goo blog サービス終了のお知らせ 

珈琲おいしい

日々の日記の予定だったけど最近ゲームコラム風。いまとなってはレゲーレビューブログかな。

天外魔境II MANJI MARU ハドソン・ザ・ベスト その5【DS】

2007-07-09 00:28:20 | Nintendo DS

「我が道に敵無ーし!!」


長かった戦いの旅は終りを告げ
『ジパング』の国にもやっと
平穏が訪れました。

ようやっと『天外魔境2』をクリアしたぞコンチクショ~!

と言うわけで、ネタバレ必須の記事です。
未プレイで、今後プレイを考えている方は閲覧しないで下さい。
しかもちょっと長いです。

~~~~~

時間にすると59時間。かかりました。結構大変だった。
というのも、据え置き機ではなく、携帯ゲーム機での本格的な
ロールプレイングでしたので、クリアには難儀しました。

『天外魔境2』特有なのでしょうが、まず敵とのエンカウト率が
非常に高い。と言うのと、セーブポイントが宿屋のみ。と言うのが
まず携帯機にはネックで。
冒険の途中では電源切れないし、敵が多くて先に進めないし。
等など、最初は軽めに不満の点をいくつか述べてみました。

でも、それ以上に感動の要素が高い『天外魔境2』。
それを持ってしても終盤の物語の高揚感と言うのは・・・半端じゃありませんでした。

~~~~~

『富野監督(ガンダムの生みの親)』の作品には非常に
『女性』が物語の鍵になる描かれ方をしています。

この『女性』をいかに自然に、そして物語で華のある存在に描けるか。
(もちろん主人公は男であることを前提としてね)と言う所が
非常に上手く描かれています。

こんな物語の描き方を出来てる作品ってなかなかいないよなぁ・・・
って思っていたら、あったんですね。

『天外魔境2 MANJIMARU』。

『男』と『女』という性が別れていることと、二つの性がもたらす感情劇。
が、随所に盛り込まれていました。

『愛情』と『憎悪』。そして人が生きていくことで生まれる
複雑化した思い。

思っていた以上に深く、そして厚い物語が展開していました。

最初は、悪の恐怖や、人の悲しみ、ソコから生まれる勇気などを
感じてたのですが、終盤に向かうにつれ、どんどん女性がかかわる
物語の大きさを感じるようになって来ました。

~~~~~

『デューク・ペペ』という男の敵キャラクターがいます。
この敵は、何が何でも主人公『卍丸』を倒そうと様々な場所で
立ち向かってきます。

それも命をかけて。

しかし、その原因は『デューク・ペペ』の最愛の妻である
『デューク・バーバラ』を倒したことが元になっています。
それからと言うもの、『デューク・ペペ』の執拗な復讐劇は
生半可な物ではありませんでした。

「愛してるよ卍丸。俺にお前を倒させてくれ、
 俺以外のだれかにやられるんじゃないぞ。」

そんな言葉を残し、最終的には『卍丸』を倒すべく、自分の体を改造。
元の姿など跡形も無くなるまで『改造』します。

しかし、そんな『ぺぺ』の思いもむなしく、『卍丸』達は『ペペ』を討ち取るのです。
もちろんオレだけども。

~~~~~

『絹』のこと。
『絹』といえば、主人公の4人目の仲間であり、パーティ唯一の女性です。
この『絹』は殺生を嫌うため、戦闘時に『攻撃』を選択することが出来ません。
そんな状態で旅を続けていたのですが、

「死んだはずの母が生きていた!」

この報告を受け、『絹』は単身、敵の城へ向かってしまいます。

(余談:この三人になった時がホントきつかった。パーティメンバー
    減るのって、つらいねぇ。)

そして、『絹』とその『母』は『百貫丸』という敵に捕まってしまうのですが
何とかして『卍丸』達は『百貫丸』を撃破します。

疲弊も相当な状態でした。
その時に母親が…

敵の変装であったことがわかります。
実の母の皮を使って!!!!

ギャー!怖い!読んでる方スミマセン。

そこで開眼してしまうんですね。『絹』が。本当の名前である『鬼怒(きぬ)』に。


その変装していた敵を怒りのあまり・・・

---

しかし、その凶暴性を否としていた『絹』は、自らの命を絶とうとし、
一人崩れかけている城の中に残ってしまいます。

『カブキ団十郎』が「救いにいく」
『極楽太郎』が「カブキだけには任せておけん」
そして『聖剣』に宿る『蛇光院松虫』が

「絹の魂を抱きとめられるのは、おまえだけだということが まだわからんのか!」

ええ~~!!
そんな関係だったのか!空気が読めなくてすみません。
じゃあ『卍丸』!!行くしかねぇゼ!男がすたるぜぇ!!



そして、『絹』の魂を救う『卍丸』。
うーん。予想外の展開だけど・・・アリだね!いいね!『卍丸』!男だね!

