ひょうたん池に出かけると、
スク水を着た毒舌系邪悪ドールがあらわれた。
「そこのジャップ!
お前が不法投棄したのは、
どのドールかとっとと答えやがれです!」
「わし涼みに来ただけやねんけど?」
「うっさいから黙れです!
おまえが落としたのは、どのドールですか?
ステルス製の巨乳金髪の核テロリストのミスアメリカ?
パチモン製の核テロリストのチャイナドレスのマオたん?
も、 . . . 本文を読む
美少女が私の眼の前に現れた。
どこかで出会ったことがあるだろうか?
私はこんな場所で、本当に愛せる人に出会ったことに、驚きを感じていた。
彼女にはお見通しだったらしい。
「かんちがいしないで。派遣よ」
そうか。派遣社員か。
おれの書いた《派遣社員マニュアル》を読んでくれたらうれしいな。
「あなたの仕事なんか、知らない。《国際スヌーピー協会》からの派遣よ」
あのね、きみ . . . 本文を読む
地下の倉庫が収容所になり、大勢の人間が捕らえられている。廃墟になったウィスキーの蒸留所のような雰囲気だ。空気はよどみ、じめじめして、ついでに煙っている。
首に環をかけられた男女が、壁際にぶら下がっていた。
栗色のセミロングの女が、最期に何か言おうとした。しかしその発言は許されず、太いロープがガタンと吊り上がったかと思うと、たちまち縊れ死ぬ。環には鋭利な刃物が仕込まれているのだろうか。次の . . . 本文を読む
架空料理店のお品書き推敲中。
無国籍ならぬ無政府料理店の八十八夜メニューは、茶葉料理のフルコースなど。
◇突き出し 豚耳の鉄観音煮
◇椀物 東方美人のイカ団子湯
◇蒸し物 鯛の翠玉茶蒸し
◇焼き物 子牛のフィレ、阿里山茶香
◇揚げ物 宇治茶の衣天ぷら
◇ご飯物 茶飯、凍頂烏龍の佃煮つき
◇小鉢 地鶏の茶坊主、抹茶焼き
◇デザート 高山緑茶ゼリー。
. . . 本文を読む
これはこれはS様。毎度ありがとうございます。
お電話お待たせして、大変申し訳ございません。
ええ、お昼前に頂戴したファックスでございますね。拝見いたしました。ご発注、誠にありがとうございます。ご発注内容は、A4二つ折りチラシ20万部でございますね。
納期は10月18日月曜日の午前10時までと。ただいま・・・10月15日金曜日の午後1時13分。
この月曜朝10時というのは、ニューヨー . . . 本文を読む
花冷えの公園に、とつぜん女の悲鳴が響いた。
事件?
事件ではないが、確かに事故ではあった。公園の駐車場の出口。半狂乱で泣き崩れる30代後半の女性。引きつった表情の運転席の若いカップル。困惑する警備員。
その視線の先では、鎖に繋がれた黒い子犬が仰向けになり、痙攣を起こしていた。
鉄柱に鎖でつながれていた子犬が、飼い主の女性を見た瞬間飛び出して、自動車と接触事故を起こしたようだった。
. . . 本文を読む
多くの文化遺産が残る「ばんび市」は、古代からの伝説の宝庫。市内に残る民話やわらべ歌を紙芝居にして伝えているのが、郷土史家の「まーぷる」さん。この町の小学校で37年教鞭をとったベテランの元先生です。
もともと民話やわらべ歌に関心をもっていたまーぷるさんが、紙芝居を始めたのは、地元老人クラブの女性部長になったのがきっかけ。
「耳の遠いおばあさんにも楽しんでいただけるよう、絵を見ればわかる紙芝居を思 . . . 本文を読む
〈あんごるもわの大王〉は、結局降ってこなかった。
《どどんぱ》《ぶつくさ》との人工無脳との対話実験は、1999年2月作品。EVさんこと細馬宏通氏のHyper Card「無脳」を利用したものである。
MOを整理していたら出てきたもので、自分自身、今まで書いた(?)ことさえ忘れていた。
《どどんぱ》は〈こうちゃ〉と〈すぷーん〉が大好きだ。しかし、インドア派でスポーツには興味がないらしい。 . . . 本文を読む