そんなことあったかな…
君は照れ笑う
地球がスキップするくらい
あったよ
街が鼻歌うたうくらい
あったよ
君にとってそんなことでも
私にとって宝物
草むらから
チリリン チリリン
耳を澄まして
チリリン リン
あなたの歌う
愛の詞を
夜風が届けます
この前 見たんだ
歩道の向こうで
石を投げられていた
カラスを
世間が
君のことをどう見ようとも
この前 見たんだ
雨上がり
隣の家 屋根から
黒い丸い瞳が
真っ直ぐ
虹を見ていたこと
瞳に映る世界の
美しいこと
どこからか
美しい声が聴こえてくる
商店街の向かい側
ビルの方から
ピヨピピポポ…
鳥よ
心から湧いてくる
その
美しい想いは何?
わたしの
影にも
星が
灯り始める
急な会話に まごまごして
また 気づけば
的はずれ
あとで
ああ言えばよかったと
思い巡らせて
へこんだり 顔を上げてみたり
首を傾げたり
そうして
あの人の顔が
ぽっと浮かんで
何かが変わった
上手くあろうとするよりも
新芽のように
心から