
きょう6月21日は、NHK朝のテレビドラマ「花子とアン」の主人公、村岡花子さんの誕生日だそうです。
いつもお世話になっている、福音館書店さんのサイトで紹介されていました。
ブログタイトルもこれそのまま、本文も後にそのまま載せさせて頂きます。
私も息子も、英語教室の子どもたちも大好きな「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」が、彼女の訳した絵本。
そして、私が教えて頂いている先生方が受講した、東京子ども図書館の、創設者の松岡享子さんが開いていた、
家庭文庫(松の実文庫)の祖でもある、かつら文庫の石井桃子さんと交流があり、、文庫開設の先駆者(道雄文庫)でいらした村岡花子さん。
その流れには、これまた息子が親しんで、教室の子どもたちも喜んでいる「どろんこハリー」を訳した
渡辺茂男さん。
子どもたちへの絵本とおはなしを、日本でこんなに豊かにしたのは、まさにこの方たちで、
ありがたい環境に私たちは今いるのだなあと、しみじみ思ったのでした。
以下、転載です。
福音館書店
昨日
●花子とアンとちゅうちゅう
日本の子どもの本の世界を切り拓いた村岡花子さん(1893―1968)
6月21日は村岡花子さんの誕生日です。NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」で、その生涯がドラマで紹介されている村岡花子さんですが、福音館書店でも3冊の絵本を翻訳しています。『赤毛のアン』が1952年に翻訳出版されてから9年後の1961年に刊行された『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』がその1冊です。
http://www.fukuinkan.co.jp/bookdetail.php?goods_id=497
村岡花子さんは、1960年に生まれた初孫の健やかな成長を願いながら翻訳をなさったということですが、すでに創作に、翻訳に、子どもの本の世界で長く活躍されていた村岡さんに、福音館書店が絵本の翻訳をお願いしたのは、石井桃子さん*を介してのことだったようです。
村岡花子さんは、第2次大戦前から小さな子ども図書館を自宅に作りたいと考えていて、その構想に賛同した14才年下の石井桃子さんとは深い交流があったそうです。村岡さんの家庭図書館「道雄文庫」は1952年に実現し、石井桃子さんの「かつら文庫」は1958年に開設されました。村岡さんの「道雄文庫」開設当初は、当時大学生だった渡辺茂男さん*がお手伝いをしていたそうです。
こんなエピソードを知ると、現代の日本の子どもの本の世界を築きあげてきた石井桃子さんや渡辺茂男さんにとっても、村岡花子さんはその道を指し示してくれた先駆者であったことがわかって、またドラマを見るのも楽しみになってきますね。
ところで『赤毛のアン』の“アン”は、限りない好奇心と想像力でまわりの人々を翻弄し、また魅了もするのですが、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』の“ちゅうちゅう”もいたずら心旺盛でしかもみんなに愛されているかわいい機関車です。どちらも、村岡花子さんご自身にも似たところのある主人公だったのかもしれませんね。ちなみに“ちゅうちゅう”は英語の原書ではherという代名詞で書かれています。つまり“女の子”なのですよ。
村岡花子さんの訳されたあと2冊の絵本は
『アンディとらいおん』
http://www.fukuinkan.co.jp/bookdetail.php?goods_id=534
『ごきげんならいおん』
http://www.fukuinkan.co.jp/bookdetail.php?goods_id=535
です。
* 石井桃子(1907~2008)児童書の編集、自宅での文庫活動のほか、創作『ノンちゃん雲に乗る』、翻訳「クマのプーさん」「ピーターラビット」シリーズなど数多くの著訳書があり、子どもの本の世界に多大な貢献をした。
* 渡辺茂男(1928~2006)慶応大学図書館学科の第一期生として卒業。創作に童話『もりのへなそうる』、絵本『しょうぼうじどうしゃじぷた』など、訳書に絵本『どろんこハリー』童話『エルマーのぼうけん』など。