システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

2010.3.13. 大学教育改革フォーラム東海2010

2010-03-14 22:11:30 | イベント参加
大学教育改革フォーラム東海2010
2010.3.13.(Sat)
会場:名古屋大学
http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/tf2010/

■個人的な課題
あまり触れることのない大学教育の課題を感じる。
図書館も関係する討論もあるので、図書館と大学教育の関わりを考える。
なかなか仕事上では(正確にはいびつな組織上ですね)関わりの持てない分野ですが、大事なポイントだと再認識することができました。

・米澤誠さんのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/bpxdx655/43016425.html

以下、例によって、自分のメモ的なものです。
内容も自分の理解(誤解含む)に基づくものです。

■セッション3「学生の書く力をどのように伸ばすか」(11:10 - )
●宮地朝子さん(名古屋大学・文学研究科)
「学術的に書くための「日本語」とは」
・日本語表現関連授業も担当されている
・「アカデミック・ジャパニーズ」
・起承転結、結論があとになるので勧めない。
・英文のアカデミックライティングのも参考にしている。
 理系の書き方が、文系には無味乾燥と言われたり。

・日:「時系列」の傾向
・米:「因果律」「時系列」の使い分け

 #私も英語のスピーチを習っている時に、構成の基本として、Order of importance と Chronological order を

仕込まれましたが、それと同じですね。

・仏:「俯瞰型」(それらの統合)

・日本語の構造的特徴
 SOV構成とかだけでなく、
 語用論モード(話し言葉で主語や目的語を使わない)、話し言葉と書き言葉の違いの大きさ。
・「書き言葉はスキル」なのだと教えることの重要性

●留学生のアカデミック・ライティング指導について(櫻井次郎)
 
●書く力を伸ばす日々の実践と支援体制(伊藤奈賀子)
・学生は「書くこと」をどうしたらいいのか分からない。
 構成って何? 語彙・表現を指摘されても何が悪い?
 資料の探し方・使い方も分からない 等
・学生の能力の混在、学生によって支援の内容は異なる状況で
 「何を」「どのようの」「どの程度」という点を考えるべき。
 教職員はそれを「どのように」支援するか
 *)教員だけでなく、キャリアセンターや学生課の職員も関わりがあるのではないかと。

・「書く力を伸ばす」必要性の認識。意欲を持たせることが難しい。
・「書く」≠文字を連ねること。課題を的確に理解することから。
・読み手がいるという意識。

●討論
・「書ける」と自信を持たせる大事さ。
 ともかく書いて、見せてもらって、コメントする。
・課題の出し方という論点。いきなり新入生に、「○○について論ぜよ」と。

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■名大・中央図書館見学
○ラーニングコモンズ
○LED電球
○学生用PCからの印刷
 ※これはいい!
 PCで印刷指示>プリンタにログイン(タッチ式パネルで入力)>一覧から出力指示
 ・課金は生協コピーカードにて
 ・カラーもok
 ・ファイル形式は、そのPCで扱えるものはok(つまりpdfだけではない)
 ・USBメモリを持参して、それをプリンタに接続して、その中のファイルを印刷することもできる ←そんなのができるものがコンビニにもあるらしい
 ・設置主体は生協らしいが、大学整備のインフラに接続しているのが、本学さんと比べて特長です。

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■パネルディスカッション 大学の学習支援における図書館の可能性

(*)午前の講演に比べると、聴衆は4分の1?、5分の1?
 テーマが図書館だから、教員の関心も高くないのか。

●司会からあいさつ
・図書館という場を活用して云々
 大学教育と図書館をどうつなぐか

●大学図書館による学習支援と情報リテラシー教育(野末俊比古)
・いつものように、雑談的な前振り、静岡出身という話から
[後略]

●課題探求能力の育成を支援する大学図書館の取り組み(長澤多代)
・実施時期がポイント
 学期の最初に行うとこが多いが、課題のテーマが決定した直後
 =教える好機 (teachable moment)
...と、アメリカの多くの教員が語っていると。
・今後の課題
 教員と図書館員の連携
 教員の図書館(員)観への対応
  ×本のある場所 ○学習・教育支援機関
  ×事務員、○情報探索の専門職員
 教員の教育活動の支援
 大学教育センターとの連携(FD担当者による仲介)
・「三重大学 高等教育創造開発センター News Letter」

●愛知大学豊橋図書館における学習支援の現状と課題(桂三幸)
・図書館の概要
・ガイダンス、講習会の概要
・課題 

●討論
○図書館員の養成
・野末:実践的な教育学も取り上げている
・長澤:FDのワークショップへの参加呼びかけ
・桂:スペシャリストを育てるという視点がないため、配属について配慮をお願いしたい。

○Yさん(NII):大学図書館員向けの研修も行っている。このような大学教育関連のセッションに参加することが増えているが、「情報リテラシー教育」がうまくかみ合っていないと感じる。
その点について、フロアの教員でなにか思うところは?
・フロアから発言なし。
・野末:「情報リテラシー」と名の付く図書、雑誌を全部見てみた。コンピュータ寄りの使われ方が多い。それぞれで適当な使い方をすればよい。
・長澤:やはり、IT系の使われ方が多いので、「学習支援」とか「教育支援」と用いている。

○教員H(阪大):IT系の教育も担当している。確かに言葉の使われ方は違う。Word、Excelっていうのは、もういいだろう。小学生でもやり始めている。図書館利用の方法論も加えていくべきでは。
情報系と図書館とが連携して、「情報リテラシー教育」の提案ができればよいと思う。

○コンピュータリテラシーの教員(青学):情報検索法も教えてほしいと言われることがある。それなりの規模の大学だと、情報検索法はIT系の授業に突っ込まれるのは仕方がない側面。
物理の専門だが、法学、経済学のツールを調べて、授業を作る。
図書館に聞くと、人も換わる、フロントは派遣だ、と任せられない。
野末先生の仰っていることが実現できる環境にあるとは思えない。
皆さんの大学で、全学生にそれを実現するための障害は何か、教えてほしい。
・野末:「教材」の開発が重要だろうと思う。
・長澤:職員(?)の数が障害。
・野末:青学で何かあれば、私に言って下さい。
・三重大の図書館員:教員に必要度をアピールして、教員の声を聞くことも大事。

○まとめ、感想
・桂:現状を再確認できた。よりよいものを作っていきたい。
・長澤:大学教育のフォーラムで発表できてよかった。交流も大事。
・野末:お互いに考えていることはあるので、それを助け合っていければよい。つなぎの道具を作っていければなと。いいキャッチフレーズみたいなのがあれば。
 「ブツ」を共有するといいのではないかと、ここ数年感じる。
 ALAのしおりの紹介。大量に持ってきたので、お持ち帰りいただければと。

・司会:準備する中で大きな問題であると気付いた。
 教員が図書館を使うことも大事。

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終了後、某大学のシステムにも関係する職員と立ち話で、いろいろお伺いしました。
それぞれに、いろいろ考慮しながら話しながらやっているのだなと感じました。
私もそういう場面で仕事ができるといいなと個人的な課題もありますね。

※写真: スキー中に Hot Chocolate でほっと一息。たまにはホテルのラウンジで。
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