2008 日本クーラカンリ登山隊

10月1日に起きた雪崩により、今回の登山計画は中止しております。

事故発生とブログ一時閉鎖について

2008-10-04 06:28:44 | インポート
当ブログをご覧くださっていた皆様。

もうすでにご存知のことと思いますが、10月1日、C2に向けルート工作中の加藤慶信、有村哲史、撮影のため2名と行動をともにしていた中村進の3名が、雪崩により死亡するという事故が発生しました。 当ブログには多くの方々からたくさんのお悔やみのお言葉や、残された私たちへの励ましをいただきました。ありがとうございます。

事故発生以後、ブログ内で様々なご意見をいただきましたが、一部ご遺族・関係者にご迷惑をかける内容のコメントを恐れ、まことに勝手ながら、2日にはブログを一時閉鎖させていただきました。

昨夕C1より下山してまいりましたが、事故報告と、隊長として皆様にお知らせすべきことはたくさんあると考え、ブログ再開をさせていただきます。 ブログ管理人と連絡を取り、今までの投稿もいずれ復元できるよう、努力いたします。


日本での報道内容に一部正確でないものもあるようなので、事故発生日の概要を取り急ぎ報告いたします。


10月1日 ルート工作隊として加藤登攀隊長、有村哲史、撮影のために工作隊と行動をともにしていた中村進の三名がC1(5900m)を北京時間午前8時に出発。 同時刻、高橋、桜井、三戸呂はABC(5350m)からC1入りの行動。

午前11時の無線交信で、ルート工作は順調に進んでいるとの報告が、加藤から高橋になされる。 午後1時、午後5時の定時無線交信に応答がなく、事故の認識をした高橋・桜井がC1から前衛峰取り付きへ捜索に向かう。 取り付きから100mほど上部の雪面にて三名の遺体を確認、すぐにBCへ連絡とともに三戸呂を現場に呼び、雪崩の第二波、第三波を避けられる場所に遺体を移動、遺品の回収を行う。 2日未明より、高橋・桜井・三戸呂は三名の遺体をC1へ搬送作業に入る。昼前から地元の方の協力を得て三体をC1へ収容。


以後現在にいたるまで、遺体の収容作業、および撤退準備にあたっております。 ここでお知らせできる内容には限りがありますが、事故を起こした責任として、できるかぎりの報告はしていこうと思っております。

ご遺族はじめ、3名の関係者そして私どもを応援してくださっていた皆様には、ただただお詫び申し上げるしかございません。 今は遺体を一刻も早く下ろすことに全力をそそいでおります。

本日も遺体引き下ろし作業C1からの荷下げ作業を予定しております。 二重遭難の無いよう、十分注意して作業にあたります。


登山隊隊長  高橋和弘