きょうは忙しい。
「エンゲルス歿後110年--将軍と酒と女」と題した未発表稿の一部をサルベージ。
1895年8月5日、フリードリヒ・エンゲルス(1820-1895年)歿。
エンゲルスに墓はない。エンゲルスの亡くなった頃は、ようやくキリスト教国でも火葬がスタートしていた。エンゲルスは自分の亡骸を火葬として、その灰を海に投じてほしいと遺言した。残されたものたちのあいだで、この遺言どお . . . 本文を読む
1週間の労働を終えた。
1934年のシモーヌ・ヴェイユの日記より。
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「12月19日、水曜--7時から11時まで、仕事待ち。
11時から5時まで、ロベールと一緒にながい板金から座金をつくり出すために、重プレス。注文伝票は未完了(1時間2フラン、座金1000個で2フラン28)。非常にはげしい頭痛、ほとんど休みなく、泣きながら仕事をする(帰宅しても、次々に泣けてきて、果てしがない)。そ . . . 本文を読む
「日本語は悪魔の言語」という言葉を知ったのは、紀田順一郎『日本語大博物館 悪魔の文字と闘った人々』(ジャストシステム)だった。ちくま学芸文庫版は品切れのようだけれど、ハードカバー版はまだ在庫あり。
この言葉は、フランシスコ・ザビエルが語ったという伝説が残っているが、疑わしい。そのかわりに、1859年にロンドンで出版されたA.スタインメッツ『日本とその住民たち』は、「この複雑さは福音の拡まる . . . 本文を読む
為人民無期待献身 1949年6月23日
徳田球一は死んだ犬のように扱われている。まして徳球が沖縄出身であることは、いまとなっては省みられることはめったにない。「球一」の名は「琉球一の人物」になることを願って付けられたものである。
しかし故郷の名護には記念碑があり、市のホームページでは「偉大な思想家と紹介」されている。私も知ったのはキンピーさんにお会いしてからだ。ご祖父(社会党員 . . . 本文を読む
串田久治『天安門落書』(講談社現代新書)のことを思いだした。
あのときの中国はどこに行ってしまったのだろう。本書は筆者が北京留学中に遭遇した天安門闘争の貴重なドキュメント。今は本が見あたらないので、ネットで見つけたPDF版より。
<もうはや年を越えて一年になる。昨年春四月に始まった中国の民主化運動は、六月四日の惨憺たる結末で一応の幕を閉じた。その後の東欧の民主化運動の動きを見ていると、中 . . . 本文を読む
二人の毛沢東がいた。1920-30年代の若き革命家と、1950-1960年代の老独裁者との。
毛沢東はすぐれた詩人でもあった。長征途上のゲリラ・パルチザン戦争のさなか、毛沢東が李白(作と伝えられる)の古詩にモチーフを借りた漢詩がある。壮絶な戦闘を勝ち抜き、敵の返り血を浴びながら進撃する精神のたたずまいは、爽やかでさえある。1935年作。
婁山關
西風 烈し
長けき空に 雁の . . . 本文を読む
「人々はあなたを無信仰背神と名づけ、
あなたを悪人たちに教える。
そしてキリスト教徒は自分たちを
これらのきわめて正しい人たちと名づける。」
1872年9月13日、フォイエルバッハ歿。68歳だった。引用はフォイエルバッハの友人でドイツ博物館の事務長ヘクトールの葬送の詩の一節である。
1850年代以降、フォイエルバッハは時代から忘れられ、かなり逼迫した生活を送ったらしい。し . . . 本文を読む
『国家に抗する社会』で読んだ話だが、インディオの酋長を探すのは簡単だという。村でいちばん貧乏で貧相な男を見つけたらいい。ケチだと務まらず、身ぐるみはがされてしまうんだね。これはいつか書いた「雨の王」にもつながる。
それでも、昔の日本にも、井戸塀政治家はいた。しかし今や右も左もばかな世襲議員はかりだ。
リーダーなんか町内会のゴミ当番のようなものでいい。いやいやながら誰かがやるしかないから、 . . . 本文を読む
「君主制やそのほかの食人や未開の洞窟生活の遺産に比べれば、民主主義は、もちろん大きな成果である。しかし、それは人間の社会的な相互関係での盲目的な力の勝負には手をつけずに放置する。十月革命は、まさにその、無意識的なもののもっとも奥深い領域にはじめて手をつけた。ソヴェト制度は、蓄積された帰結だけが今日まで支配的であった社会の土台そのものに目的と計画をもちこみたいと思っている。」(『ロシア革命史』トロツ . . . 本文を読む
なんだか、桃太郎侍とドラゴンボールのコラボレーションのようだね。
1893年の今日、毛沢東が生まれた。
また非公開日記からの過去記事をサルベージしてみた。
毛沢東が世界を発見したのは、長沙の図書館の壁に貼ってあった一枚の世界地図を見たときだった。彼の生まれた湘潭県も、生まれた村の韶山(しょうざん)も、どこにも発見できなかった。衝撃だった。世界はかくも広い!
湖南省は長江の中下流に位 . . . 本文を読む