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ディープペガサス

2018-12-15 09:30:00 | インポート

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日本を代表する大都市といえば東京、

そしてその次と言えば大阪だろう。

 

だが似て非なる部分がかなりあるのをご存知だろうか。

 

それは単に勤めに行く会社や住む人達だけでなく

地勢的な部分が大きな原因のひとつとなっている。

 

まず東京は言わずと知れた日本の首都だが都市という意味では

大阪は府ではなく市をさす場合が多い。

人口ではそれら2つに続く愛知も都市ということなら名古屋を指すのと同様である。

 

日本人が東京一極に集中しすぎたせいでそこに住む人達も

その親や祖父母も含めて地方から来た者が多いのもそのせいだろう。

だが大阪は土着意識が高いのか何代もその地に住み続けている感があるのだ。

生まれも育ちも関西ネイティヴな私にも東京の知人は数多くいるが、

その彼等をして東京は日本で一番田舎者の集まりだと言わしめるのは

そういう面を表わしているからではないだろうか。

 

不動産では戸建て、マンション、持ち家、賃貸に関係なく

東京は都心部に対して放射状に広がるように住む場所を求めるのは

当然離れるに伴って価格が変化してくるので一定の理解はできる。

 

遠くになればなる程、地価は下がり同じ広さなら安くつくし、

都心部までの交通機関の料金や通勤時間と睨らめっこになるだろうからね。

 

だが面白いことに大阪を含めた関西は少々違うのだ。

関西は引っ越す前と同じ鉄道沿線とか国道だとかの近くにしか移らないのである。

阪神間の者は阪神間で住まいを探し、北摂は北摂、泉南も同様な傾向なのだ。

厳密には阪神間と呼ぶ場合は西宮や芦屋、神戸は兵庫県なのだが。

 

関西圏以外の者には判りにくいだろうが、それぞれの地域での違いというのか

住みやすさや大袈裟に言えば文化すら微妙に独自性があるからだろう。

単に梅田や難波に対しての距離だけを優先している訳ではないのは断言できる。

 

これが歓楽街、飲食街となれば傾向は更に顕著になる。

JR大阪駅とほぼ同じ場所にある阪急、阪神の各梅田駅を中心とした「キタ」と

難波や天王寺、阿倍野界隈の「ミナミ」だ。

 

この読み通りキタは大阪市の北側に、ミナミは南側に位置しており、

極端な喩えをすればキタが東京の銀座でミナミは新宿という風な印象だろうか。

 

キタは大人の紳士、淑女で高級なイメージ(あくまでイメージ)で

ミナミは大衆的な若者の街といった風情である。

 

そのキタとミナミを東西南北に地下鉄網がいくつも張り巡らされており、

またJRは北の大阪駅から南の天王寺駅を頂点とした

円周上に環状線が走っている。

 

環状線の駅がひとつ変わるたびに街の風景や雰囲気が変わるのは

他の地方から来た客が乗っていてもおそらく気づくだろう。

暇な、いや時間に余裕のある方なら退屈しのぎにそのまま乗り続けると

一周廻って元に戻る小一時間で多彩な大阪の街並みを味わう

安上がりの観光気分も可能なのだ。

 

その環状線を大阪駅から時計廻りに一駅進むとT駅がある。

因みに環状線は時計廻りを「外回り」、反時計廻りを「内回り」と呼ぶ。

 

一駅程度では当然まだキタに属するT駅だが改札を降りると周囲は

大阪駅や梅田駅界隈とは全く違う場所なのだと驚くだろう。

 

 

(ここで一旦小休止)

私のことを既にご存知なら理解いただけるだろうが、

タイトルから先のジャパンカップを世界記録でぶっちぎった3歳牝馬、

アーモンドアイみたいな話の展開には全くなりはしないので

そう思ってここまで読ませた訪問者には書くのも忍びないが

単にこのままダラダラと続くので悪しからずというしかない。

但し次の有馬記念でアーモンドアイがテッパン級の

大本命になるのは間違いのないところではあろう。

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Mから連絡があったのは3日前の夜だった。

ある車系SNSで1年程前に交流があったのをきっかけに、

そのオフ会が今年の7月に有馬で行われた時に一度実際に会ったことはあった。

 

男の年齢には興味はないが少なくとも還暦親父よりは遥かに若く、

それでいて車に対する薀蓄は無論、非常に情熱のあるのが判った。

わざわざ私の為に20ソアラの発売当時のカタログまで持参し、

見せてくれたのも嬉しいサプライズだった。

 

また参加した中ではおそらく1番若いながらも記念にと

洒落た小品を参加者全員にお土産として配ってくれる

気遣いも出来て非常に感心したのもあって好印象を持っていた。

 

オフ会の宴会では席が離れていた上に夕方合流、1泊して翌朝解散と

短時間しかMと直接話が出来無かったのだけが少々残念だった。

 

突然の連絡で驚いたものの車で仙台からの旅行の途中に大阪に寄るので

都合が良ければ会いたいと書かれてあった。

当然即OKの返答をする。

 

大阪ではどこに泊まるのかと問い合わせた返事が冒頭に紹介した

T駅前のビジネスホテルだったのである。

 

T駅周辺の土地勘は疎いだろうMとは駅改札出口でと待ち合わせすることに。

とは言っても私自身T駅には行ったことはあっても地元というには憚る、

自宅からは電車で1時間程度の場所に住んでいる。

待ち合わせ時間より早めに現地に行き近辺を下調べ代わりと散策してみた。

 

駅の北側はオフィス街で南側が飲食街となっている。

その南側を改めて眺めてみるとキタとは思えぬ大衆的で雑多でいて活気がある。

関西弁で言うと「ごちゃごちゃした賑やかな」街だ。

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商店街をぐるりと廻ってみると何処も通路は狭く

アーケードも低い通りが続く。

正しくは通りというより路地と表現すべきかも知れない。

 

洒落たレストランや小料理屋みたいな落ち着いた店は見当たらず、

行けども行けどもあるのは「焼鳥屋」、「ホルモン屋」、「おでん屋」か、

後は精々「立ち飲み屋」ばかり。

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通路に面した部分にはビニールテントが垂らされて、

少しでも店を広げて使う工夫がされている。

こんな簡易な囲いでもいわゆる屋根と壁に相当するような物を

設置すれば建築物と法的には見なされ当然違法である。

おそらくどうせお上なんて気にしない人達だろうし、

ある意味役所や警察も容認しているのかも知れない。

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当初Mと会うのは梅田辺りにしようかと考えていた私だったが、

待ち合わせの相手が女性ならばいざ知らず気が置けない男なら

こんなディープな場所で飲み食いするのもありかと思うようになってきた。

 

私自身まあ今後も一人でここにわざわざ来る用向きもないだろうとなれば、

遠方の地から来てくれる相手は尚更プライスレスだろ。

 

結局散々辺りをうろついたものの何処も殆ど同じような店ばかり。

札幌のラーメン横丁みたいに同業種が乱立しているのは客にとっては

当たり外れのないコスパの高いリーズナブルな環境だとも言えるではないか。

 

そんなことを考えながら駅に戻ってしばらくするとMがやってきた。

 

(続く)

 

※この話は実際にあった話を参考にしたフィクションであり、

 実在の場所や人物には一切関係がないと書かせてもらっておく。

 また地元民からそんなことないぞという苦情は

  単なる主観、私の思い込みも当然ありということでご勘弁。

 あったところで受付はしないので含みおき願いたい。