この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

88kk(パチパチ・ケイケイ)開業

2021-02-05 13:22:30 | たかが競馬、されど競馬
88kk とは88株式会社ね競馬投資会社のつもりである。
師匠から10万円が送られてきて競馬会社を始める経緯は「師匠の競馬」で触れた。日記で確かめてみたら送られてきたのは15万円だった。
そしてその第1営業日の顛末である。
レースは中山記念。検討の結果◎2枠②ヨシノスキーの単勝に3万円、〇7枠⑧カネミカサに4万円、▲1枠①メジロマーティンに3万円となった。
カネミカサはこれまでに中山記念を2連覇している中距離の王者である。今回勝てば3連覇。断然人気である。4歳の新進新鋭を本命にするのは師匠ならではのことだった。

それより問題は10万円の馬券である。馬券は何度も買っていたが1レースに10万円というのはまったく経験がない。
住んでいた田園都市線の藤が丘駅から一番近い渋谷の場外(ウインズ)に行くことに決めた。
あまり混まないうちに早めに行こう。それから、すいている窓口を探そう。どこにお金を入れて、さっと出せるようにしよう。強盗に襲われないようもたもたしない等々、前夜からシミュレーションを丹念にやった。

10時ごろに渋谷に着いただろうか、いつになく速足になっていた。場外馬券売り場に着くと割合空いていた。
人気の少ない窓口を見つけて「2番の単勝30枚」と言った途端、「ガッチャンコ、ガッチャンコ、ガッチャンコ・・・」と始まった。
当時は今のようなユニット馬券ではなくロール式の紙にそのつど印刷しながら切り離していくのだ。200円券と特券(1000円)があって、もちろん特券発売の窓口だったが、発券枚数のことはシミュレーションしていなかった。
「ガッチャンコ、ガッチャンコ、ガッチャンコ・・・」永遠に続くガッチャンコに気を失うかと思った。
ようやく100回目のガッチャンコが終わって、支払いすると馬鹿丁寧に数えるではないか。いつの間にか後ろに並んでいる人がいる。冷や冷やしながらようやく窓口を離れる。怪しい奴はいないか周囲に気を配りつつ一目散に帰宅した。

ファンファーレの前に師匠から電話が入った。電話口にラジオを置き、わたしは音を消してテレビ中継を見ながら「来い、来い!」と叫んでいた。
結果ですか?
狙い通りヨシノスキーの勝利。2着カネミカサ、3着がメジロマーティンだった。
単勝340円、枠連2-7は230円と配当は低かったが、ほぼ倍増となり幸先良いスタートとなった。
その後の快刀乱麻の活躍は「師匠の競馬」で触れたとおりである。

そして、時は84年の第90回天皇賞秋のことである。
もう府中3200mではない。東京競馬場2000mとなった初めての天皇賞秋だった。
わたしは会社の同僚二人と競馬場に行った。ナベちゃんは経験者だったが、営業の新人のサトウは競馬をやったことがなく、彼にねだられての道行きだった。
前年の3冠馬ミスターシービーが圧倒的人気。シンボリルドルフが3冠を達成していたが、天皇賞は回避しJCに向かっている。レースはミスターシービーの同期のカツラギエースとの1騎打ちムードだった。

いいところを見せようとしたのだろう。メイン前に資金がなくなった。帰りに一杯ひっかけるぐらいは奢るつもりだったので、この惨敗は悔しかった。
とうとう88kkの資金に手を付けてしまった。
どの目を飲むか悩んだ末、府中2000mは大外不利といわれていたから、8枠大外のテュデナムキングの7-8の目を飲んだ。
悪いときは悪い方に転がるもので、ミスターシービーの後からテュデナムキングが一緒にゴールに飛び込んできた。
一旦先頭に立ったカツラギエースはロンググレイス、トウショウペガサスにも刺されて5着。
飲んだ枠連1,790円、5万円で計89万5千円である。同僚たちとどんな顔をして別れたかまったく覚えていない。

後から考えればカツラギエースの目の方が被害は少なかった。ダントツ1番人気と2番人気でオッズは憶えてないが、せいぜい2、300円ぐらいなものだ。10万円だったとしても2、30万円。愚か者を絵にかいたようなものだった。
その後、カミさんが意気消沈しているわたしに気づいた。訳を話したら貯金で補填することを了解してもらって一安心。
ところがせっかく補填したその資金もずるずると負けて無くなってしまった。
そのまま飲んでいたら被害はなかったのに・・・。いえいえ冗談です。

88kkは昭和60(85)年4月、本社工場の移転で経理課資材係として勤務していたわたしが千葉県成田に転勤することから、そのまま自然解散となった。

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