梅雨のジメジメして鬱陶しい日々の合間、
ぴーかんになったある日の事。
多分改装される前の甲子園球場に行って以来だから
かれこれ約40年ぶりの野球観戦ということになるだろうか。
こちらから連れて行ってと頼んだ訳じゃなく
年間席を予約しているNさんからチケット1枚余ってるから
良かったらどう?って誘われたからなんだ。
それもナイターじゃなくデーゲーム。
もう夏かと思うくらいとても暑い日だった。
ドーム型球場だったのでエアコンが効いてるのは助かった。
各座席の肩に当たる背面にその吹出し口が装着されている。
丁度乗用車ならヘッドレストを差し込む部分になると書けば判るだろう。
またその席はバックネット裏から数えて両手で足りるくらいの前列で
視覚的にも昔TVで観たのと同じ光景の絶好のポジションやった。
いや古くからある球場しか知らない俺には見るもの聞くものが珍しくて
気分はすっかりガキの時代に逆戻りしてしまった。
目当ての球団というのじゃないのに妙にウキウキしちゃう。
Nさんと試合開始より早めに待ち合わせたのは
丁度昼食前に到着出来るからなの。
座席の後方(上部)3Fには透明ガラス張りの部屋で
スタンド観戦できるような場所があり、
バイキング形式ながら何と飲食は全て無料なのだ。
※但しアルコール類だけは有料
大き目の紙コップにビールを入れたNさんも
皿に盛ったカラ揚げを摘んでご満悦のよう。
ちょっとした差別化というかこういうサービスは個別満足感が増すねえ。
まあ年間云十万も払っている者からすればこれくらいは当然かもな。
飲食物の持ち込みはNGで入場の際には
簡易な持ち込み検査も受けなければならないので、
堂々と書けるような話じゃないのだけれどね。
痛風持ちの俺はビールを止めてもう20年近く。
それ以外のアルコール類もハイボールだとか酎ハイ系しかないのも
事前に聞いていたのもあって焼酎を水筒に入れて持ち込んでたのさ。
中身の見えない魔法瓶タイプの物に氷を入れておき、
そのままロックで麦焼酎を仕込んだ代物さ。
因みにテラス席だけでなく自分の座席でも店内の物であれば
注文すれば二十歳前後の若い女の子が運んできてくれるのである。
昼間から酒を飲むなんてことも少ないし、
野球観戦なんて条件を加えるともう全く記憶に無いシチュエーションで、
気分良く焼酎ロックを500ミリリットルほど飲んだのが良かったのか悪かったのか・・・?
酔ってウツウツしてしまい気がつけば肝心の試合はもう殆ど終盤だった。
試合の内容よりも投手の投げるボールがやたらと大きく見えて
ソフトボールを使ってるのかと思うくらいだったのが印象に残ってる。
なので打球音も鈍くて球も重たいように見えましたなあ。
まあ酔っ払いの感覚だと思って頂戴。
結局試合自体は均衡した熱戦になったんだけど、
9回裏2アウトの時点で混むのを避ける為に球場を後にすることにしたのである。
電車で帰る道中でのことNさんから
「ちょこっと立ち呑み屋に寄って行かへんか?」と新たなお誘いが。
彼は仕事も現役バリバリで遊びにも長けた粋な人生の先輩である。
日頃は車通勤の俺にとってはちょっと1杯なんてのもあまり無いからね。
モチのロン、返事は即OKである。
途中下車した駅から徒歩1分にあるそこはホルモン焼きの店だった。
関西人には説明不要だろうが平易に言えば焼肉屋。
但し内臓系の部位も焼いて食べるというのが普通の焼肉店とは違うところで
世間一般には生理的分泌物からの意味で解釈されているようだが、
真偽については定かではないながら関西では放る(ホオル、捨てるの意)
部位がないくらいに食するからホルモン(ホオルモンなし)
だというのがほぼ定説化しているのだ。
入れば確かに立ち呑み屋ながら夕方から賑わっている。
若い女性も沢山来ているのはコスパに優れた店だとすぐに判った。
食ってもやはり間違いなく美味しい。
値段も安いとくればそりゃ流行らない理由はないよな。
大衆的な立ち呑み屋で隣の客ともフレンドリーな会話が出来る。
オネイチャン達とも意気投合して仲良くなったという部分は
紙面の関係で割愛させていただこう。
とにかくNさん有難う~。
調子にノリついでに週末辺りに近場の温泉でも行くとしようかね。