熊取見張り番  私も結成にかかわって、新しい「熊取町を良くする住民の会」が発足しました。あなたもご一緒にどうぞ!

会の構成員も目標も違いますが、類似点も多いです。大浦の責任で、見張り番と「住民の会」情報を区別をつけて発信します。

何故、熊取町は和解できるのか!

2008年12月04日 | Weblog
                            2008年12月2日
熊取町議会議員 各位     
                    熊取見張り番 世話人 大浦 正義
         今勝裁判の「和解拒否」、公正判決を求める要望書
私は、熊取町議会江川議員のホームページで、今勝裁判についての裁判所和解案(★)が11月28日(金)の議員全員協議会において、町から提示されたことを知りました。
★「町営住宅請負代金請求事件の和解案について
(1)裁判所和解案  
裁判所和解案に基づく工事請負代金支払額 1千470万円(10.63%)     
熊取町の損額賠償請求額         8千505万円(12.86%)     
裁判所の和解における損害賠償認定額   7千 35万円          
今勝建設の工事請負残代金請求額     3千874万5千円
(2)和解案回答期限 H20年12月25日(木)午後4時半」
 熊取町(中西町長と顧問弁護士)は、この和解案を議会の同意を得て実現しようとしています。この和解案の意味と評価を明らかにして、2007年12月19日熊取町議会の「8505万円損害賠償」決議に責任を負うべき議員各位に適切な対応をされるよう要請します。
1、「裁判所の和解における損害賠償認定額 7千 35万円」の意味
この和解案の金額は、被告・熊取町の準備書面で刑事裁判の調書から引用したものです。熊取町建設業協同組合主導の「今勝建設による落札」談合がなければ、すなわち公正な競争状況を想定いた場合、4社のうち阪南土木の入札予定価格5億6300万円(契約の場合は消費税込価格5億9115万円)が最低価格であり、この価格が落札価格になったであろうと裁判所が推定したものです。要するに、今勝建設の落札価格と阪南土木の入札予定価格の差額、6億6150万円-5億9115万円=7037万円が談合による熊取町の損害賠償金額として適切であり、1千470万円を熊取町が未払い代金として今勝建設に支払うという和解案です。
2、この和解案の評価・・・熊取町によるミスリード裁判が始まって私は原告と被告の準備書面を検討して、熊取町に6月16日付要望書を提出した。その中で被告・熊取町に「大きな誤り」はないが、幾つかの「不十分さ」があることを指摘した。熊取町は結審の11月11日まで、その不十分さを克服しなかったのです。裁判所の和解案は、熊取町の「不十分さ」のために裁判所をミスリードした「問題のある産物」です。熊取町の法廷闘争における「不十分さ」からくる下記の第一と第二の問題点を解明します。
(1)第一の問題点は、談合のあった平成18年度における最低制限価格が持っていた意味について明確に説明できなかったことです。 11月11日法廷で熊取町の当時の事情をよく知るものとして総務部長理事・田宮証人が、損害賠償金額8505万円を差し引いた被告・熊取町の正当性を主張する証言をしました。田宮証人は、8505万円の損害賠償を請求すべきであるという住民監査請求と議会決議があったこと、裁判になってからも要請や質問状が提出されていることなど住民要求が強いことを強調し、最低制限価格が入札価格に規定的意味を与えていることを談合発覚後の入札状況や近隣市町村の状況などから明らかにした。ここまではよかったが、原告・今勝建設の弁護士の反対尋問で、熊取町の主張は談合発覚後の19年度20年度の落札状況は最低制限価格によるものが大多数であると主張するが、談合のあった18年度はどうであったかと問われて応答不能になったのです。
