日本専門評論

日本国内の問題を、専門的に、あれこれ評論します。

日米中の関係の真相

2006年11月08日 21時35分55秒 | 外交

だから言ったじゃないですか、 中国のGDP成長率は出鱈目だって。

香港の『文匯報』は中国国家統計局長が突如、解任された理由を「邱暁華は”重大な規律違反”のため当局の取り調べ中」 と報じたのは10月14日である。
 統計局長の「免職」を新華社が伝えたのは、その二日前。10月12日である。
 
 拙著や拙論で過去にもたびたび指摘してきたように「中国の公式統計は大嘘」だ。
抗議は一度もなかったが、随分とあちこちから反発があり、反論もあった。
しかしこの事件が皮肉にも、中国の統計数字が出鱈目であり、小生の議論が正しかったことを、いみじくも証明してくれたことになる。

 とくに経済統計はGDPの公表で中央政府の数字と地方政府の数字に巨大な齟齬があり、まったく正確を欠く。
 或る省では幹部が会談して「中央政府が8%といっているなら、我々は24%でいこう」というむちゃくちゃな討議で決められる。

ピッツバーグ大学のロースキ教授が三年前に、
「たとえば或る年の経済成長が8%と発表されたときの電力消費が10%落ち込んでいた」
などと精密なデータで論証し、「過去二十年間、中国の経済成長の平均は、およそ3%ないし4%の間だろう」と発表している。

 中国政府は、このロースキ教授を「いかがわしき学者、ならす者」呼ばわりして罵倒したものだった。

さて香港情報によれば前国家統計局長の邱氏は胡錦濤政権が目標としている投資抑制方針にそぐわない統計を出したりしており、 また失脚した陳良宇・前上海市共産党委員会書記の汚職事件と関与した疑惑が報じられている。
 統計局は記者会見で「上海の社会保障基金事件を調べていた関係部門が重大な規律違反の疑いを発見した」と回答している。

 上海の摩天楼、汚水に沈みそう。

日本の政治・ 経済 2006年11月06日号

安倍新首相の滑り出しは上々である。就任早々日中・日韓首脳会談を行ったのは大得点だったが、 その最中に行われた北朝鮮の核実験で得点は倍化した。安倍首相はアジア外交の重要性を強調しているが、やはり対中外交が中心的課題だろう。

首脳会談を無理してまで中国が受け入れたのには中国なりの理由があったことは「時事直言」などで述べたとおりである。 つまり2005年にアメリカ企業が中国から資金を引き揚げた影響で同年の海外からの対中直接は何と27%も減ってしまった。 海外投資に依存している中国経済にとって2006年にはなんとしても日本からの投資で穴埋めしなくてはならない状態になっていたのである。 だから中国にしてみたら靖国問題などで日本と喧嘩をしている場合ではなかったのである。 10月は待ちに待ったギリギリのところだったのである。

だから全人代(中国の国会)初日の超忙しい時期にもかかわらず首脳会談開催に同意したのである。 小泉首相が8月15日に靖国参拝をした時でも、中国共産党広報部は各メディアに対日抗議活動をしないように指令している。 ところが一方戴第一外務次官は「靖国問題は今後5-10年も長引くだろう」と発表している。つまり靖国問題は、 中国人民の反政府運動のガス抜きとして必要であることを認めているのである。

今後良好な日中関係を維持するには首脳会談も必要だが、「阿吽の呼吸」の会話が必要である。安部首相の 「靖国に行くとも行かぬとも言わない」の「靖国参拝を前提とした日中友好」は一種の阿吽の呼吸のなせる業である。 中国に日本の情報が少なすぎる。またスポーツや芸能を通じた交流が少なすぎる。政治はハード外交。 もっとソフト外交を積極的に進めるべきである。ソフト外交が発展すればするほどハード外交に阿吽の呼吸が効きはじめる。

もっとも日中があまり親密になることをアメリカは好まないが。

宮崎正弘講演会で、 安倍電撃訪中の意味を・・・

宮崎正弘講演会で、安倍電撃訪中の政治的背景についての裏話を拝聴。

昨日は、「ポーツマス・ネツトワーク」という大学生中心の勉強会に行ってきた。講師は宮崎正弘氏。もちろんテーマは中国問題である。 胡錦濤の江沢民一派つぶしと権力掌握への戦略分析や、中国政府の安倍訪中歓迎ムードの政治的意味など、話題は多岐にわたったが、中でも、 胡錦濤・中国政府が安倍訪中歓迎路線へ転換した政治的背景に、 天津開発への日本からの投資資金導入という切迫した事情があるという話は新鮮だった。天津は、 江沢民一派の資金源である上海に代わるべき新しい経済開発の拠点として、胡錦濤一派が注目している都市らしい。というわけで、これから先は、 著作権侵害(笑)になるおそれがあるので、カットするが、昨日の宮崎講演会には、西尾幹二氏や、西村幸祐、石平、平田文昭、 西法太郎の各氏等も出席していて有意義だった。特に僕は、西尾氏に会うのは久しぶりだった。一連の「つくる会」騒動後、初めてであった。 話の中身は公表できないが、いろいろな込み入った話もした。今や保守論壇は、人間もメディアも一斉に権力に迎合し、 権力とのつながりを言論の武器にする時代である。政府や権力を批判する保守派にとっては生きにくい時代だと言っていいだろう。しかるに、 そういう時期だからこそ、政府や権力に妥協せず、孤立を恐れずに、真正保守としての論陣を張り続けられるかどうか、 というところに保守思想家の真髄はある、と僕は思うのだが。今や唯一のまともな保守思想家と言っていい西尾氏の今後の言論活動を断固、 支持する。権力の走狗に堕落したインチキ保守なんかに負けるな、西尾幹二(!!!)、というわけだ。

以上抜粋。

(私のコメント)

中国経済の崩壊が迫っています。海外からの投資で経済が好調だった韓国は、外資の投資が減退して、経済が破綻しました。中国も、 韓国の二の舞になるということです。

胡錦濤は、これを回避するために、天津開発を狙っています。落ち行く上海を切り捨て、江沢民一派の財力を消費させ、 江沢民の影響力を削ぎ落とすことも考えているでしょう。

そして資金源として、日本が必要なのです。だから胡錦濤は、日中首脳会談を受けたのです。

とすると日米中の関係は、次となると思います。小泉(安倍)ーブッシュー胡錦濤のラインと、媚中派ークリントン(ヒラリー) ー江沢民のラインです。日米中は、それぞれ内部抗争があり、国家という枠を超えて、ある程度は手を結ぼうとしているのではないでしょうか?