学長のひやかし

本(もと)はみな たれもの晒しの白木綿 
染めつよこれつ 末はいろいろ

悲しき弱者軽視の風潮

2006年01月30日 | news
「ホームレス」テント、大阪市が2公園で強制撤去 (朝日新聞) - goo ニュース

 また行政による弱者いじめが大阪で行われた。愛知花博のときも同じようなことが行われたのが、今回も「全国都市緑化おおさかフェア」、「世界バラ会議」のために行政代執行で撤去に踏み切った。
 テレビのニュースによれば、行政側は野宿者の方々に対して簡易施設を用意し最大6ヶ月間まで3食付で寝床をあたえるうえ就職相談もおこなうとしている。しかし野宿者には60歳を超えた高齢者も多く、今から就業機会をあたえてくれる企業などないに等しいそうで、結局のところまた野宿生活に戻ってしまうそうだ。つまるところ供給過剰現象(仕事と労働者の割合に釣り合いが取れておらず、労働者があまってしまう現象)が起きており、結局のところ意味がないのだ。
 このところ「東横イン」の障害者軽視経営などにもあるように、弱者軽視の風潮が世の中に広まっている気がする。確かにどちらの事件もいわゆる「勝ち組」といわれる富裕層にとっては、痛くもかゆくもないことだろう。しかしそうした心の貧しい風潮がある国は、国際社会としては落第で今後の繁栄は難しいだろう。私は何も弱者を手厚く保護せよといっているわけではない。そんなことをすれば、まじめに働く人が減り、国のお金に頼る人間(生活保護など)が増え、国力衰退になるのはよく分かっている。だがしかし、(あらゆる面で)上に立つものはもう少し貧困層や障害者の立場を理解した行動をとってもいいのではないだろうか。二極化が進むといわれているこの現代社会、今こそ行政や富裕層がもっと思いやりをもって行動するべきである。
 
 そもそも花博のときといい、今回のときといい、なぜ撤去までしなければならないのかと疑問に思う。仮に往来の邪魔になる人がいるならば期間内だけ場所を移ってもらうことも可能なはずである。私の個人的な考えでは、結局は諸外国から来る来賓に見栄を張り、「我が街にはホームレスのいない平和で豊かな場所である」ということをアピールしたいだけではないかと思う。もし本当にそうだとしたら、悲しい思いをする人がたくさん出る上に多額の税金が使われるわけだからこれほどばかげた話はない。私は逆にいい機会なのだから、諸外国や県(府)外者にも今の現状を見てもらうべきだと思う。問題があるのに、問題がないと偽っている行政側はまるで今流行の粉飾決算と同じことをしていることに変わりない。

 大阪府に限っていえば、こんなことより税金の無駄使いをなくすなど身内の掃除の方が先にやるべきことだと思うが、前市長が当選したところを見ると行政自体に市民の関心があまりないんでしょうな・・・。