「運命なんてクソッ食らえだ!」



『卍丸』は見事『絹』の魂を包むことが出来たのです。

ま、その後二人の仲が進展とかは特に何も無いので、いいですね。
妙に恋愛チックになってなくて。

~~~~~

そして『百々地三太夫(ももちさんだゆう)』という三人の忍者姉妹が登場します。
長い冒険の中、度々『卍丸』達をフォローしてくれるのですが・・・

その三人が、終盤『卍丸』一行を城から脱出させるため
命をかけて、脱出ルートを作ってくれるんですね。
絵的には

「いけ!ココは俺に任せろ!先に行くんだ!キン肉マン!!」

って感じです。

この最後も・・・ハマりながらプレイしている身には・・・なかなかパンチの
効いた演出でした。
一人、また一人と『卍丸』の目の前で命を落としていきます。

脱出後の『カブキ』のセリフが泣かせます。

「女のくせに忍者みてぇな泥臭ぇことやっててよぉ・・・
 楽しいことなんてひとつもしらねぇまま なんであいつらは
 死ななきゃなんねぇんだよ・・・

 教えてくれよ!!卍丸!!
 俺は…俺はあいつらのために何がしてやれる?
 絶対に俺は根の一族を許さねぇぞ!!!!!!」

最近くすぶってた男としての正義感みたいな物に火のつく演出。見事です。
王道じゃん。といわれればその通りなのかも知れませんが、心のグラつく
死に対しての演出には「ヤラれた!」としか言いようがありません。

~~~~~

そのほかにも『根の一族』の恐怖を描いた演出が沢山あり、
コミカルな絵柄と、フイールドを歩く2頭身では描ききれない
緊迫した空気がこのゲームには存在していたと思います。

そして、最終的には『母なる愛』とでも言いましょうか。
大団円として終了する物語でした。

総評してみると、かなり久々に骨のある『RPG』をプレイしたと思えます。
少年時代にこのゲームをプレイしていたら、もっと骨身にしみて
感動できたゲームであったことでしょう。

今この年齢でプレイして、なんとも成熟した『RPG』があったのだなぁと
悔やんでしまいます。

物語としての完成度は、やはりココ最近の『RPG』よりは荒削りな感が
あります。(最近の『RPG』では『バテン・カイトス』とかかな)
しかし、物語の演出が・・・心のヒダを揺さぶる物が多い。

それは『正義感』であったり『勇気』であったり『恨み』であったり。
非常に感情を揺さぶられる作品でした。
それだけに、若い時期にプレイできなかったことが悩ましい。

ラスボスの戦い時にレベルが『76段』と、いつ終わるんだよ!的な
不安と不満がありましたが、時間をとってミッちりプレイするのが
ふさわしい作品でした。『DS』でのリリースは、どっかで
『軽めのRPG』を思わせていたので、ちょっと痛い目にあいました。
据え置き機でのプレイがやっぱりベストなんだろうなぁ・・・思います。

当時「30分に1度イベントが起こる!」と言うのがテーマとなっていた
このゲーム。
偽りなく、イベントは盛りだくさんでした。

あと、もう2つ上げたいのですが
『豪華声優陣』、そして『スタジオジブリ』や『北野武監督作品』の曲を
作っている『久石譲』。
これらの存在もこの作品の完成度を高めている要因になっています。

大変インパクトの強い声であり曲でした。


ここに書くことの出来た内容はこの『天外魔境2MANZIMARU』の中で
強く印象に残った部分だけを書いています。
プレイをした方々は、もっと根底にある作品の奥深さを感じる事が
出来ていると思います。

人の感情は変化し易く、そして複雑です。




その事をまざまざと見せ付けてくれた・・・名作でした。

このゲームを勧めてくださった皆様、有難うございました。

今日はこの辺で。


P.S.
で、『1』にあたる『ジライヤ』はプレイするハードがないし
『3』の『ナミダ』はナミダ物の出来というから・・・
このシリーズはコレ一本でいいか・・・。


≪関連ページ≫
 ●天外魔境II MANJI MARU(DS版公式Webサイト)
 ●天外魔境II MANJI MARU ハドソン・ザ・ベスト(ハドソンゲームナビ)
 ●天外魔境公式Webサイト(更新終了)

≪当ブログ過去ログ≫
  天外魔境II MANJI MARU ハドソン・ザ・ベスト【DS】 その2 その3 その4
  天外魔境Ⅱ MANJI MARU体験版【DS】
  ⇒非常に酷評してます。この体験版では、良さは伝わらないでしょう。


最新の画像もっと見る

6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様でした!! (ひらまお)
2007-07-09 21:27:41
「百々地三太夫」のイベントは当時も本当にショックでしたね~。

絶対、最後に生きて出てくると思ってましたから。

とにかく、お疲れ様でした!!
満足していただけたようで、ススメた身としてもほっとしています!!

