風が吹いている
あれは六月
大学のカフェテリアで
仲間とコーヒーを飲んだ
あの頃の
どうしようもなく
生意気な私が恋しい
風が吹いている
あれは八月
近所のこどもたちと
御堂の前でラジオ体操をした
あの頃の
どうしようもなく
無邪気な私が恋しい
風が吹いている
それは今晩 月の晩
一人
ホッとコーヒーを飲んだ
こんな
どうしようもなく
爽やかな香りに 乾杯!
朝起きて
顔を洗って
鼻歌なんて
歌ったら
それは私の青信号
さっき作った
歌に乗せ
虹色の今日が始まるよ
さぁ 猫よ小鳥よ
聴いておくれ
ヘンテコな歌を
ノートにばかり
向かうので
猫がノートを噛みました
タンッと踏んで行きました
君のことを書くんだよ
このノートの真ん中に
遠い春の夜
書いた手紙は
届かないまま
私はノートを閉じました
今 君と向き合うために
ジャズの音量は
まるで喫茶店で
おしゃべりしてるみたい。
愚痴から始まったって
歴史のことから
好きな漫画のキャラクターにまで
飛ぶんだから
電話越し
ケラケラ笑って
ケセラセラ。
机の前を
ウロチョロする猫。
頭を出したり
引っ込めたりするので
おもしろくて
詩集を開いては、また閉じた。
猫よ、君は
たくさんの遊びを知っているね。
ジャズの
軽快なリズムに乗って
いい朝だ
猫よ。