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新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃん姉妹とお父さんの日々。

宇仁田ゆみ『うさぎドロップ』9巻(祥伝社)

2011年07月18日 | コミック/アニメ/ゲーム
 完結。

 うーん。

 めでたくハッピーエンド。……ということでいいんだろうな。

 しかし……

 以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています(ウィッキーさんのマネ)。

 『よつばと!』『うさぎドロップ』『高杉さん家のおべんとう』は、新刊を楽しみにしている作品だった。以上3作の共通点は、「血がつながっていない独身男による子育て(しかも娘)3部作」だった。この点が、ほかのシングルファザーものの名作(大和和紀『眠らない街から』、榛野なな恵『Papa told me』など)とのちがいである。

 りんは、ダイキチの死んだじーちゃんの隠し子=すなわち叔母にあたるというのが、もともとの設定だった。しかし養子縁組だけで実子でない=ダイキチと血縁関係にないことが、ラストギリギリで明かされる。

 7巻くらいだったか、りんが母親に会うために戸籍を調べようとして、ダイキチがあわてるエピソードが、伏線といえば、そうもいえた。しかし、この結末は唐突で、『高杉さん家のおべんとう』の「麺でるの法則」にインスパイアされてしまったようにしか見えないのが残念だ(最初からの構想だったとしても)。

 第二部の高校生編も悪くはなかったけれど、やはり第一部の子育て編がおもしろくてためになった。子どもを風邪をひくだけでも、一冊の本が描けてしまう。職場のワークライフバランス啓発の推薦図書にもしたけれど、シングルファザーの子育てにスポットライトを当てた『うさぎドロップ』が与えた社会的な影響力は少なくないと思う。

 りんが「世界二大いい女」であることには反論の余地がない。コウキもいいやつだ。りんも出来すぎで、理想の娘No.1だが、女子は誰かの娘である限り、女子は誰しもりんなのだと共感させるリアリティがあった。この作品が支持された理由だったと思う。

 ラストで壁に飾ってあったのは、りんが小学校1年生のときに書いた作文。りんが幸せなら、それでいいか(いいのか?)。番外編はたぶん読まない。



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