できれば、このようなお手本となるRPGはもっともっと広い層にプレイして欲しいですね。会社を定年退職された層とか。今風のゲームに疲れちゃっている若者とか。

ゼルダのレビューも楽しみにしていますよ!!
それ次第で購入するかも~♪
返信する
Unknown (シャノン)
2007-07-10 11:14:55
ペペは私も印象に残ってますね~。
最愛の妻を殺され復讐に燃え、どこまでもどこまでも追い続け、いつしかただの復讐心とは違う「何か」を芽生えさせているあたりが深いというかなんというか。心理描写がとにかく上手かった。
「愛してるよ卍丸」のせりふはその集大成ですよね。
返信する
Unknown (せろお)
2007-07-10 12:33:36
クリアおめでとうございます
私が天外2をやったのはPCエンジン・・・10年以上前
当時のRPGは10~20時間程度でクリアする作品がほとんどでしたが、天外2の60時間はまさに大作!
しかし、飽きない、だれない、イイ作品でした
メンバーが少ない前半辛かったなぁ・・・牛太郎め!
後半は七福の玉でウハウハでしたが・・・
ZIRIAも面白いですが、カブキ伝と第四の黙示録は、まぁやらなくてもイイかなぁ・・・
長年待ち望んだNAMIDAは評判があまりに酷いのでやってません
返信する
楽しかったです! (kuroo0)
2007-07-10 23:50:27
≫ひらまおさん

『ベスト版』の最後のおすすめがこの作品との出会いに
なった気がします。
大変面白い作品のご紹介ありがとうございました。

このゲームはプレイした人に聞くとみーんな
「おもしろかった!是非やるべき!」と
クチをそろえて言うのでプレイできてよかったです。

>「百々地三太夫」のイベントは当時も本当にショックでしたね~。

そうですねぇ~。このイベントはヤラれると
結構効き目あるんですが、その後の『カブキ』の
セリフがよりいっそう泣かせてくれます。

また、なんだかんだ言って『カブキ』は絵になるなぁ
って言うことで多めに写真を撮った今回でした。

本文でも書きましたが、人の心のヒダをくすぐる
イベントが目白押しで。
凄い一品でしたね。ほんと若い時代にプレイしておけば
よかったなぁ…と思います。

>ゼルダのレビューも楽しみにしていますよ!!

おお!責任重大ですね!がんばりますよ!
でも、面白さばかりを前面に書くとちょっとアレかなぁ
と、最近は感じてますのでもうちょっと中立的に
かければと思ってます。ご期待ください。


≫シャノンさん
まずは、土曜日お疲れ様でした!
『ぺぺ』は印象深かったですね。
本文では触れませんでしたが、一度『根の一族』からも
追われ、命を狙われる身にまで落ちぶれ、
それでも負の感情の大きさから『卍丸』たちを
追い続ける…

なんとも『愛』とは恐ろしいものです。

>「愛してるよ卍丸」のせりふはその集大成ですよね。

確かに!ある意味一番インパクトのつよーい
敵キャラだった気がします。
若い時にやったら…うーん、衝撃の強さは想像を絶しているかも~。


≫せろおさん
PCエンジン全盛の時代に
あれだけの完成度のゲームが出ていたことに
衝撃を覚えました。
自分の生涯の『RPG』5選に入る内容だったと
おもえます。

近頃増えている、自己満足系のステキストーリーではなく、
本当に「人間とはこうも恐ろしくなれるものか!?」
などなどを考えさせられたゲームでした。

確かに言われるように、イベント盛りだくさんだし
飽きさせない展開がすばらしかったです。

ちなみに自分の七服の玉は…
結構もろくも崩れ去ることが多かったです。

また、続編は、やっぱり誰に聞いても評判がアレですね。
たぶんこのシリーズは…もうプレイしないのだと
思います。

返信する
Unknown (デレン)
2007-07-10 23:55:17
お久しぶりです。



天外シリーズは殆どというか全く知らないデレンです。

GBAで任天堂から『オリエンタルブルー 青の天外』という外伝物が出ています。色々と古臭い所が目に着きますが、遭遇したイベントなどを書き留めた『日記システム』やマ石を合成して新しい魔法を錬成する『マ石システム』が中々面白いRPGでした。

興味があれば一度遊んでみて下さい。オートセーブなので携帯ゲーム機との相性も良いかと。※ゲームオーバーになっても詰まる事はありません。

個人的には『ソコソコ』お薦めです(ソコソコなのがミソ)。



天外魔境・・・探してみます。
返信する
ガチャはいかがですか? (kuroo0)
2007-07-11 00:01:20
お久しぶりです!
そうですか~未プレイなのに『天外魔境2』の
記事を読んでしまいましたね~

今回の記事は相当にネタバレをしてるので
ちょっとアレかもしれませn。
そこは申し訳ない。

ちなみに『青の天外』については以前からチェック済みでは
ありました。
『ロマサガ』以降のフリーシナリオシステムを
探し回った時に出会ったものです。
ま、買ってないんですが。

なかなか面白そうですね。
しかし現在『ゼルダ』と『マリオストーリー』と
これまた時間のかかりそうなものに着手中であります。
もうちょっと時間がかかりそうです。
(あと『世界樹』も)

ちなみに『天外魔境2』。
エンカウント率は恐ろしく高いので、そこだけは
本気で注意してくださいね!
物語は絶品でしたから!
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。