KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

湯檜曽川ゼニイレ沢

2010年10月17日 | 沢登り

天候:のち
行程:白毛門登山口駐車場5:15-ゼニイレ沢出合6:00~20-最初のスラブ6:50-二段6m滝-奥壁9:00-白毛門頂上9:55~10:55-駐車場12:40
参考:「上信越の谷105ルート」豊野則夫・編(山と渓谷社)

 前日、一ノ倉本谷を終えた翌日。
 相方のタケちゃんは所用ありということで、本日は単独で手軽に行けそうなゼニイレ沢へ。

 白毛門登山口の駐車場で車中泊し目を覚ますと、前日の行動で乳酸MAX、筋肉痛で足がバキバキ状態。
 普通に歩くのさえ辛く、よっぽどこのまま帰ってしまおうかと思ったが、何とか思い留まって出発する。
 今日は一人なのでたぶん使わないだろうと思ったが、念のための保険としてロープやハーネス、ギアは一応持参する。

 湯檜曽川右岸の林道を歩き始める。まだ夜は明け切らず、やたらとある「熊出没注意!」の案内にビビリながら、時折ホイッスルを鳴らしながら進む。

 林道は車が通れる幅から人が通れるほどに変わり、やがて左に回り込む辺りから右の河原に降りると、もうそこはゼニイレ沢の出合。
 あまり美しくないゴーロが末端まで押し出しているので一目瞭然。

  朝のゼニイレ沢出合

 河原でコンビニおにぎりの朝食を済ませ、簡単に身支度を整え、まずは湯檜曽川の渡渉。この時期、水量は少なく足首程度で特に問題なし。

 ゼニイレ沢の行程1/3はゴーロ。何とも歩きにくい。筋肉痛に辟易しながら登っていく。
 時折、振り返って一ノ倉沢方面を見るが、本日は曇っていてあまりハッキリ見えない。

  出だしのゴーロ帯

  振り返れば一ノ倉沢

 やがてゴーロが終わって待望のナメ・スラブ。
 それなりの規模だが、黒っぽいヌルがついてて米子沢や西ゼンほどの美しさは無い。
 「アクア・ステルスでも、まぁ大丈夫だと思うけど・・。」とタケちゃんのアドバイスに従い、出だしは慎重に行く。
 とりあえず緑のヌルは大丈夫だが、黒ヌルや茶色いヌルは要注意だ。

 

 昨日の一ノ倉に較べてば傾斜も緩く、ほとんど気を使う必要はないが、それでも登るにつれ意外と高さも出てきて、調子に乗って適当な所に突っ込むと痛い目に合いそう。
 それでもあまり逃げずに極力、水流沿いに高度を上げていく。
 トポではいくつか小滝が記載されているが、基本的にナメ・スラブの連続だ。

 

  ナメ滝を見下ろす。

 15m「逆くの字」滝というのはどこかわからず、その上の二段6m滝のところで小休止。
 この上から少し沢幅が狭まってくる。曇り空だが、この辺りから周りの紅葉がなかなか綺麗。
 
 6m二段滝の上段はツルツル壁でまず直登不可。左のブッシュとのコンタクト・ラインから潅木掴んで強引に上がるがちょっと悪い。
 
  6m二段滝 (たぶん・・・)

  上部ナメ

さらにひたすら真っ直ぐ進むとやがて三俣。といっても正確には三俣ではなく、まず二俣があったら右、ほんの少し進んで次の二俣を左に取る。
 いずれにしても上の方にはインゼルのような奥壁?が控えていて、それに向かって真っ直ぐ進むのが正解。
 三俣を過ぎるとほとんど水枯れとなるので、1Lほど補給しておく。

 そして、最後は奥壁。
 右のブッシュに逃げることもできるが、ガイド本に「せっかくだからフリークライミングを楽しみたい」とあるので、取り付いてみる。

 ルートはどこでも適当に取れるが、できるだけ正面突破を試みる。
 せいぜいⅢ級ぐらいだろうとタカをくくっていたが、そこそこ高さもあり、ワンポイト緊張する(Ⅳ+)フリーソロとなる。

  奥壁基部より

  登ってみると高さもあってなかなか・・

 一つの壁を過ぎるともう一つ壁があり、基部にはハーケンが打ってある。
 A0用か?まぁ使わないでもボルダー・ムーブで切り抜けられる。ここもⅣ級か?

 ここを過ぎればもう沢は終わり。ほんのひと登りで稜線で、そのまま登山道に出るかと思ったらシャクナゲのブッシュ帯。
 踏み跡もはっきりせず、猛烈な熊笹とシャクナゲに行く手を阻まれるが、こういう時はとにかく高い方へ向かうしかないので、右手の高みへ向かう。

 微かに登山者の声が聞こえたので、そのまま右へ進むとようやく登山道に出る。熊笹をガサガサ漕いでいたので、後でオバサンから「熊かと思った。」と言われてしまった。

  ゼニイレ沢全景

  白毛門
 
 白毛門の登山道は大賑わい。このまま下ってしまおうかと思ったが、せっかくなので山頂まで行くことにする。

 頂上では地元・群馬の中高年ご夫婦にクライミングのことなど聞かれ、四方山話などしているうちに小一時間も長居してしまった。
 なかなか気さくなお二人だったが、オトーサンが目の前でビールのロング缶を一人で2本を飲んでしまうのにちょいと閉口。 (できればCMの菅原文太のように「良かったら飲んでくれ。」と言ってほしかった・・。

 

  笠ケ岳、朝日岳方面

 登山道を下り始めてすぐに沢装備の中高年男女二人組と擦れ違う。聞くと私の後からゼニイレ沢を上がってきたとのこと。
 「いやぁオタク、速いよ。」とお褒めの言葉をいただくが、こちらは筋肉痛で相当スロー・ペースだったんですけど。

 白毛門からの下りは相変わらずダルイが、色づき始めた紅葉がせめてもの救い。

  ジジ岩

 天候に恵まれ久々に充実した二日間だった。
 ゼニイレ沢は出だしのゴーロがイマイチ、その後の一直線に突き上げるナメ滝はスッキリしていて、なかなか良いが、西ゼンや米子沢に行った後だとやはりB級の印象となってしまう。
 上越の入門コースとしてはいいかもしれません。


 で、最後にちょっとケチがつく。
 下山後、例のワンゲル御用達の店「Y」へ行ったのだが、入ったとたん「メタメタ混んでいるので、時間がかかります。」と言われる。
 見たところ客は4組ほど。テーブルも2/3以上空いてるし、いる客の方もほとんど食べ終えている。
 待つ覚悟もできているので、そのまま椅子に座ろうとしたら、一度引っ込んだオヤジが再び出てきて「やっぱメタメタ混んでいるのでお断りします。」と一言。

 はぁ~・・・全然混んでるように見えないんですけど。  (大体「メタメタ」って何?)
 飯屋に「入店お断り」されたのはもちろん初めて。ワンゲル、スキーヤー推奨かしらんが、もう行かん!



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