のおもちゃですけど)

パリは霧にぬれて ★★★★★

2004年01月06日 | 
 「俺たちに明日はない」で少女だった私は、フェイ・ダナウエイのファンになった。

 ダナウエイ主演のこの映画はただただ彼女を観るためだけにある。この映画の価値は冒頭ダナウエイが幼き息子を連れて退廃したパリの運河をさまよう数分に凝縮さてれいる。ジルベール・ベコーの気怠くせつないメロディ。
  言葉もままならない異国パリで心細く身のおきどころないアメリカ人女性。愛する夫は妻にも言えない秘密の任務をかかえ、次第に陰謀に巻き込まれていくというサスペンス仕立てのストーリーは実はどうでもいいものなのだ。

 もうすでにかなり昔の映画ではあるが、今もって異国に暮らす不安、そしてどこかどんよりとしたパリの重苦しさをこれほどまでに見事に表現した映画を知らない。
 確かに美しいに違いはない霧に濡れたパリ。サン・マルタンの運河はその匂いまで漂わせて、あこがれの花の都パリが、異国というものが、異邦人にとって決してやさしくはないのだという真実を教えてくれる。

 演技派と呼ばれる以前の、美しいダナウエイはこの頃までか。とても雰囲気があってステキな女優さんだった。本作以降、「チャイナタウン」あたりから魅力が落ちてきたのが残念。