 下記資料(住民監査請求の一部抜粋)の通り、談合があった18年度の入札も、建設業協同組合主導による日常的談合状況から偶然に免れ、公正な競争条件が確保された7件の入札では、最低制限価格かそれに近い金額であり、落札率(予定価格に対する落札価格の比率)の平均は、大原住宅2期工事の予定価格に対する最低制限価格の比率に近似であり、最低制限価格は適切な競争入札においては規定的意味を持っていたことが明らかでした。この後、裁判官は結審し、2月3日を判決予定日とすることを確認して、和解をさぐる提案しました。これに今勝建設の弁護士が飛びつき、熊取町も同意して、裁判上の非公開協議に入りました。この日「8505万円の損害賠償実現」を願う立場で裁判傍聴をしたのは、住民監査請求を支持する町民有志2名(大浦他1名)と熊取町議会決議を実現する責任を負う町会議員有志5名(文野議員、大村議員、坂上議員、江川議員、鱧谷議員)でした。
(2)第二の問題点は、刑事裁判で有罪判決を受諾した被告の有効な供述を入手しながらも、裁判の準備書面で特筆して主張し、裁判官の注目を促さなかったことです。熊取町準備書面によれば、落札業者である今勝建設代表取締役北川孝人は「この工事の落札後、ほぼ丸投げの形で今西組に下請けに出していますが、今西組は5億6000万円でこの工事を受注しており、今西組としても当然利益を見込んでその金額で受けているわけですから、自由に競争していれば、これに近いくらいの金額で落札されていたことだろうと思います」【検面調書(乙4-8-10~11頁)】と供述しています。今西組が今勝建設から受注した金額、今勝建設も今西組も当然利益見込んだ受注金額が5億6000万です。この金額は、大原住宅立替2期工事の最低制限価格(税込み5億7,645万円)の金額を1645万円も下回っており、今勝建設は「自由に競争していれば、これに近いくらいの金額で落札されていたことだろうと思います。」と、落札金額が最低制限価格に接近する正当性を認めていたのです。
3、問題のある和解ではなく、公正な判決を実現するために。
 和解案は今勝建設の勝手な主張を認めず、熊取町の主張の基本を認めて、それなりの損害を回復している点は評価できますが、重要な問題を含んでいます。この和解案の受け入れは、反省も謝罪もしていない談合の常習犯企業との妥協的和解を意味し、談合企業を免罪することになります。これは著しく不公正な妥協であり、熊取町の長年の損害回復と社会正義の実現を求める住民感情と住民要求とに対立します。さらに、この妥協が再び多くの談合を呼び寄せる契機になり、住民の利益を大きく損なうようになります。今からでも熊取町が不十分さを克服すれば、公正判決を実現できる可能性があります。しかも、裁判所の判断状況を見れば、裁判所がこの和解案より悪い判決を下すことはないでしょう。熊取町が従来の姿勢を克服する最後の機会として、和解を拒否し、12月25日までに裁判所をミスリードしたことを挽回する最終準備書面と書証を裁判所に提出することを私は求めます。熊取町議会議員各位には議会決議を実現する立場から熊取町を適切にリードしてくださるよう要請します。(以上)

資料「2007年12月11日提出の住民監査請求『D.生じた損害』より」                      
 平成18年度の指名競争入札の実績によれば、町内業者が落札した45件の場合の平均落札率は96.06%であり、町外業者が落札した7件の場合の平均落札率は83.39%である。一方、大原住宅立替2期工事の最低制限価格(税込み5億7,645万円)は予定価格(税込み6億8,985万円)の83.56%であり、町外業者の落札率と近似している。また、熊取町の最低制限価格の意味するところは、「平成16年6月定例会(06月11日)総務部長(阪上伸二君)が「我々は、適正価格は、予定価格から最低制限価格までの範囲を適正価格と、そのように認識しているところでございます。」と答弁している。業者の不法行為に対する損害賠償としては、最低制限価格を選択することが適切であると判断する。
 したがって、違法な談合による今勝建設(株)の落札価格である金額6億6,150万円(税込み)と、適正価格の下限である最低制限価格5億7,645万円(税込み)の差額、8,505万円が熊取町に生じた損害である。